シャープは、本体左右側面から空気を取り入れる「両面吸い込み構造」を採用した、プレミアムモデルのプラズマクラスター空気清浄機 FP-S120を9月7日に発売する。同機種は、コンパクトサイズながら静音性にも優れ、自動運転においても空気清浄機能が最大約5倍(※)に進化した。オープン価格、推定市場価格は11万8000円前後。
※同社従来機と比較した場合
吸い込み面積約2.4倍で、約53畳まで空気清浄
新型コロナが5類の区分になったとはいえ、空気環境に対する関心は引き続き高い。そうしたなか、本格的な空気清浄性能を重視する傾向も高まっているという。シャープが2023年3月に実施したWEBアンケートでは「購入重視ポイント」の上位に菌やウイルスの作用抑制のほか、ハウスダストやホコリの集じん、花粉の除去などが並んだ。
また「購入時の希望タイプ」においては、加湿は不要あると回答した人が44.6%と半数近くに及んでいる。このことから、同社は「空気清浄」に特化しやすい加湿なしタイプのニーズが高まっていると想定。さらに、導入先の多様化が進んでいる。2年間で空気清浄機の設置率が約2倍まで拡大したことに着目し、一般家庭以外のニーズにも注目した。
今回発表されたプラズマクラスター空気清浄機<FP-S120>は、大風量、コンパクトサイズを実現。空気清浄の適用床面積約53畳、プラズマクラスター適用床面積約24畳、最大風量12立法メートル/分、8畳を約6分の清浄スピードで処理することが可能だ。
空気清浄機の性能は、部屋の空気を吸い込む「風量」、粒子を空気清浄機へ引き寄せる「気流」、微小粒子を1回の吸引で捕集する「フィルター効率」で決まるという。従来の常識では大風量=大サイズだった。そのため、大空間に対応する性能と省スペース性の両立が課題となっていた。その課題解消のため、FP-S120では左右から空気を吸引する「両面吸い込み構造」を採用。吸い込み面積を同社従来機比約2.4倍まで拡大し、風量5立法メートル/分のサイズ感で空気の吸い込み能力向上を実現した。
サイズを抑えたことで、一般家庭のリビングはもちろん、オフィスや飲食店に設置しても高い空気清浄性能を発揮することが可能となった。
左右両面からの吸い込み構造ということで、設置場所が気になると思う。これについて、同社 PCI・ヘルスケア事業部 PCI商品企画部 課長の松村勇樹氏は「本体と左右壁面との距離などは設定していません。従来機は3cm開けていただくようご案内をしていましたが、新機種ではそれより近くに設置していただいても問題ありません」と説明した。
3つの高性能フィルターを搭載
空気清浄を行うのは、「静電HEPAフィルター」「ダブル脱臭フィルター」「抗菌・防カビホコリブロックプレフィルター」の3つ。静電HEPAフィルターは、室内に浮遊している花粉やPM2.5など、0.3マイクロメートルの微小粒子を99.97%以上(※)キャッチすることができる。交換が必要なのは、静電HEPAフィルター(5720円)と脱臭フィルター(4950円)で、交換目安は10年。
※フィルターの除去性能
また、「プラズマクラスター25000」を搭載しているので、静電HEPAフィルターで取り切れない付着ウイルスや付着花粉アレル物質の作用も抑制される。プラズマクラスターのイオン発生ユニット(3080円)の交換目安は約2年2か月。いずれも家電量販店、または同社公式サイトで購入することが可能だ。
「自動」運転時の空気清浄性能は従来機の約5倍
同機種の吸い込み性能の向上は、ファンの回転数抑制にもつながった。その結果、自動運転の最小風量時で、図書館よりも静かとされる36dBの低騒音に抑えながら、空気清浄性能を従来機比最大約5倍まで向上。運転開始30分後の粒子残存率が約9分の1(同社比)になるなど、微小粒子をより多く捕集し続ける進化を遂げた。
また、Alotクラウドサービス「COCORO AIR」に対応し、スマホアプリを通して、曜日や時間ごとに運転モードの設定ができる新機能「タイマー機能」やフィルターなどの交換目安確認など、さまざまな限定機能を使用することが可能だ。
今後は、年内に台湾を皮切りに、ASEAN各国へ順次展開予定とのこと。2022年度には国内で稼働している空気清浄機の台数が約3000万台に達した。買い替え、買い増し需要は年間300万台を見込んでおり、同社はリーディングメーカーとして新規商品を中心に、2023年度にはプラズマクラスター累計2億台達成を目標に目指すという。
※本文中記載の価格はいずれも税込み
【フォトギャラリー(画像をタップするとご覧いただけます)】