いまの生活に欠かすことのできないネット通信と電気。災害発生時には通信困難になったり、停電することが予想される。だが非常時こそ正しい情報を入手したり、ポータブル電源で最低限の電気を確保することが必要だ。テクニカルライターの湯浅顕人さんが解説する。
自分の通信環境や電源回り、まずはそこから見直したい
「特定のキャリアにだけ不具合が発生しているということもあります。複数のキャリアと回線契約しておくことで、切り替えたら繋がることもあります」(湯浅さん)
いまはキャリアのサブブランドや格安SIMなど、低コストで2回線維持ができる。SIMを2枚挿せるスマホなら持ち運びの負担もない。通信回線が復旧しない場合は公衆無線LANの活用も必要だ。
「“Japan Wi-Fi auto-connect ”アプリを使えば近隣のWi-Fiに自動的に接続してくれます。危険な野良Wi-Fiに接続したりはしないので安心です」(湯浅さん)
非常時でも「確実に」、「正しい情報」を入手する
1 電池切れではつながらない! スマホのバッテリー対策を万全に
スマホも電気がなければただの板。とならないようにソーラー充電対応のモバイルバッテリーやポータブル電源はもちろん、手回し発電(充電)機のような人力で急場を凌ぐことができるアイテムを用意しておきたい。
「スマホのバッテリー切れは情報収集のうえで致命傷になりかねません。電源やUSB充電だけでなく、乾電池でも使えるタイプの充電器を用意しておくと安心でしょう」(湯浅さん)
2 電話はつながりにくくなること必至! 音声通話アプリで連絡する
特に災害発生時には通話が殺到したり携帯電話基地局がダメージを受けたりして電話が一時的に使えないこともある。そんなときは無線LAN経由で音声通話機能付きSNSアプリ使って連絡を取れるようにすることが重要だ。
「複数の携帯キャリアを契約しておいて切り替える、または音声通話アプリを利用するのが効果的。連絡を取り合いたい人とはアプリを共通化してグループを作成しておくとスムーズです」(湯浅さん)
3 災害発生時に解説される公衆無線LANを活用する
通信回線が使えないときは災害時に開設される公衆無線LAN(Wi-Fi)アクセスポイント(AP)を探そう。通信キャリアや自治体などが提供しているフリーWi-FiのAPを確認しておくことも非常時の備えとして有効だ。
「例えばJapan Wi-Fi auto-connectのようなアプリを使って公衆無線LAN経由で通信できるようにします。常日ごろからAPのステッカーをチェックしておけば、イザというときに役立ちます」(湯浅さん)
4 情報の内容と発信元を確かめて、フェイク情報にだまされない
混乱時だからこそ細心の注意を払いたいのが情報の取捨選択。故意ではなくても発信者側も非常事態で気が動転していて勘違いや誤情報を発信してしまう可能性もある。また情報を発信する場合も慎重になる必要がある。
「何といってもフェイク情報にだまされないことです。伝聞調の情報はどこの誰が発信元かがはっきりしないものが多いです。安易に広めたりしないように注意してください」(湯浅さん)