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2022/9/28 11:30

効果は99%!? 東芝クリーナーが「毛絡み問題」を解決したシンプルな方法とは

いまはコードレススティッククリーナーの戦国時代。多くのメーカーが、毎年新機能を搭載した製品を発売しています。そんななか、東芝ライフスタイルもコードレスクリーナーの新製品4モデルを発表。9月より順次発売しています。正直、ダイソンなどと比べるとあまり話題にならない東芝のクリーナーですが、体験会にてフラッグシップモデルVC-CLX51を中心に実機をチェックしてみたところ、パワー、軽さ、使いやすさのバランスが非常に良い! 以下で詳しく見ていきましょう。

↑22年度のコードレスクリーナー新製品。左から最上位機種となる「VC-CLX51」(実売価格8万2280円・税込 以下同)が2台、軽さを追求した「VC-CLW31」(実売価格6万5780円)、軽さと使い勝手の良さを両立した「VC-CLW21」(実売価格5万3110円)、コストパフォーマンスに優れた「VC-CLS11」(実売価格4万3780円)。VC-CLS11のみ10月発売予定です

 

ブラシに横糸を編み込んで毛絡みを防ぐ!

最上位機種であるVC-CLX51は、パワフルな吸引力が特徴のコードレススティッククリーナー。今回発表された4製品のなかで一番重量があるモデルですが、延長管やヘッドを装着した標準質量は1.5kg。これは、他社メーカーなら「軽量タイプ」といわれる軽さです。

↑最上位機種となるVC-CLX51。カラーはボルドーブラウン(写真)とシャイニーシルバーの2色。本体サイズは幅228×奥行き180×高さ1070mm、質量1.5kg。バッテリー持続時間は標準モードで約35分、強モードで約10分

 

↑VC-CLX51でカーペットにべったりと張り付いた綿毛の細かな繊維を掃除。綿毛は掃除が難しい素材ですが、一往復でほぼキレイになりました。自走式なので軽い力で操作できるのも魅力です

 

最上位機種ならば、掃除性能が高いのは当たり前。新製品はパワフルなだけではなく、さまざまな部分で使いやすさが向上しています。そのひとつが「からみレスブラシ」を内蔵した「からみレス自走ヘッド」の採用。高機能コードレスクリーナーのほとんどは掃除性能を向上させるためにヘッド内部に回転ブラシを内蔵していますが、回転ブラシがあると長い髪の毛がブラシに絡まるという問題が発生します。掃除のたびに髪の毛を除去するのは意外と面倒な作業。そこで近年は、円すい形のブラシを採用するなど、複数のメーカーが「ブラシに毛が絡まらない機能」に力を入れています。今回の新製品で東芝は、「からみレスブラシ」の搭載により、この「毛絡み問題」に対応しました。

 

東芝の「からみレスブラシ」の仕組みは非常にシンプル。なんと、コシのある植毛ブラシの中央部分を横断するように、横糸を編み込んでいるだけです。この横糸があるおかげで、ブラシに絡んだ髪がブラシ根元まで入り込まず、ブラシの回転とともにブラシから外れやすくなるといいます。

↑黒いブラシ毛に見える白い糸が横糸の一部。絡んだ毛は横糸より下に入り込みません

 

実際に疑似髪ゴミで試したところ、昨年モデルのブラシにはビッシリと巻き付いていた髪が、「新からみレス自走ヘッド」のブラシにはまったく絡まっていませんでした。東芝によると、「からみレスブラシ」非搭載のヘッドと比較するとなんと99%も(!)絡みつきにくくなっているといいます。

 

この「からみレスブラシ」は、最上位機種のVC-CLX51だけではなく、今回発売されたすべてのモデルに搭載されます(ただし自走ヘッドはVC-CLX51のみ)。

↑昨年モデルで疑似髪ゴミと綿毛を混ぜた床を掃除したところ、ブラシ中央付近に赤い髪ゴミがビッシリと巻き付いているうえ、所々に綿もくっついています

 

↑「新からみレス自走ヘッド」で同じゴミを掃除。髪も綿毛もブラシに絡まっていないのがわかります

 

フィルターレスになってメンテナンスが簡単に

最上位機種だけの新機能として、フィルターレスダストカップが搭載されました。サイクロン式の掃除機のほとんどは、ゴミを空気と分離するサイクロンユニットのほかにプリーツ式フィルターを内蔵しています。このプリーツフィルターには超微細なゴミが付着し、掃除をさぼると目詰まりして吸引力が落ちる原因になるため、定期的な掃除が必要。しかも、水洗いした場合は日陰で24時間乾燥させる必要があるなど、お手入れが面倒なパーツでした。

↑従来モデルまでダストカップ上部に搭載されていたプリーツフィルター。左が未使用、右が使用後で、使用後のほうには微細ゴミがビッシリと付着しています

 

そこで、VC-CLX51のフィルターレスダストカップは超微細ゴミまで分離する「ミクロトルネード分離」機能をサイクロンユニットに搭載し、プリーツフィルターを省略。これにより、フィルターの目詰まり問題も解消されました。

↑プリーツフィルターがなくなったVC-CLX51のダストカップ(写真左)と、昨年モデルVC-CLS2のダストカップ(写真右)

 

東芝のコードレススティッククリーナーといえば、ダストカップのなかでゴミをギュッと圧縮するのも特徴。最上位機種のVC-CLX51はゴミを約1/4、それ以外のモデルは約1/3まで圧縮します。ゴミが小さくなることでゴミ捨て回数が減らせるうえ、ゴミがバラバラになりにくく捨てやすいというメリットもあります。

↑サイクロンの力でゴミを分離するだけではなく、小さく圧縮します

 

本体から分離できるLED照明が付属

このほかの新機能として、VC-CLX51は本体から分離できるLED照明「ピカッとライト」も付属します。ヘッドや本体にLEDを搭載し、掃除する先を照らしてくれる掃除機は従来もありましたが、照明部分が取り外せるのは珍しい仕様です。状況に応じて、ヘッド根元や本体に直接装着することができます。

↑下のパーツが「ピカッとライト」。LED部分のみ分離でき、本体に直接装着したり、延長パイプの先に装着したりすることができるようになりました

 

↑写真のように本体に直接装着できるほか、床用ヘッドの根元に装着することも可能。使い分けできるのは便利です

 

突出した機能はないけれど全体の完成度は高い

VC-CLX51は最新の驚くような機能はありませんが、実際に使ってみるとパワー、軽さ、使いやすさのバランスが非常に優れた製品だと感じました。新製品は毛絡みがなくなり、フィルター掃除も不要になったことで、メンテナンスの面倒がなくなったのも魅力です。ゴミの捨てやすさなど、細かな部分にも使いやすさを考えたこだわりを感じられました。

↑東芝のコードレスクリーナーはバッテリーに直接プラグを挿して充電します。バッテリーは本体に装着した状態でも、外した状態でも充電可能。バッテリーだけコンセント近くで充電できるのは便利です

 

また、発表された4モデルのうち、最上位モデルVC-CLX51以外で注目したいのは、「VC-CLW31」。こちらは延長パイプにカーボンを使い、標準重量を1.0kgまで落とした驚異の超軽量モデル。吸引力はVC-CLX51には及びませんが、サブクリーナーとして活躍してくれそうな製品です。

↑超軽量モデルのVC-CLW31。本体サイズは幅230×奥行き150×高さ993mm、標準質量1.0kg。連続運転時間は標準約30分、強約8分

 

↑VC-CLW31でカーペットに貼り付けた綿毛を掃除。一往復ではゴミが残っているところもありますが、超軽量モデルとしてはなかなか優秀な結果。フローリングがメインの家庭ならメイン掃除機としても使えそうです