ライフスタイル
2019/4/22 21:00

ジェットコースターを愛しすぎてしまった男の、仕事と趣味と人生のヒント。

趣味は全力で打ち込むからこそ楽しい。さらに趣味は仕事にもなりうる――。

 

SOLIDWORKS World 2019で講演したMatt Schmotzer(マット・シュモッツァー)氏の話を聞いて思ったことです。

Matt Schmotzer氏 (出典:SOLIDWORKS YouTube公式)

 

マット氏はフォード・モーターでシステムエンジニアとして働き、エンジンの燃料調節システムの設計を行っています。そんなマット氏が長い間ハマっているのはレプリカのジェットコースター作り。

Matt氏が作ったジェットコースターのレプリカ (出典:SOLIDWORKS YouTube公式)

 

自宅のガレージで3Dプリンターを活用し、黙々とジェットコースターのパーツを製作しています。マット氏はすでに25分の1サイズのジェットコースターを作り上げており、実際に車両が走るのはもちろんのこと入場ゲートが開閉するところまで再現しています。

 

趣味がプラモデルという人は結構いるでしょうが、マット氏は3Dプリンターでパーツを0から自分で作って組み立ててしまったわけです。

 

マット氏は幼いころからジェットコースターに興味を持っていました。いつの日か自分の手でジェットコースターを作ることを夢に見ていたと言います。エンジニアの道に進むことになったのもジェットコースター愛からでした。そして、マット氏は本業のエンジニアの傍ら趣味で本当にジェットコースターを作ることに。

 

なぜ趣味でジェットコースターを作ることにしたのか? マット氏へのインタビューから「仕事と人生を楽しむためのヒント」を探ります。

 

仕事と趣味でオン/オフと切り替える必要はない

出典:SOLIDWORKS YouTube公式

 

――本業はフォード・モーターのエンジニアをされていますよね。なぜ趣味でも仕事と同じようにジェットコースターの設計をしてるのでしょうか?

 

マット氏 私は思索家、メーカーでいつもクリエイティブでいたいと思っています。それはオン/オフで切り替えれるようなものではありません。常に何かを考えて設計するのが楽しいのです。それで趣味で昔から好きだったジェットコースターを作ってみようと思いました。

 

――具体的にどのようにジェットコースターの製造が始まったのでしょうか?

 

マット氏 SOLIDWORKSでオハイオ州の遊園地キングスアイランドのジェットコースターInvertigoの3Dモデルを設計してみました。ほかの人はそれについてどう思うかなと考え、Reddit(米国版5ちゃんねる)にその3Dモデルを投稿してみました。すると「これはスゴい! イケてる」と高評価を受けました。

 

――どのようにして個々のパーツを設計していきましたか?

 

マット氏 SOLIDWORKSを使ってジェットコースターのレールといった個々のパーツの3Dモデルを設計しました。そして、その3Dモデルのデータをもとにガレージの3Dプリンターでパーツをプリント。1つのパーツにつき12時間ほどかかります。なので、すべてのパーツをプリントするのに約1か月かかりました。

 

3Dプリンター以外にCNCルーターやレーザーカッターも使いました。でも、3Dプリンター以外のツールは所有していないので、地元デトロイトのメイカースペース(自由に工作機械を利用できるスペース)でほかの道具を借りました。

 

――SOLIDWORKSを含むツールの使用方法をどのように習ったんでしょうか?

 

マット氏 私は母校のパデュー大学でエンジニアリングを専攻し、授業でSOLIDWORKSの使い方を学びました。かなり簡単に様々なオブジェクトの設計ができると感じましたね。それ以来SOLIDWORKSを使い続けています。

3Dプリンターでパーツを作る (出典:SOLIDWORKS YouTube公式)

 

学生時代に3Dモデルを設計するソフトウェアSOLIDWORKSの使い方を習得したマット氏は、フォード・モーターでも3Dプリンターを使っているそうですが、趣味のほうでも3DプリンターとSOLIDWORKSの両方を駆使することで、簡単かつ低コストにジェットコースターを製作できると考えました。本業で身に付けた仕事のスキルを活かして自分の好きなジェットコースターを作るのは「楽しくて仕方ない」と言うマット氏。朝4時に起きて出勤前にジェットコースターのパーツを作ることもあったそうです。

 

仕事と趣味とを切り分けるのではなく、仕事で得た知識やスキルで何かを創り出す。そんな趣味を持つことは誰もが真似できることではないでしょうか?

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