シャープのホットクックといえば、材料を入れるだけで自動調理してくれる電気無水調理鍋。「無水調理」とあるように、玉ねぎなど、水気の多い野菜を入れて調理すれば、素材の水分で水を入れなくても調理が可能です。水なしで調理できるので野菜の栄養がたくさん摂れますし、味が凝縮されるからかとにかくおいしい! 特にカレーの美味しさは別格で「いつもと同じ材料なのに」と絶句するレベルです。そんな筆者お気に入りのホットクックに大容量タイプの「ヘルシオ ホットクック KN-HT24B」(実売価格7万4000円)が登場しました。
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初代モデルの1.5倍に容量が増えた!
さて、筆者は家電ライターという職業上、さまざまな新製品を試しています。使ってみると素敵な製品も多いのですが、とはいえ収納や値段を考えると、単純に「イイな」と感じたすべての製品を購入するわけにもいきません。そんななか、昨年登場とともに、すぐ自腹購入したのがシャープの初代「ヘルシオ ホットクック KN-HT99A」です。ちなみに、筆者は以前、本サイトで初代ホットクックをレビューしています。しかし、この記事にも書いたように、気になっていたのは1.6Lという容量の小ささでした。同社はこのサイズを「4人用」と謳っているのですが、正直夫婦二人暮らしでちょうどのサイズ。むしろ作り置きをしたいと考えると小さすぎると感じます。そんなわけで、ホットクックは非常に魅力的な製品なのですが、子どもが2人以上いる世帯には単純に「オススメだから買って!」と言いにくかったのです。しかし、そんな声が多かったのか、新しいホットクックは2.4Lの大容量タイプになりました! なんと容量が1.5倍も増えているのです。
ホットクックがスゴイ4つのポイント
とはいえ、いきなり「サイズが大きくなった!」と言われても、ホットクックの良さがわからない人もいるでしょう。個人的にホットクックがスゴイと思うポイントは4つです。
ひとつは前述したように「おいしい」こと。とくに煮込み料理は食材の味がギュッと詰まったような味が楽しめます。また、1時間程度の加熱でも肉などの食材がホロホロと柔らかくなります。ちなみに、圧力なべでも食材は柔らかくなりますが、圧力鍋は味を染み込ませるのは少々苦手。その点、ホットクックは食材を柔らかくしつつ、味が染み込むよう絶妙な温度で食材を加熱してくれます。
2つ目は「失敗がない」こと。コンロで使う無水調理鍋は数多くありますが、これらは火加減の調整が難しく焦げ付くことがありました。しかし、ホットクックではこの失敗がありません。また付属する「まぜ技ユニット」を使えば、食材を自動的にかき混ぜてくれるので、鍋に付きっ切りになる必要がありません。
3つ目は「長時間放置できる」こと。ホットクックは電気式なので火の危険がありません。安全なうえ、最大12時間までの予約セットも可能です。しかも、ホットクックは予約直後に一度食材に火を通して腐敗を予防し、その後も食材が腐敗しない温度帯をキープ。ですから、肉や魚などの生鮮食品も安心して放置できるのです。朝の出勤前に食材をセットし、仕事から帰ってきたらおいしいおかずが待っている……というのは、予約ができる電気式鍋だからこそ。
最後のポイントは、微妙な温度管理もできることです。ホットクックは「煮込む」以外にも、35~90℃まで温度をキープする発酵メニューを搭載。このため、ヨーグルトや自家製豆腐作りなども可能です。ちなみに、我が家では、肉や魚の低温調理に大活躍しています(低温調理については、前回のレビューを参照)。
数cm大きくなったことで食材が丸ごとハマる!
さて、ホットクックの魅力を語ったところで、次は新モデルKN-HT24Bをチェックしてみましょう。とはいえ、容量が前モデルの1.6Lから2.4Lにグレードアップした以外に、メニュー数などは増えたものの、基本的な構造などはあまり変わっていません。
ただし、使い勝手が大きく変わったのが「内なべ」の大きさ。従来は内径が19cmほどしかありませんでしたが、新モデルは21cmほどあります(いずれも実測値)。たった2cmの違いと思うかもしれませんが、この違いがかなり大きい! たとえば、従来までのホットクックでは、魚の調理は切り身サイズの調理がメインでした。ですが、新モデルは中サイズの鯛などの魚なら、丸ごと調理できるのです。
ゴージャスなパーティ料理もカンタン
そんなわけで、我が家でも「丸ごと調理」を試してみました。まず試したのはキャベツのスープ煮。なんと、新モデルのホットクックは中玉サイズのキャベツなら、丸ごと調理できるのです。作り方も簡単で、キャベツをザクッと数等分し、少量の水とブイヨン、ベーコンを入れます。あとは自動調理の「カレー・スープ」メニューを選んで約1時間待つだけです。今回は直径20cmのずっしりと重いキャベツを使ったため、出来上がりも巨大。「キャベツ煮込み」というと、副菜のちょこっとした一品というイメージですが、これだけ巨大だとインパクトがあります。チーズや温泉卵をかけてオーブンで焼き目をつければ「キャベツグラタン」としてメイン料理にもなりそうです。
このキャベツ料理にしてもそうですが、「丸ごと調理」は出来上がりがゴージャスに見えるのが特徴です。たとえば、カボチャを丸ごと下茹でし、ひき肉を詰めて蒸しなおした「カボチャの肉詰め」なども、食卓に出した途端思わず「おお!」と声が出るくらいビジュアルのインパクトがあります。
そして、クリスマス前の今の時期にうれしかったのが、小ぶりの丸鶏がそのまま調理できること! 野菜に調味料、鶏をホットクックに放り込んだら、あとは「カレー・スープ」メニューで2時間調理するだけ。これだけで、箸でホロホロと崩れる柔らかな丸鶏の姿煮ができます。ちなみに、今回使った丸鶏は、国産の冷凍品ながら近所の大型スーパーで1000円以下の値段。レストランで丸鶏料理を食べようすれば、この3~5倍くらいのコストにはなるでしょう。ちなみに、台所に立つ時間は、野菜を切って、調味料を入れる5分ほど。なのに、これだけ豪華でおいしい料理ができるのは、ただただ驚きです。
液晶画面で使いにくい部分はあるけれど……
おいしさ、使いやすさともに筆者大絶賛のホットクックですが、もちろん気に入らない点もありました。最大の問題点は前モデルから継続している「操作パネルのわかりにくさ」。本体上部には液晶パネルがあるのですが、ここには「手動」「自動」アイコンのほか、「1-3」「4-2」といった数字しか表示されません。
「1-3」といった表示の最初の数字は、調理方法を表します。2なら「煮物」、3は野菜などの「ゆで物」、4は「蒸し物」……といった具合です。数字と調理方法の関連については、液晶画面の横に「2 煮物」「3 むし物」のようにプリントされていて、印字と液晶画面の数字を見比べて設定ができます。
ただし、ちょっと面倒なのが「1-3」のように表示される後半の数字。この数字は「自動調理メニュー」の料理に割り当てられた数字です。たとえば「2-7」なら豚の角煮、「2-22」ならおかゆの自動調理ができます。この自動調理メニューは液晶画面には料理名が表示されないため、「料理」と「数字」は付属するレシピブックやメニューガイドをいちいち取り出して確認する必要があります。正直これがちょっと面倒。
KN-HT24Bの実売推定価格は7万4000円と決して安い製品ではありません。なので、個人的に今回のモデルチェンジで「料理をカラー液晶画面などで直接選択できる」といった改善がされることを期待していました。この点が改善されるなら、個人的にはあと1万円追加で出しても良いくらいだと感じています。
……と、多少の苦言を呈してはみましたが、それも本機を愛するがゆえ。こんなちょっとした使いにくさも、本機のおいしさと使いやすさ、安全性を考えれば「ま、しょうがないか」と思えるレベル。個人的にはメリットのほうがはるかに大きいと思っています。
この便利さとおいしさを一度は味わってほしい!
今回のレビューでは「鍋が大きくなった」ことがうれしかったため、さまざまな「丸ごと調理」を中心に調理をしました。ですが、実を言うとホットクックの魅力は、普段の料理にも大活躍することだと思っています。我が家では冷蔵庫に残ったくず野菜と調味料でスープを作り、次の日はカレールーを入れて楽しむことが多いです。そんな適当な料理でも、時間をかけて付きっ切りでコトコト煮込んだ料理のように、十分な旨味を引き出してくれます。
ヘルシオ ホットクックは、手間をかけずにおいしい料理が作れるので、ズボラな筆者には手放せない調理器具です。さらに今回、容量が増えたことで、子持ち家庭や作り置き家庭にも「オススメだよ!」と言い切れるようになったのもうれしいですね。食卓の華になる豪快も簡単に作れるので、クリスマス、年末年始にも大活躍するはず。この機会を逃さず、ぜひヘルシオ ホットクックの便利さを体験してほしいですね。
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