家電
2017/1/1 21:54

2016年、家電には何が起こっていたのか? 家電のプロが読み解いた「業界の4大変化」

毎年、新たなスターが生まれる家電業界。2016年は前回のランキング(※)でも紹介した通り、今までにない発想の家電が多く、楽しませてもらいました! では、2016年は、どのようなトレンドが家電業界をリードしたのでしょうか。家電のプロ、戸井田園子さんに振り返ってもらい、4つのポイントを挙げてもらいました。時代に乗り遅れることがないよう、また、2017年の家電の傾向を占う意味でも、しっかりチェックしておきましょう!

※:1位はアイロボット「ブラーバ ジェット 240」、2位はシャープ「蚊取り空清 FU-GK50」

 

変化その1

「とがった提案が受け入れられるようになった」

「2016年は前回のランキングでも紹介した通り、今までにない発想の家電が多く、楽しませてもらいました! ただ奇抜なだけでなく、本当に便利な機能が搭載されており、使い勝手も良くなっていますね。特にシャープは、紹介した製品以外にも『超音波ウォッシャー』、会話ができ、献立の提案もしてくれる『ヘルシオ ウォーターオーブン AX-XW300』など、話題性のある製品を多くリリース。

↑シャツのエリ汚れや食べ物のしみなどをなぞって洗えるコンパクトなハンディ洗濯機「超音波ウォッシャー UW-A1」。実売価格1万4800円
↑シャツのエリ汚れや食べ物のしみなどをなぞって洗えるコンパクトなハンディ洗濯機「超音波ウォッシャー UW-A1」。実売価格1万4800円

 

ランキングの製品以外にも、プロ志向の人が満足できるレベルの高機能製品(パナソニック「e-PRO」シリーズ、デロンギの「全自動エスプレッソマシン」など)や、高機能トースター(シロカ「ハイブリッドオーブントースター」)といった調理系家電も元気でした。このように、2016年は、ひとひねりあるとがった家電が支持を集める傾向がありました! 少々高くても、お気に入りのモノに囲まれて生活したい人が増えているのでしょうね」(戸井田さん)

↑シロカの「ハイブリットオーブントースター ST-G111」(実売価格2万4100円)。熱風と0.2秒で立ち上がる速熱ヒーターを組み合わせた新加熱方式でおいしいトーストが焼けます
↑シロカの「ハイブリットオーブントースター ST-G111」(実売価格2万4100円)。熱風と0.2秒で立ち上がる速熱ヒーターを組み合わせた新加熱方式でおいしいトーストが焼けます

 

変化その2

「IoT化の波がより広範囲に広がった」

「去年までにエアコンはすでにスマホとの連動が進んでいましたが、その他の生活家電(空気清浄機・冷蔵庫・掃除機・レンジなど)にもIoT化が進んだのが今年の大きな流れ。室内の現状をモニタリングできたり、データを蓄積して分析したり、人工知能を搭載して人とコミュニケーションが取れたりと、できることがどんどん拡大していきました。世界初の『全自動衣類折りたたみ機』も発表! まだまだ技術が未熟に感じる部分も多々ありますが、IoTの進化に期待が高まる一年でした!」(戸井田さん)

20170101-s3-1

↑ダイソンの空気清浄機能付ファンヒーター「Dyson Pure Hot+Cool Link」(実売価格6万8410円)の専用アプリ。現在の室内の空気環境のほか、家の外の状況まで表示します
↑ダイソンの空気清浄機能付ファンヒーター「Dyson Pure Hot+Cool Link」(上写真・実売価格6万8410円)の専用アプリ(下写真)。現在の室内の空気環境のほか、家の外の状況まで表示します

 

↑世界初の全自動衣類折りたたみ機‎、セブンドリーマーズの「ランドロイド」。衣類を投入すると画像認識してAIがベストなたたみ方を判断し、折りたたんでくれます。2017年3月から予約を開始するプロトタイプは、会員権価格250万円
↑世界初の全自動衣類折りたたみ機‎、セブンドリーマーズの「ランドロイド」。衣類を投入すると画像認識してAIがベストなたたみ方を判断し、折りたたんでくれます。2017年3月から予約を開始するプロトタイプは、会員権価格250万円

 

変化その3

「空気へのこだわりが高まった」

「空気清浄機にもIoT化が進みました。電源オン・オフなどの遠隔操作だけでなく、スマホで空気の状態がわかるエアモニターとしての役割を担うようになっています。今後は、空気を管理するという『空気質』へのこだわりが高まっていくでしょうね。また、2016年の空調家電はデザインの向上も注目ポイント。上質なデザインを誇る三菱のエアコン『FLシリーズ』やダイキンの『UXシリーズ』など、今後のトレンドを牽引するモデルが登場しました。エアコン室内機をはじめ、空気清浄機、除湿機を含む空調家電は、常に目に入る場所に設置する家電なので、デザイン性の向上は大歓迎。今後のさらなる向上に期待です!」(戸井田さん)

↑2016年度グッドデザイン賞において、「グッドデザイン・ベスト100」を受賞した三菱電機のエアコン「FLシリーズ」。実売価格は34万9720円(MSZ-FL7116S-R)
↑2016年度グッドデザイン賞において、「グッドデザイン・ベスト100」を受賞した三菱電機のエアコン「FLシリーズ」。実売価格は34万9720円(MSZ-FL7116S-R)

 

変化その4

「コードレススティック掃除機がメイン機として台頭」

「2016年は、掃除機の進化により、掃除スタイルが大きく変化しました。ロボット掃除機が停滞気味だったのに対し、隙間や段差をカバーするアイテムとして脚光を浴びたのがコードレススティッククリーナー。バッテリー性能の向上により、高い集じん力と長時間使用を実現したことで、メインクリーナーとしての地位を確立しつつあります。パナソニックもコードレススティック市場に本格参入し、各社高額製品が出揃いました。以前は休日にまとめて家事をするスタイルが多かったですが、最近は平日に家事を済ませて休日を楽しむ人が増えています。毎日こまめに掃除できるコードレスクリーナーは、こうしたニーズにドンビシャだったのでしょう。

↑パナソニックのサイクロン式コードレススティック掃除機「iT(イット) MC-BU500J」(実売価格は6万4280円)。フロアから隙間までノンストップで掃除できる「くるっとパワーノズル」を搭載しています
↑パナソニックのサイクロン式コードレススティック掃除機「iT(イット) MC-BU500J」(実売価格は6万4280円)。フロアから隙間までノンストップで掃除できる「くるっとパワーノズル」を搭載しています

 

停滞気味だったロボット掃除機にも、日立が最後発で参入し、再び活気が出そうな気配です。約3万円の拭き掃除ロボットブラーバ ジェット 240も発売され、ラインナップが充実して価格帯にも幅が出てきました。2017年は、ロボット掃除機の普及がさらに進みそうですね。ということで、来年もどんな家電が登場するか、大いに楽しみです!」(戸井田さん)

↑日立のロボットクリーナー「minimaru(ミニマル) RV-DX1 N」(実売価格10万7410円)。本体幅25cm、高さ9.2cmのコンパクトなボディで狭い隙間にも入り込んで掃除してくれます
↑日立のロボットクリーナー「minimaru(ミニマル) RV-DX1」(実売価格10万7410円)。本体幅25cm、高さ9.2cmのコンパクトなボディで狭い隙間にも入り込んで掃除してくれます

 

【Profile】

家電コーディネーター

戸井田園子さん

雑誌やテレビなど、数多くのメディアにひっぱりだこの家電専門家。ユーザー目線に立ったわかりやすい解説で、読者の厚い信頼を受けています。