ライフスタイル
2019/11/30 17:30

独身のマンション選び。「終の住処」は今買うのがベストなのか?

おひとりさま世帯にとって悩みのタネのひとつ、住む家をどうするのかという問題。ずっと借家に住んで家賃を払い続けるのも損な気がするし、かといって家を買うのは大きな決断でなかなか踏み出せない……。

 

そんな方のために、「おひとりさまはいつマンションを買うべきか?」を不動産のプロ・渕ノ上弘和さんに聞いてきました。

 

教えてくれた人

渕ノ上弘和さん

「資産価値」を重視した中古マンション選びをサポートする不動産エージェント、コンドミニアム・アセットマネジメント株式会社の代表。中学生の頃から不動産に興味を持ったという不動産オタクで、宅地建物取引主任者資格の講師や、大手マンション管理会社2社への勤務などを経て現職へ至る。

 

結論から言うと、買う時期は早ければ早いほどいい! 注意点も実にシンプル

渕ノ上さんによれば、この質問には明確な答えがあるそう。それも、単純明快でとても分かりやすい答えです。

 

「この低金利の時代に資産性の高いマンションを借りた場合の賃料相場を考えると、『資産性が高く、想定値下がり幅の小さいマンションであれば、買うのは早ければ早いに越したことはない』というのが明確な答えです。

 

資産性が高いマンションとは、具体的には、市場に評価され続けるマンションのなかにおいて、「街力(=街として持っている魅力。オフィス街からの距離、住環境としての魅力・面白さ、大規模な再開発の予定、交通網の発達など、そういったものが現在・今後のマーケットに影響を与えるほどのものかどうかを表したもの)」や、「建物力(=建物の性能やデザインなど、全般のポテンシャル)、駅から近いなどの利便性が高い……といった、購入希望者が今後もいることが想定される物件ですね」(渕ノ上さん)

 

一方で、おひとりさまは、自分自身で完結できる生き方をする必要がある、もしくは結婚して家族が増える可能性もあります。そのため、ファイナンシャルプランニングには、特に気をつける必要があるそうです。

 

「長年住み慣れた自宅マンションで人生を終えるにせよ、いずれ結婚して購入したマンションを売却するにせよ、そのマンションの資産価値が残存していることがマストになります。資産価値が低い物件となってしまったら売却して金銭化することが難しくなりますし、資産性が低い物件に対して、ただただ管理費・修繕積立金等を支払い続ける羽目になるといった状況も出てきます。そのような物件については買うより借り続けている方が安心です」(渕ノ上さん)

 

 

また、おひとりさまにとっては、老後をどう過ごすのかという大きな問題があります。もう「当然のようにご家族に面倒を見てもらう」という時代は過ぎ去りつつあるものの、その選択肢が取りにくい以上、”可能な限り自分でなんとかできる環境”をつくらなくてはなりません。渕ノ上さんは、自宅の周辺環境に注目すべきと語ります。

 

「高齢者向けサービス付きのマンションを選ぶのも合理的な選択です。しかし、そういった物件は数が少ないので選択肢が限られてしまいます。また、高齢者向けサービス付きのマンションは、食事やレクリエーションなど充実している反面、マンスリーコストが高額なため、入居のハードルが高いのが現状です。

 

一方、最近では、バリアフリー対応の物件が多くなってきています。現時点ではあまり必要性を感じなくても、将来を想定してバリアフリーを選ぶことは大事です。近所に病院やスーパー、そしてちょっとした外食ができる場所があると、老後に行動範囲が狭まってからとても重宝するので、周辺環境に注目して選ぶというのは非常におすすめです」(渕ノ上さん)

 

いずれにせよ、将来売る可能性まで考慮するなら、かつ、おひとり様だろうがおひとり様でなかろうが、「資産価値の落ちにくい」マンションを選ぶのが正解です。