ライフスタイル
2020/2/23 17:30

PTAスリム化を妨げるのは誰だ!――飛び交う噂、昨日の味方は今日の敵!?

「委員の人から不満が出ているらしい」というタレコミが!

ある日、会長からこんなLINEが届きました。

 

「どうやら、今年のPTAの体制に不満を持っている委員さんがいるらしい。詳しくは、今度の役員会で」

 

なんですと……!?

 

驕りかもしれないけど、普段から逐一様子を伺い、意見を聞きながら進めていたし、つい先日も委員さんに無記名のアンケートをとったばかり。改善点などの意見はあったものの、不平不満は見当たらなかったから、正直そんな話は寝耳に水です。

 

迎えた役員会の日、カイチョーの顔を見るなり、皆で質問攻め! なんでも、

 

「PTA活動のスリム化を掲げたはいいけど、委員の負担はむしろ大きくなってるらしい。このままじゃ、来年の委員選出くじのとき、揉めるに違いない! 今年のPTAはどうなってるんだ!」

 

と、地域の人たちから取り囲まれてお叱りを受けたとのこと(怖)。そして、不満を言っているのが、現委員さんだというのです。

 

PTAの仕事を可能な限り淘汰していくことに対して、基本は良い反応ばかりだと思っていたから、衝撃でした。もちろん、スリム化のしわ寄せが少なからず起こっている、というのは事実。

 

たとえば、広報委員会をなくして年4回発行していた広報誌を年1回に、その制作は書記である私が請け負いました。土日活動委員会の運営を委員さんに任せていたのも、副会長のあかねんが主となって仕切ってます。

 

そんなこんなで、むしろ本部が引き継いだ仕事が多くて、ちょっと自分たちの首を絞めている部分はあるけど、委員さんの負担は少なくなってるはずなのに。私たちと接するときは「大丈夫です!」と言ってくれてたけど、陰では苦しんでたの……?

 

どうにも腑に落ちないのが、「委員の人から聞いた」という話の内容が抽象的すぎる点。「〇〇らしい」ってことしか出てこない。本当に、今年の委員さん本人が言ってることなのだろうか。

 

また、放課後クラブや土曜日教室で接する学校外の人たちからも、「(スリム化より前の)PTAの運営のほうが良かったのでは」といった声が漏れ聞こえるようになりました。

 

まさか、誰かが今年のPTAを潰そうとしている……!?

 

なんだかあまりにも事実と違う点が多く、一体情報元はどこなのか各方面いろいろ調べていくと、PTAに対する不満をあちこちで触れ回っている数人の人物が判明しました。

 

それはズバリ、現委員さんではなく、過去のPTA本部役員経験者だったのです。

 

 

誰もが「現段階が最良」だと思いたい。それが人間の性……

つまり、こういうことです。かつて自分たちが本部をやっていた頃、つまりスリム化を実現する前は、大変な部分もあったけど、それでうまくまわっていた。

 

なのに、去年のPTAはスリム化だなんていって円滑に進んでいたシステムを変えた! それに準じて進めている今年の本部もどうかしてる! そんなのうまくいくはずない! と憤慨している様子。

 

本部経験者ゆえに、地域の人ともつながりも濃い。だから、ことあるごとに「今年のやり方はヒドイ」とか「以前のPTAの方がよかった」ということを伝えているようなんです……。

 

かつてPTA本部役員をやっていた人で、現在も地域の活動に関わっているケースも多いから、そちらからも「なんでもかんでも委員会をなくしたらいいってもんじゃない! 昔のやり方がよかった!」みたいな意見が出てきている模様。

 

だからって、委員さんが言ってた風に虚偽の事実を伝えるとか、想像だけで「今の体制は良くない」って決めつけるなんて、あんまりじゃない?

 

はじめは、正直腹が立って仕方なかった。でも、最近はこうも思います。

 

いま私たちは一年間かけて話し合って、アンケートも取ったりして、最良の活動ができるようにPTAスリム化を進めているわけで、それを、たとえば来年以降の本部役員さんが真逆のやり方で進めるようになったら。

 

ちょっと、せっかくいいシステムを作ったのに、なにやっちゃってくれてるの? って思うよね。やっぱり、いい気はしない。

 

せめて、どうして今の組織運営に至ったか、その過程と想いだけは伝えたい。そのうえで、新しいメンバーが方針をひっくり返すと決めたのなら、やむなしとしても。

 

いま、やいのやいの言ってきてる本部役員経験者の人たちは、そんな気持ちなのかな。

 

じつは最近の私たち、旗振り当番をどうしていくか、来年度の委員免除規定はどうするかなどなど、ちょっと今後の方向性に行き詰ってました。そこに、今回の出来事が起こったおかげで、ここまでPTAを繋げてきてくれた歴代の本部役員さんたちの存在に気づけたんですよね。

 

だから、半年以上経って今更なんだけど、あらためて去年の本部さんたちに声をかけて、どんな想いでPTAスリム化を進めてきたかを聞くミーティングを開いたりもしました。

 

そりゃ、誰だって”今“が最善だって思いたい。だって、そう信じてこのボランティア活動に膨大な時間を費やしてるわけだし。

 

でも、やっぱりこれまで築き上げ、バトンを繋いできてくれた人たちことも、念頭に置いて活動していかなきゃいけないんだなーと、学びました。ひとつ大人になれたかも(笑)。

 

これって、会社とか、大きく言ったら政治とかでも一緒よね。PTAって、規模は小さいけど、やっぱりひとつの組織なんだな。そんなことに気づいた秋の日でした。

 

まだまだPTA本部役員の道は続く!

 

 

 

イラスト/環えり

  1. 1
  2. 2