ヨシムラヒロムの一階通信 第十九階 LINE株式会社
連載『一階通信』ではエントランス部分から見える企業の顔を取り上げる。1階にエントランスがない企業も多々あるが、それはご愛嬌。受付や入口があるフロアを総じて『1階』と呼び、エントランスから企業を紐解く。今回はLINE株式会社を一階通信させていただく。
すべての私信はLINEになっていた
ずっと前から使っているような感覚になるほど、LINEはいまの僕の生活になじんでいる。毎日、誰かしらとやりとりし、多くの楽しい時間を共有している。LINEがない日常は、もうありえない。
これは多くの人に当てはまるだろう。LINEがダウンロードされていないスマホがあるのか? と勘ぐりたくなるほどに国民皆がLINEユーザー。70歳になる僕の父親も2号さんとのやりとりをLINEで行なっている。
そんな絶好調のLINEが、この春、新宿にオフィスを移転。4月3日に、メディア向けの新オフィスの内覧会が行われた。
今回はその一大イベントに乗じて、一階通信をしてきたというワケだ。このコラムでは「エントランスは企業の顔」なんて言っているがLINEは社内すべてが顔と言っても過言ではないほどにドレッシー。その全貌を紹介したい。
バスケコート約1.7個分のカフェには畳スペースも
まず、案内されたのが23階にあるカフェだ。なかに入ると、大手メディアの取材班で賑わっていた。いかに注目されているのかを再確認。
カフェとはいってもただの喫茶スペースではない。ランチタイムには崎陽軒、地雷也といった名店の弁当が並び、Soup Stock Tokyoのスープも販売。支払いは、スマホのおサイフサービス「LINE Pay」で決済可能だ。
バスケコート約1.7個分というこのカフェスペースには、ビリヤードや最新ゲームが楽しめるゲームラウンジや、畳のリラックススペースも完備されるなど見所満載。なかでも、心の「いいね!」ボタンを押したくなったのが「LINE CARE」という社員専用のコンシェルジュ。備品を借りたり、出張の航空券を手配したり、パソコンのトラブルに対応したり――そんな仕事中に発生する用事やトラブルに対応してくれるそう。仕事の効率を上げるために、社員ケアを怠らないのだ。
さまざまな操作が「LINE」で可能!
続いて執務を行うスペースを見て回った。1人1台用意されている昇降式デスクのほか、ソファーが完備されたワークラウンジやひらけたスペースのコミュニケーションラウンジでも仕事OK。ノートパソコンを持ち歩き、気分によって場所を変えていく。そんな社内ノマドスタイルで仕事をこなす社員も多いのだろう。
来客用の会議室でまたもや驚く。タブレットを使って会議室を予約することまでは想像できた。しかし、会議室の明かりがLINEのスタンプで点灯するとは……。
LINEで「電球」のスタンプを送ると、「会議室の電気をつけますか?」という文字が画面上に。「はい」と押せば、電気が点く。ボタンを押したほうが早いのではないかと勘ぐってしまうが、それはご愛嬌。いやはや、すべてLINEがあれば大丈夫なのだ。
エントランスではオリジナルアニメーションを放映
再度23階へ上がり、今回の目的地であるエントランスへと足を運んだ。「公園のなかを散歩しているイメージ」でつくったという、緑葉植物とソファーで区切られたエントランス。細い通路を歩いていると、確かに公園を歩いてるような感覚になる。
リビングのようなやわらかい空間デザインと、ダクトむき出しの天井や工場で使うような素材の壁材を使った工業的なデザイン。そんな「リビング&ファクトリー」な空間において、壁全体を覆う巨大なスクリーンは現代的な印象。そこに流れるのは、LINEのキャラクターが登場するオリジナルアニメーションだ。最初はどーとも思わなかったキャラクター達だが、スタンプで毎日使っていると愛着も生まれる。僕の人生で、これほど生活に密着したキャラクターはいないだろう。
エントランスの奥には、世界最大級のブラウンのぬいぐるみが。ここまで一緒に回った取材陣のおじさんは、LINEの広報さんにカメラを託してブラウンとツーショット。後ろにも取材班がつかえていたので「それほど撮りたいのかい」とつっこみたくなったが、それほど撮りたかったのだろう。
いや、本音をいってしまえば僕もブラウンと記念撮影したかった。しかし、プライドが邪魔をした。それだけが心残りではあるが、今回の一階通信も大満足だ。
【LINE株式会社の一階通信見どころまとめ】
1. 公園のなかを散歩しているイメージ
2. オリジナルのLINEキャラクターのアニメ
3.世界最大級3.3mのブラウンのぬいぐるみ