4月19日、東京の大田区蒲田にちょっと面白いホテルが開業した。「ホテルオリエンタルエクスプレス東京蒲田」だ。大田区の蒲田は町工場が数多く軒を連ねる、東京のエリアの一つ。京急蒲田駅から徒歩3分のところに位置し、同駅は羽田空港国際線ターミナル駅までは約5分。また、成田国際空港にも直通電車で行けるなど、海外旅行者にとっては非常に交通のよい場所だ。
「ホテルオリエンタルプレイス東京蒲田」 最大の特徴が、大田区の町工場とコラボしたインテリアを採用していること。例えば、 メインエントランスを入ると巨大な製造機械が展示されている。
ロビーはウッドとスチールを組み合わせた内装が採用されていて、クールななかにも温かみがある雰囲気。右手にはカフェとして仕事もできるレストラン。左手にフロントがある。レストランは6:30~10:00まで朝食ビュッフェが楽しめ、10:00以降は0:00までカフェとして利用可能。コンセントやWi-Fiも完備しているので仕事もはかどりそうだ。
このホテルが面白いのは随所に、町工場の息吹が感じられることだ。例えば、エレベーターホール。 各階には階数を示すサインが大きく飾られているのだが、これらがすべて町工場の技術で作られている。例えば、一階は異なる素材を緻密にあわせる技術。二階は金属を掘る技術で階数を表現している。また、廊下の壁には「エキスバンドメタル」や「ガルバリウム鋼板」を採用することで、町工場の雰囲気も醸し出していた。
エンタメも充実したリラックスできる客室
続いて、客室内だ。客室は全158室で、シングル36室、ダブル32室、ツイン78室、トリプル11室、車椅子利用を想定したユニバーサル1室となっている。室内は暖かさが感じられる針葉樹の合板によるウッドが基調。さらに、スチール製のハンガーやヘッドボードのパネルなどに工業素材を多数採用している。
機能面ではJBL製のBluetoothスピーカーやAppleTVが備え付けられており、エンタメもゆっくりと楽しめそう。大型テレビも壁の見やすい位置に固定されていた。客室が特別広いわけではないが、東京観光の拠点として使うには十分な広さだと言えそうだ。
「ホテルオリエンタルプレイス東京蒲田」に宿泊するうえで楽しいのが朝食ブッフェだ。 和食洋食、両方のメニューが並ぶ。これらをレストランスペースで食べられるだけでなく、お弁当箱に詰めて、 客室で楽しむことができる。 大田区には今でも海苔問屋が数多くあり、それをイメージした海苔弁当も作れるのだ。ただし、お弁当の屋外への持ち出しは不可となっており、客室内で楽しみたい。
オーディオブックで蒲田に触れる
東京に観光で訪れた場合には、大田区蒲田のローカル体験も楽しんでほしい。 例えば大田区には「蒲田温泉」をはじめとする黒湯の温泉が数多く存在する。さらには、昭和から続く大衆的な居酒屋など、飲食店も魅惑のスポットだ。
そこでホテルでは、 オーディオガイドアプリ「ON THE TRIP」を用意。館内の見所や展示物にまつわるストーリーを解説してくれるだけでなく、大田区の見所を紹介。さらには英語対応可能な温泉や飲食店の紹介などもしてくれる。アプリは4か国語の音声で利用できる。
蒲田は観光地としてはそれほど有名な場所ではないため、遊ぶとしてもガイドは欲しい。「ON THE TRIP」があれば訪日外国人でも手軽に入りやすい飲食店などがわかるというわけだ。
ディープな蒲田の入り口に
「ホテルオリエンタルプレイス東京蒲田」 は庶民的な蒲田という町を気軽に楽しませてくれそうだ。さらに、今後はコラボした町工場を見学できるようなツアーも検討していきたいとのこと。工場訪問などができたら、他のホテルにはない体験になる。
訪日外国人はもちろんのこと、地方にお住まいの人にも、都心に泊まるのとはちょっと違った東京が体験できる。交通の便の良さだけではない東京・蒲田の面白さをいろんな側面で楽しめるホテルになりそうだ。なお、開業記念として6月30日までは素泊りプランなら2990円~(編集部調べ)で、宿泊できる。