効果絶大!【iDeCo】で税金対策
運用益が非課税になるだけでなく、掛金が全額所得控除になることで、確実に減税の恩恵を得られるiDeCo。ここでは、制度の概要や職業ごとに異なる節税効果を具体的に見ていこう。
運用益が非課税なのに加え拠出額は全額所得控除
iDeCoは、毎月一定額を積み立て、拠出金と運用差益を一括または年金として分割で受け取る仕組みだ。掛金の拠出は60歳(2022年5月以降、国民年金被保険者は65歳)まで。NISAと同様に運用益が非課税で、効率良く老後の資産を形成できる。
もうひとつのメリットは、拠出金の全額が所得控除の対象となり、所得税と住民税が安くなること。年末調整によって所得税が還付され、翌年の住民税の負担が軽減される。節税額は年間の拠出額の15〜60%にも上り、税金対策として効果は絶大。前出の篠田尚子さんも「最初にはじめるべき制度」であると太鼓判を押す。
iDeCoでの運用先の商品は、国内外の株式に投資して積極的に増やす商品から、元本確保型の定期預金まで種類が豊富。自分の方針に合わせて資産を運用できる。
【Case 1】会社員の場合
年末調整による還付金をプチボーナスとして楽しもう
会社員にとって、iDeCoは数少ない税金対策のひとつなのでぜひ活用したい。厚生年金に上乗せする“三階建て部分”のため、多少のリスクをとりながら積極的に増やす商品を選ぶのも良い。最大拠出額は勤務先の企業年金制度によって異なる。
拠出限度額:2万3000円/月
1年間の節税額(年収600万円の場合):最大5万5200円
【Case 2】自営業・フリーランスの場合
拠出限度額が大きいから絶大な節税効果を得られる!
国民年金のみの受給の場合、令和3年時点で月約6万5000円(満額の場合)。今後の大幅増の期待も薄いので、iDeCoで老後の資金を確保したい。掛金は年間最大81万6000円で、同じく所得控除となる小規模企業共済を併用すると効果大。
拠出限度額:6万8000円/月
1年間の節税額(課税所得600万円の場合):最大24万4800円
【Case 3】公務員の場合
物価上昇時の対策としてインフレに強い商品を
共済年金が厚生年金に一本化され、老後の保障が縮小した公務員では、補填策としてiDeCoを利用するのもオススメ。拠出限度額が低いことや、インフレ時の昇給率の遅さなどを考慮し、株式やREITで積極運用する商品を選ぶのも一案だ。
拠出限度額:1万2000円/月
1年間の節税額(年収600万円の場合):最大2万8800円
【Case4】 パート・専業主婦(主夫)の場合
節税効果は一部の人のみ投資の一環として活用!
パートや専業主婦の場合、節税効果は限定的。扶養の範囲で働いた場合、103万円以上(住民税は約100万円以上)の年収の場合に税金が控除される。自分用の年金を確保するための投資を主な目的に、積極運用する商品を選ぶのも良いだろう。
拠出限度額:2万3000円/月
1年間の節税額(年収129万円の場合):最大3万9000円
iDeCoの口座開設STEP
[STEP1] 申込書の取り寄せ・返送
加入申込は証券会社に行う。証券会社によって、運用可能な商品の種類や運営管理手数料が異なるので、資料を確認して証券会社を選ぼう。月々の掛金は5000円以上、1000円単位で決める。
[STEP2] 加入審査
会社員や公務員の場合、勤務先が記入した証明書類とともに、証券会社に申込書を提出。証券会社経由で国民年金基金連合会へと送られる。加入資格の確認・審査が行われ、1〜2か月で開設が完了する。
[STEP3] 初期設定を行う
口座の開設が完了したら、iDeCoの管理画面にログインして、どの商品に拠出するか初期設定を行おう。一定期間指定をしないと、証券会社が指定する商品が自動的に購入されるので注意したい。