本日で東日本大震災から6年、まもなく熊本地震から1年が経過します。これまでいくつもの大規模災害から教訓を得ているとはいえ、いざ遭遇したとき適切に動けるかと言われれば不安に思う人も多いことでしょう。
ここでは災害に対する意識を風化させることのないよう、防災の心得からいざというときに役立つ便利グッズを紹介。防災ガイドのあんどうりすさんに、防災の心得について話を伺うとともに、大災害に備えて抑えておきたい防災グッズをお教えします!
【この人に話を聞きました!】
アウトドア流防災ガイド あんどうりすさん
阪神大震災の被災体験とアウトドアの知識を生かし、2003年より全国で講演活動を展開。自身のブログ「あんどうりすの防災・減災りす便り」やtwitterでの情報発信はもちろん、危機管理とBCPの専門メディア「リスク対策.com」でもコラムを連載している。
防災アイテムは普段から使い慣れておくことが重要!
「まず考えなければならないのは、災害には地震や火災、津波、大雨など様々なタイプがあり、それぞれ最適な避難場所は異なるということ。住んでいる土地の危険度を事前に調べ、避難場所を家族と共有しておくことが最も大切です」(あんどうさん)
さらにチェックすべきは防災グッズの使い方。あんどうさんは次のようにアドバイスしてくれました。
「様々な災害対策アイテムが発売されていますが、どれも現場で使えなければ意味がありません。必ず事前に試してみることはもちろん、普段の生活から使い慣れておくことが重要です。例えば、懐中電灯は白熱球よりもLEDのほうが電池の減りが少なく、熱を発しないのでベター。また、非常用として持ち出す防災袋は中身を確認したうえで、重いものは上に、軽いものは下に入れ替えておきましょう。背負う際には重心をできるだけ上げて、移動中に揺らさないようにすると素速く動けます」(あんどうさん)
【防災の最新トレンド】
その1 災害情報を把握できる スマホアプリを利用する
緊急地震速報のほか、災害情報を把握できるアプリ(「NHKニュース・防災」など)をダウンロードしておきましょう。これらを活用すれば、混乱時に出回る誤報の精査にも役立ちます
その2 断水のリスクを考慮して 簡易トイレを用意する
断水してからトイレを一度でも使うと衛生環境が悪化。被災地では仮設トイレの設置まで時間がかかるので、携帯用の簡易トイレを数日ぶん用意しておきましょう。
その3 車中での生活でも 困らない準備を整える
カギがかけられる車中はプライバシーが守れる場所として過信しがちだが、避難中は思っているよりも体調管理が難しい。専用グッズでしっかりと対応しよう。
自宅での日常生活に溶け込む防災グッズがオススメ!
あんどうさんのアドバイスを総括すると、違和感なく普段使いできて、災害時にも役立つアイテムが適切とのこと。これらのアドバイスをふまえ、ここからはシーン別にオススメの製品を紹介します。普段使いするなら、機能と合わせてデザインも重視。部屋になじむインテリアとしても価値のある製品を選んてみました。
部屋になじむデザインの箱に実用的なアイテムがギッシリ
三和製作所 防災備蓄セット(bibo)
実売価格1万7064円
保存食や非常用トイレ、携帯用カイロまで、実用的なアイテムを同梱するボックスタイプの防災備蓄セット。リビングや寝室など、自宅の様々なシーンにマッチしたデザインが特徴です。
サイズ:W517×H290×D200mm(箱)
【評価とポイント】
普段使い度:★★★☆☆(3点)
インテリアのように生活へ溶け込む
4種類から選べるデザインはどれもスタイリッシュ。目立つところに置いても違和感がなく、インテリアとして部屋に溶け込みます。
モバイルバッテリーとしても使えるLEDランタン
HiHill LT-CL1
実売価格1599円
充電式リチウムイオンバッテリーを内蔵したコンパクトサイズのLEDランタン。設計寿命は約10万時間で、自宅やアウトドアでも使用可能です。
サイズ/質量:φ67×H45mm/107g
【評価とポイント】
普段使い度:★★★★☆(4点)
モバイルバッテリーにもなる!
本体にUSBポートを搭載。スマホなどを充電できるモバイルバッテリーとして、アウトドアシーンでも役に立ちます。なお、容量は1800mAhです。
ラジオ聴取やスマホ充電に対応するLEDライト
アイリスオーヤマ JTL-23
実売価格2170円
手回し発電タイプの多機能LEDライト。持ち運びに便利なコンパクトサイズながら、緊急用サイレンやAM/FMラジオ機能を搭載しています。また、USB経由のスマホ充電にも対応。
サイズ/質量:W59×H131×D49mm/約185g
【評価とポイント】
普段使い度:★★★★☆(4点)
手回しでのスマホ充電機能が便利
手回し発電でスマホを緊急充電できる。3分の手回しで最大約3分、内蔵バッテリーがフル充電であれば、最大約1時間の通話が可能です。
寝室の常夜灯になる球型のLEDランタン
パナソニック LEDランタン(球ランタン) BF-AL05-TM
実売価格2780円
白熱球のようなデザインですが、懐中電灯としても使えるLEDランタン。寝室の枕元に置いておけば、深夜に災害が起きてもすぐに手に取って避難態勢に入ることができます。
サイズ/質量:W60×H125×D60mm/約150g(本体)
【評価とポイント】
普段使い度:★★★★★(5点)
乾電池で使えるのもポイント
スタンド仕様の常夜灯としても、緊急時のハンドライトとしても使えるのがポイント。バッテリーを内蔵せず、乾電池で使えるため汎用性も高めです。
簡易トイレになる防災グッズ収納缶
YAMATO-NB ゆうぺーる基本セット
実売価格6976円
ペール缶に9種類の防災グッズを収納。ヒノキパックというトイレ処理剤を同梱し、これを入れれば缶自体を簡易トイレとして利用できます。
サイズ/質量:W300×H350×D300mm/約3~3.5kg
【評価とポイント】
普段使い度:★★★☆☆(3点)
小さい子どもの“緊急事態”にも◎
キャンプなどにクルマで出かける際、小さい子どものいる親は持っておくと安心。ヒノキパックが水分やニオイを吸い取ってくれます。
防災グッズが詰まった“ベストオブベスト”
マシュール ハコベスト(12点セット)
実売価格1万8360円
防寒アイテムになるベストのポケットに、防災グッズ12点を収納。カラーは災害時に目立つピンクやイエロー、グリーンのほか、落ち着いたネイビーがラインナップされています。ベストは単体でも購入可能です。
【評価とポイント】
普段使い度:★★★★☆(4点)
ベスト単体でもアウトドアで活躍
ベストは軽量で防水仕様。ポケットが多いため、単体でも使い勝手は抜群です。災害時だけでなく、登山やキャンプなどに活用できるのもgood!
機能が異なる4つの筒がひとつにまとまった便利品
杉田エース MINIM+AID
実売価格1万9440円
シンプルな筒状デザインがユニークな防災セット。ランタン(01)、小物ケース(02)、ラジオ(03)、ポンチョ入りコップ(04)という構成で、肩掛けベルトを備えるケース付きで持ち運びにも便利です。
サイズ/質量:φ57×H580mm/約760g
【評価とポイント】
普段使い度:★★★★☆(4点)
ラジオがモバイルバッテリーに!
ラジオはレバー手回しによる発電機能を搭載。付属するUSBケーブルで、スマホや同梱のランタンなどをつなげば充電できます。
ファンシーなデザインながら本格仕様の家庭用消火器
初田製作所 クマさん消火器 ALS-1R
実売価格6200円
パステルグリーンのボディにクマの大きなイラストがあしらわれた、ファンシーな家庭用消火器。容量は1.4ℓで、約22秒間放射できます。放射距離は4~6m。
サイズ/質量:W135×H385×D89mm/約2.7kg
【評価とポイント】
普段使い度:★★★☆☆(3点)
天ぷら油による火災にも対応する
強化液消火薬剤を1ℓ使用。家庭で起こる火災の大半を占めている、天ぷら油による火災にも対応できます。
いざというときにすぐ持ち出せるリュックタイプ
防災防犯ダイレクト 地震対策30点避難セット
実売価格1万9800円
防水&防炎に対応するリュック型の非常持出袋。30のアイテムはすべて、質量、サイズ、耐久性、使用期限、品質、使い勝手などにおいて防災士が定めた基準をクリアしています。
サイズ:W290×H385×D130mm
【評価とポイント】
普段使い度:★★★☆☆(3点)
急病人やケガ人の処置にも
アルコール除菌ジェルや三角巾、救急セットを同梱し、急病人やケガ人の処置に使用可能。リュックはシンプルで使いやすいデザインです。
構成・文/口石亮輔