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2025/6/10 19:30

JTの最新加熱式タバコ「プルーム・オーラ」と新スティック「エボ」を徹底レビュー!旧モデルと機能・味を比較した結果は?

加熱式タバコは現在、「プルーム(Ploom)」「アイコス(IQOS)」「グロー(glo)」の3ブランドがしのぎを削る、三国志的な激戦市場。各社の開発競争も激しいなか、JTが同社の「プルーム」ブランドから第4世代となる新作「Ploom AURA(プルーム・オーラ)」と、15年ぶりの新タバコスティック「EVO(エボ)」を5月27日に発表しました。それぞれの新作について、特徴を解説したうえで、筆者が旧モデルと吸い比べた実体験レビューをお届けします。

JT
プルーム「Ploom AURA(プルーム・オーラ)」
各2980円 ※条件により980円~(税込)
EVO(エボ)
各550円(税込)

 

グッドデザイン賞のDNAを継承するデザインと持ちやすさ

まずはデバイスの「プルーム・オーラ」から。ひと目でわかる違いが、スマートなフォルムになったことです。ひとつ前の「プルーム・エックス・アドバンスド」は、加熱式タバコ用デバイスとして史上初の「グッドデザイン賞(2024年度受賞)」に輝くなど、美しいプロダクトが話題となりましたが、「プルーム・オーラ」もエレガントなDNAを引き継ぎながら、スリムな形状に。

↑左が「プルーム・オーラ」で、右が「プルーム・エックス・アドバンスド」。

 

細くなったことで、より携帯性も増したといえます。また「プルーム・エックス・アドバンスド」ではタバコスティック挿入口のスライドカバーが外側に出ていましたが、「プルーム・オーラ」では内側に入ったことでよりなめらかになり、統一感も高まりました。

 

↑右上がタバコスティック挿入口。左下は充電用端子で、USB Type-Cケーブルで充電する(USB Type-Cケーブルは本体パッケージに付属)。

 

カラーバリエーションと豊富なアクセサリーで自由にカスタマイズ

「プルーム・オーラ」のカラーバリエーションは、現状4種類。そのうち、ネイビーブルーとルナシルバー(後述)は一部店舗限定となりますが、別売りのアクセサリーにフロントパネルとバックカバーが各10色用意され、十分なカスタマイズ性があります。

↑左から、ローズゴールド、ネイビーブルー、ルナシルバー、ジェットブラック。

 

↑デバイスの後ろにあるのが、各10色のフロントパネル(税込各1480円)とバックカバー(税込各1980円)。

 

なお、「プルーム・エックス・アドバンスド」など旧モデルでもアクセサリーは豊富にありましたし、デバイスの限定デザインなども適宜販売されていたので、今後「プルーム・オーラ」でも多彩なデザインが展開されるであろうことが予想できます。

↑これまでも、数々の優れたデザインプロダクトを展開してきた「プルーム」ブランド。Ploom新商品発表会にて。

 

ひとつ前の「プルーム・エックス・アドバンスド」は、ブランドにおける第3世代。2021年に誕生した「プルーム・エックス」の後継機として2023年にデビューし、ルックスにこそ大きな変化はなかったものの、最高加熱温度が約295℃から約320℃にアップするなど機能面で飛躍的な進化を遂げました。

↑JTの高温加熱式タバコは2019年に誕生した「プルーム・エス」がはじまり。翌年、第2世代の「プルーム・エス 2.0」「プルーム・モデル・エス」(日本国外向け製品)と進化し、2021年に「プルーム・エックス」へ。

 

機能の進化点1.4つの加熱モードと使用時間の違い

では、「プルーム・エックス・アドバンスド」から「プルーム・オーラ」へのイノベーションではどういった機能が進化したのでしょうか。わかりやすいようリストにまとめてみました。

ブランド名プルーム・オーラプルーム・エックス・アドバンスド
発売日2025年5月27日2023年11月21日
世代第4世代第3世代
税込実売価格2980円(条件などにより980円~)1980円(条件などにより980円~)
サイズ/幅×奥行×高さ24.2×29.2×109.4mm約44×約24×約89mm
重量75.5g約95g
最高加熱温度約320℃約320℃
加熱モードの種類4モード2モード
加熱待ち時間約25秒約25秒
連続使用可能本数約3本約2本
最多使用可能本数約27本約20本
満充電までの時間約180分約90分
最長喫煙時間(タバコ1本あたり)約6分約5分
吸える回数無制限無制限
自動加熱モードありあり
Bluetooth接続ありあり

※データの一部は筆者調べ。

 

ポイントは「加熱モードの種類」「最多使用可能本数」「最長喫煙時間」にあります。「プルーム・エックス・アドバンスド」は今年3月、「メビウス」と「キャメル」のリニューアルに合わせて「バランスドモード」と「デフォルトモード」から選択できるように進化していましたが、「プルーム・オーラ」では全4モードの仕様に。

 

↑力強い味を楽しみたい人は「ストロングモード」、おだやかな吸い心地で1本を長時間味わいたい人には「ロングモード」を。と自由度が向上。

 

ユーザビリティが向上しつつ、多様化した各モードはより機能が先鋭化。例えば「ストロングモード」はタバコスティック1本あたりの使用(喫煙)時間は約3分間ですが、その分パワフルな味わいに。一方で「ロングモード」なら強さが抑えられるぶん、1本あたり約6分間も喫煙を楽しめます。

 

↑4種の各モード特徴。プレスリリースより。

 

機能の進化点2.味の違いは?旧モデルとの吸い比べ結果

「プルーム・オーラ」では基幹システムも独自の加熱技術「スマート ヒート フロー」へとアップデート。緻密に設計された加熱温度コントロールにより、雑味や焦げ臭さを抑えつつ、タバコ葉の香味を引き出す最適な温度を長くキープすることで、味わいの一貫性が高まりました。

 

加えて、デバイスの加熱カップにミクロン単位の精度で加工する匠の技術を投入。さらに楕円状のカップ構造によりタバコスティックとの接触面積が増え、その味わいを余すことなく引き出せるようになりました。つまり定性的な側面でも、「プルーム・オーラ」は「プルーム・エックス・アドバンスド」よりもおいしく吸えるようになったのです。

↑他社製品と目隠しで比較した際のユーザーアンケートでも、「プルーム・オーラ」が最もおいしいと評価されたとか。

 

新スティック「エボ」の特徴と味の違い

「プルーム・オーラ」と同時デビューとなった「エボ」は、JTが15年ぶりに発売した新タバコスティック。既存の「メビウス」と「キャメル」はともに、この世に加熱式タバコがない時代から紙巻きタバコでも存在し続けているロングセラーであり、「エボ」は系譜がない完全な新ブランドです。

 

裏を返すと「メビウス」と「キャメル」は、紙巻きタバコから加熱式タバコへ切り替えるユーザーのためにも存在するブランドであり、一方で「エボ」にはそういった関連性がないといっていいでしょう。だからこそ大胆なブランディングができるのであり、事実として「エボ」は味わい的にも革新性に満ちています。

↑価格面からして「メビウス」「キャメル」とは異なり、「エボ」はそれぞれ税込550円。50円高額となる。

 

端的に特徴をいえば、「エボ」はプレミアムなタバコスティックです。世界30か国以上から厳選したタバコ葉のみを使い、巧みな香味技術をもつブレンダーが10万回を超えるテイスティングを実施。そうして、1000を超える試作から生み出されたのが「エボ」なのです。3銘柄それぞれを、「プルーム・オーラ」で吸ったテイスティングコメントとともに紹介しましょう。

 

「エボ・ディープ・レギュラー」の芳醇な香り

↑「エボ・ディープ・レギュラー」。ひと口目から濃厚に主張するタバコ葉のうまさと香りを楽しめ、その先にやわらかな甘さと香ばしさの緻密な余韻が広がる。

 

個人的に「エボ」の味わいで今回最も驚かされたのは、この「エボ・ディープ・レギュラー」です。レギュラータイプはメンソールのミントやフレーバー系の果実味のような個性がないので、キック(ノドへのアタック)の強さやウッド調なスモークの濃さが焦点かと想像していましたが、それ以上に印象的だったのは香りです。

 

↑モードはひとまず、初期設定の「スタンダードモード」で。これまでの加熱式タバコにはない、まさにプレミアムな味わいに驚愕。

 

例えるなら、クレームブリュレの表面を炙ったときのような、芳醇なメイラード反応(還元糖とアミノ化合物が加熱によって化学反応を起こし、メラノイジンと呼ばれる褐色物質を生み出す反応のこと)を思わせる、キャラメルやバタースコッチ的な香り。それは高級葉巻とも形容できる、きわめてセレブリティなおいしさです。

 

「エボ・コールド・メンソール」の爽快感

↑「エボ・コールド・メンソール」。突き刺さるメンソール感を、タバコ葉のうまさと香りとともにバランスよく味わえる。吸い終わった後も、爽やかな味わいの余韻が心地いい。

 

「エボ・コールド・メンソール」にも、ワンランク上の吸い心地を感じました。ファーストインプレッションは、鮮烈なミントの爽快感。そこからすぐに豊かなタバコ葉のうまみが寄り添い、それぞれが一体となって優雅なフィールに包まれます。

↑ミントのニュアンスに辛さはなく、それでいてしっかりクールな冷涼感。

 

これは、タバコ葉とミントがともに高品質かつ、優れた技術でブレンドされていることがわかるおいしさ。メンソールは力強くもトゲトゲしさは一切なく、タバコらしいまろやかな余韻も感じられます。

 

「エボ・ベリー・クリスタル」の甘味と酸味

↑「エボ・ベリー・クリスタル」。カプセルからあふれ出す甘く濃いベリーフレーバーとともに、メンソールのほどよい清涼感を心地よく味わえる。

 

フレーバー系は、加熱式タバコスティックでは特に人気が高いジャンルで、レギュラーが人気の紙巻きタバコとは違うことが特徴。事実、「プルーム」の「メビウス」と「キャメル」ではフレーバー系のラインナップが最も充実しており、「エボ」でも今後優先的に拡充するのはフレーバー系だと予想できます。

↑フレーバー系のなかでも、カプセルタイプが人気。「エボ・ベリー・クリスタル」も、先端のドット下部にあるカプセルをつぶして味わう。

 

「エボ・ベリー・クリスタル」がモチーフとしている香りは、ラズベリーやカシスといったフルーツ。しっかりした甘さにフレッシュな酸味が寄り添いつつ、そこにメンソールの清々しい爽快感とタバコ葉の絶妙なコクが調和。トータルで、ジューシーかつエレガントな味わいに仕上がっていると感じました。

 

各モードやデバイスごとの味の違いなどをチェック

続いてチェックしたのは、「プルーム・オーラ」の大きな特徴である加熱モードの違い。先ほど軽く触れましたが、具体的には「ヒート セレクト システム」という機能によるもので、これはBluetooth接続でデバイスとスマホをつなぎ、アプリから設定変更できます。

↑加熱モード変更以外にも、様々な機能がある。公式サイトより抜粋。

 

加熱モードの違いは、実感値でもわかるレベル。「ストロングモード」は、レギュラーならキックやスモークの濃さが強く、メンソールでは爽快感が鮮烈に。フレーバー系では果実味をよりジューシーに感じられます。

 

そして逆に「ロングモード」では、それぞれの吸い心地がおだやかに。なお、「スタンダードモード」と「エコモード」の強さは同じですが、前者は1本当たりの喫煙時間に、後者は使用可能本数に対する優位性が高いモードです。

↑好みに応じて4つのモードから選べる点は、大きなユーザーベネフィットといえる。

 

「エボ」「メビウス」「キャメル」を新旧モデルで吸い比べ

「プルーム・オーラ」に搭載された「スマート・ヒート・フロー」によって、「プルーム・エックス・アドバンスド」より雑味のない吸い味になったことは前述しましたが、今回発売された新スティック「エボ」を新旧モデルで比較してみたらどうか、吸い比べてみました。前者は「スタンダードモード」、後者は「デフォルトモード」でチェックします。

↑ちなみに、デバイスとタバコスティックともに互換性があり、「プルーム・エックス・アドバンスド」でも「エボ」は吸える。もちろん「プルーム・オーラ」で「メビウス」「キャメル」もOK。

 

「エボ」は、飛躍的といえるほど大きな違いは感じませんでしたが、なんとなく「プルーム・オーラ」のほうが味の解像度は高い気がしました。ちなみにJTによると、特に「エボ」は「プルーム・オーラ」との組み合わせで最もポテンシャルが発揮されるよう設計されているとのこと。

 

続いて、「メビウス」と「キャメル」を「プルーム・オーラ」でテイスティング。まずは「スタンダードモード」で吸ってみると、「プルーム・エックス・アドバンスド」との差はなんとなく感じられる程度。具体的にはタバコ葉本来のうまみの伸びやかさ、メンソールや果実味のフレーバーが比較的引き出されている印象がありました。

 

より違いを感じられるのは、やはり「ストロングモード」。再び「メビウス」と「キャメル」吸ってみると、ひと口目から「おっ!」と思わされるほど、明らかにパワフルなテイストを楽しめます。

 

ふだんから「メビウス」と「キャメル」を愛用しているユーザーであれば、ポテンシャルがより引き出された味わいに、感動できるかも。いずれにせよ、「プルーム・オーラ」で新たに実装された加熱モードにより、さらに豊かなスモーキングライフを楽しめることは間違いありません。

 

「プルーム・オーラ」のお得な購入方法

タバコスティックの進化に関しても、「エボ」は「メビウス」と「キャメル」より明らかに高級感のあるおいしさであり、「プルーム・オーラ」のデビューによって、スモーカーの選択肢は確実に広まりました。コンビニなどでは7月1日から発売となりますが、公式のECや店舗ではすでに購入できます。「フリートライアル」なども用意されていますから、ぜひこの機会に試してみては?

↑条件により980円で買える「はじめて割」や、本体とタバコスティックを最大9箱もらえて、返品する場合は送料も無料(そのまま引き取れば1480円で買える)という「フリートライアル」など、購入特典の充実。

 

 

よくある質問(FAQ)

Q.「プルーム・オーラ」と旧モデルの違いは?

A.主な違いは、加熱モードの種類、サイズのスリム化、味の解像度の高さです。特に「ストロングモード」や「ロングモード」の追加により、使用感が大幅に進化しています。

 

Q.「エボ」タバコスティックの味は?

A.「エボ」には3つの味(レギュラー・メンソール・フレーバー)があり、それぞれ香りや濃さの点でプレミアムな体験ができます。

 

撮影/鈴木謙介