ライフスタイル
2022/12/10 20:45

昔「ガングロ」今は「ラテ肌」! 日本独自の「ギャル文化」の守り手たちに玉袋筋太郎が迫る!

〜玉袋筋太郎の万事往来
第22回 LOALOモデル

 

全日本スナック連盟会長を務める“玉ちゃん”こと玉袋筋太郎が、新旧の日本文化の担い手に話を聞きに行く連載企画。第22回目のゲストは、全国の日焼けサロンで配布されているフリーペーパー『LOALO(ロアロ)』のモデルとして活躍するラテ肌のギャル集団が登場。世界的に人気の高い日本独自のギャル文化を守り続ける彼女たちの生態に玉ちゃんが迫る!

 

【LOALO公式サイト:http://loalo.jp

 

(構成・撮影:丸山剛史/執筆:猪口貴裕)

「ガングロ」ではなく「ラテ肌」が今の常識

――今日は3人ゲストに来る予定なのですが、他のメンバーが仕事で遅れているようなので、まずは藤木そらさんに来ていただきました。

 

玉袋 年末も近いのに、この肌の色をキープしてるところがいいね。

 

藤木そら(以下、そら) これでも、まだまだ全然白いほうなんですよ。

 

玉袋 一番ピークに持っていく時期は、いつごろなの?

 

そら 5月ごろですね。

 

玉袋 梅雨前だ(笑)。

 

そら 個人的に5月に夏が始まると思っているので、3月ごろから仕込んで。

 

玉袋 仕込むってのがいいね。ずっと、こういうスタイルなの?

 

そら 変わらないですね。私の場合は生まれつきギャルです(笑)。

 

玉袋 生粋のギャルなんだ。なかなか普段は黒ギャルに会えないから、俺はうれしくてしょうがないよ。

 

そら 私の周りには全然いますよ!

 

玉袋 そうなの? 絶滅危惧種に指定されて、レッドデータブックにも掲載されたなんて話も聞いたけど、今もガングロブームが続いているってこと?

 

そら ガングロ……ではないですね。今はラテ肌って言うんですよ。

 

玉袋 カフェラテのラテか。ブラックまでいかないんだね。俺からしたら、みりん焼きのほうがピンとくるな。全身キレイに焼くのも大変でしょう。

 

そら そうですね。でも黒いほうが引き締まって見えるし、健康的でもあるので、全然苦じゃないです。

 

玉袋 そりゃそうだ。この肌色で胸を病んでたり、うつ病になったりしなさそうだもん。セロトニンとかメラトニンとかガンガンだよね。ボクシングで言う試合だからさ。試合当日までに体を作ってリングに上がってる感じがするよね。たぶん、そらちゃんが生まれる前だと思うけど、かつて美白ブームってのがあってさ。当時“美白の女王”と呼ばれていた鈴木その子さんという方がいたんだ。20年以上前にお亡くなりになったけど。

 

そら お名前だけ知っています。

 

玉袋 知ってるんだね。俺らが出演していた「未来ナース」って番組で、渋谷にたむろしているブラックコーヒーやエスプレッソみたいな肌のお姉さんたちを集めて、鈴木その子さんが彼女たちを真っ白にして、ビフォーアフターを見せるってコーナーがあったんだよ。それが結構ブームになっちゃってさ。当時は黒ギャルへのカウンターみたいな企画だったんだけど、それが俺とギャルの唯一の繋がりでね。『LOALO』を見ると、今も元気にギャルが集まって、素晴らしいよ。熱帯魚のカタログを見てるような、爬虫類ショップに来たような感覚だね。簡単には近づけないけど、なんか楽しそうだし、シャンパンをポンポン抜いてそうな感じがするよね。ある意味、黒い交際ってやつだな。ギャルの存在を知ったのはいつごろなの?

 

そら 知ったのは小学生ぐらいですけど、本格的に肌を焼き始めたのは高校生になってからです。ギャルばかりの友達グループに入ったんですけど、すでにギャルの全盛期ではなかったです。

玉袋 ちなみに、そらちゃんはどこの出身なの?

 

そら 京都です。

 

玉袋 また意外だね。半目を張り過ぎだよ(笑)。もう時代は変わったね。京都と言えば雅の街って言われていたけど、今はラテ肌が雅なんだ。普段どんな仕事をしてるの?

 

そら メインはモデルで、インスタグラマーとしても活動しています。毎日のようにインスタの案件をやっていますね。

 

玉袋 デビュー曲も出したんでしょう。

 

そら そうなんです。『Happy Happy Night』というデビュー曲を5月24日にリリースしました。令和のパラパラを作ろうってことで、「令和EDMパラパラ」がテーマの楽曲です。

 

玉袋 まだパラパラの文化も根強く残っているんだね。ギャル同士で上下関係はあるの?

 

そら そこまでギャルは厳しくないですね。みんなフレンドリーです。

 

――そもそもLOALOモデルは、どうやって集まって来たんですか?

 

そら LOALOのプロデューサーの方が、黒肌ギャルユニット「Black Diamond(ブラックダイヤモンド)」というのを手掛けていて、そのメンバーやOGの子が結構います。後から来る、はるたむさんはBlack Diamondのリーダーでした。

 

玉袋 LOALOの活動拠点ってあるの?

 

そら みんなバラバラですね。私は普段、湘南にいます。1年前に引っ越したんですけど、チャリンコで江の島まで肌を焼きに行く、みたいな。でも週に3、4回はお仕事で東京に来ているので不便ですね。

 

――LOALOの発行ペースはどれぐらいなんですか?

 

そら 3か月に一度の季刊誌です。2週間前にも撮影で沖縄に行ってきました。

 

 

白い目で見られることがあっても、それは見る側に問題がある

――他のメンバーが到着するまで、もう少し時間がかかるということで、急遽ピンチヒッターのおふたりが駆け付けてくれました。

 

玉袋 いやいや、これまたインパクトのあるふたりだね。自己紹介を頼むよ。

 

しおちゃも はじめまして、しおちゃもです!

 

ぱちゃ ぱちゃでーす! イエー!

 

玉袋 明るいね~。2人と並ぶと、そらちゃんが普通に見えるね。

 

そら そうなんですよ(笑)。

 

玉袋 しおちゃもちゃんは昼間、何をやってるの?

 

しおちゃも ずっとギャルです! 気付いたらギャルだったんで。

 

玉袋 もう職業なんだ(笑)。ギャルだけで食っていくのは、なかなかだね。シノギが見えないよ。ネイルもすごいね!

 

しおちゃも ちゃんと箸も持てますよ。ここ(ネイル)にも神経が通っているんで(笑)。

 

玉袋 まるっきり生活感がないところがいいよ。

 

――さらに遅れていたメンバーのひとりが到着しました。

 

ふきてぃす ふきてぃすです!

 

玉袋 頭一面にリボンか。すごいね。一年中ハロウィンだよ。

 

しおちゃも めっちゃかわいいですね!

 

ぱちゃ (拍手)。

 

玉袋 ふきてぃすちゃんは昼間は何のお仕事をやってるの?

 

ふきてぃす ギャルです!

 

玉袋 お、しおちゃもちゃんと同じく、ちゃんとギャルのファンタジーを守ってるね(笑)。

 

ふきてぃす 私は小学生の時点でピンクのカラコンを入れてましたから!

 

玉袋 それで学校はOKだったんだ。

 

ふきてぃす いや、先生の目を見ないようにしていました(笑)。

 

玉袋 俺からしたら4人は未知との遭遇だよ。みんなを引き連れて、競輪場に行きたいぐらいだね。どうやったら普段みんなに会えるか不思議だよ。どこで遊ぶことが多いの?

 

しおちゃも 新宿とか渋谷です。

 

ふきてぃす 横浜です。

 

ぱちゃ 私は錦糸町。

 

玉袋 マジ? 渋いね~。錦糸町にいたらずば抜けて目立つでしょう。錦糸町は高速下りたところにラブホテルがあるんだよな。

 

ぱちゃ 詳しい!

 

玉袋 あの辺でスナックをやっていたことがあったからさ。さっき、そらちゃんからラテ肌のピークを5月に持ってくるって聞いたけど、みんなはどうなの?

 

ぱちゃ 私は1年中、この肌なので、永遠にピークですね。そもそも地黒なので、太陽が出てたら自然とピークになるんです。

 

ふきてぃす 私は最近サボりがちです……。脚だけはめっちゃ焼けるんですけどね。

 

玉袋 ふきてぃすちゃんはルーズソックスっていうのもいいね。すっかりルーズソックスの存在を忘れてたよ。

 

ふきてぃす ルーズソックスは大事!

 

玉袋 こういう派手な格好をしていて良かったことは何?

 

ふきてぃす 道を歩いていると、知らない人に「かわいい」って言われることです。たまに、「ヤバ……」って痛い目で見られることもありますけど、かわいいって反応のほうが多いかも。

 

玉袋 いっそキャラクターとして売りだしゃいいよね。ふきてぃすちゃんはLOALO の9月号でメインモデルに電撃加入したって書いてあるね。

 

ふきてぃす そうなんですよ。

 

玉袋 この黒社会に入っちゃたんだ。

 

ぱちゃ 黒社会はヤバい(笑)。

 

しおちゃも 間違ってないよね(笑)。

 

玉袋 さっきは職業ギャルって答えだったけど、みんなのマジなお仕事は何なの?

 

ぱちゃ 事務です(笑)。

 

玉袋 これまた意外だ。

 

ふきてぃす 私は学生なんで、就活ナウです。美容の専門学校でネイルを学んでます。

 

しおちゃも 私は見たまんまで、飲み屋の姉ちゃんをやっています(笑)。ぜひ遊びに来ていただけると。

 

玉袋 確かに返しが水商売だよ。みんなは普通に歩いているだけで目立つから、白い目で見られるってこともあるかもしれないけど、それって見る側に問題があってさ。人の個性を否定してることだもんね。俺も孫ができて、ようやくいろんな個性を理解できるようになってきたんだ。俺らの時代なんか、不良がいっぱいいた世代だけど、見た目は違えど個性的なのは、みんなと変わらないよね。女性なんて床につくぐらいの長いスカートを履いちゃって、くるくるパーマで、アンパン吸ってさ。この前、当時ヤンキーをやっていた同級生の女性にバッタリ会ったら、しっかりしたお母さんになっててさ。「子どもがお受験だ」なんて言うから、「バカやろう! 中学時代のことをバラしちゃうよ」って言ったら、「それだけは内緒で」なんて言ってたね(笑)。

 

アメリカでのギャルの受け止められ方はクールジャパンの一つ

――最後のメンバーが到着しました。

 

玉袋 上半身は季節感を無視していて、こっちが照れちゃうね。こう次々とギャルが現れると大変だ。まさか伝票はついてないだろうな? 怖くなっちゃうよ。

 

はるたむ はるたむです。前の仕事が押してすいません。

 

玉袋 全然いいよ。時間にルーズなところもギャルらしくていいんだ。まずは、はるたむちゃんがギャルになったきっかけを聞こうか。

 

はるたむ 小さいころから派手なものが好きだったので、目につくものが金髪だったり、ピンクのものだったり。あとリカちゃん人形よりもバービー人形が好きだったんですよ。その後、小学生の時に浜崎あゆみさんがレコード大賞を3連覇したのをテレビで見て、めちゃめちゃかわいいなと思って衝撃を受けたんです。それと同時期に、ガングロギャルと呼ばれる人たちが、渋谷の街中にいるっていうのをテレビで見て、この人たちもかわいいってダブルで衝撃を受けて。こういう風になりたいなと思って、18歳で上京しました。ところが、その時にはもうギャルは絶滅危惧種で、ほとんどいなかったんですよ。でも数少ないギャルが集まってBlack Diamondを結成して、私はリーダーをやらせてもらいました。当時、全国で合わせて500名ほどの人数が集まったんですけど、その時も「珍しい」みたいな扱いで、「動物園から出てきたの?」みたいなことも言われました。

 

玉袋 さっき俺は爬虫類ショップみたいだって表現したんだけどさ(笑)。そうやって時代を超えて、同志が集まって来たってことだね。絶滅危惧種だからこその意地もあるでしょう。

 

はるたむ そうですね。絶滅危惧種だからこそ爪痕も残しやすいですし、同じ目標を持った子が集まってる訳じゃないですか。よくある相談で「ラテ肌にしたいけど、周りでやってる子がいないから、勇気がいる」というのがあって、そういう子は地方に多いんですよ。そういう子たちが集まったのがBlack Diamondで、今はLOALOですけど、集まることによってみんなでギャル度を高め合えるし、もっとラテ肌を世間に発信していって、みんなでラテ肌を盛り上げていこうぜっていうのがLOALOの大きなテーマなんです。

 

――Black DiamondとLOALOで意識に変化はありますか?

 

はるたむ Black Diamondの時は、マンバと人間のハーフみたいな(笑)。めちゃめちゃみんな盛り盛りのレインボーで、爪もすごかったんですけど、LOALOはラテ肌に重点を置いて、キレイ目のギャルだったり、派手なメイクの強めのギャルだったり、幅広いジャンルで何かやっていきたいなっていう趣旨でやっています。

 

玉袋 素晴らしいね。どこかLGBTQと通じるようなフラットさがあるね。

 

はるたむ アメリカでのギャルの受け止められ方って、クールジャパンみたいなところがあって、Black Diamond時代は渋谷のセンター街で撮影をすると、写真待ちみたいな感じで外国人の方に囲まれることも珍しくなかったんです。

 

――そこまでギャル文化が浸透しているんですね。

 

はるたむ 海外って「GAL」じゃなくて、「GYARU」とスペルが違うんですよ。でもギャルって言葉を知ってくれている。Black Diamondの時もハリウッドやサンフランシスコ、フランスなど、クールジャパンのイベントに呼んでいただいたこともあって。現地でバラバラだったり、書道のショーをやったりして、めっちゃ盛り上がってくれて。海外の人って温かくていいなと思いました。でも最近は日本に来てもギャルがいない。だから、もっと発信力をつけて、影響力を大きくしていきたいんです。いずれは逆輸入みたいな感じで、海外独自のギャル文化が発展するとうれしいですね。

 

玉袋 絶対、世界に響くよ。これだけSNSが普及しているんだから、こういうジャパニーズカルチャーは興味深いだろうし、ギャルはジャンルとして熟成しているからね。

 

はるたむ 1人でやってると孤立したり、変な目で見られたりとかもあるけど、グループでやることで孤独感もなくなりますし。

 

玉袋 マイノリティのパワーを感じるね。芸人もそうだけどロードサイドから上がってきたものがちゃんとした大衆芸能とか文化になってる訳じゃない。そういう域にギャル文化も達しているよ。

 

5人 うれしい~!

 

――関東圏以外のギャル事情ってどうなんですか?

 

はるたむ 地方にも結構います。もともと私も名古屋ですし。

 

玉袋 名古屋は資質が高いだろうね。

 

はるたむ 基本的に名古屋は盛り盛りでキラキラの文化ですから。東京は洗練されているというか、名古屋や大阪のほうが派手で勢いがある印象です。コテコテのギャルって東京は少ないんですよ。

 

玉袋 この5人の中で一番長く表舞台で活動してきたはるたむちゃんは、ギャルを引退するって考えたことはある?

 

はるたむ ないですね。もともと私は、めっちゃガングロで髪の毛もピンクで。何で今みたいになったかというと、落ち着こうと思って落ち着いた訳じゃなくて、徐々に自分の好きなジャンルが落ち着いてきたんです。そうやって自分の中で変化はあるんですけど、ギャルってカテゴリーに入る存在であることには変わりはないのかなと。ギャルが好きな人は一生ギャルな気がします。マインドがギャルなんですよね。落ち着いてママになっても、ギャルなんですよ。

 

そら 私たちより上の世代の方も、肌こそ白くなりましたけど、いまだに一緒にパラパラを踊っていますしね。

 

玉袋 確かにヤンキーだって幾つになってもヤンキーだからね。若い世代のギャルも増えているの?

 

はるたむ 5年ぐらい前は本当に絶滅寸前まで減ったんですけど、最近はTikTokなんかを見ると、ギャルに憧れている若い子が増えた印象があります。私たちのメイク動画を見て、「好きです」って言ってくれる子も多くて、ちょっとずつ育ってきているので、このまま上に上がってきてギャルになってほしいですね。

 

玉袋 永遠に続くってことだね。ギャルは絶滅したのかなと思ったけど、俺の偏見だったってことが分かったよ。よく俺が言うのは「ブームじゃなくライフにしろ」ってことなんだけど、みんなにとってギャルはしっかりとライフになってるし、ライフ・イズ・ビューティフルだね。

 

【プロフィール】

はるたむ(前列左から1人目)【誕生日】1997年1月2日 【出身】名古屋 【血液型】A型 【趣味】旅行とギャルと美容 【特技】DJ /●藤木そら(前列左から2人目)【誕生日】5月24日(年齢非公開)【出身】京都府 【血液型】A型 【趣味】読書、御朱印巡り【特技】スポーツ、激辛グルメ /●ふきてぃす(前列左から4人目)【誕生日】2002年12月25日 【出身】神奈川県葉山町 【血液型】A型 【特技】デコる事w /●しおちゃも(後列左から1人目)【生年月日】2002年2月22日【出身地】神奈川県葉山町【血液型】B型【趣味】ギャル観察隊【特技】マヨネーズ一気飲み /●ぱちゃ(後列左から2人目)【生年月日】1998年12月18日【出身地】茨城【血液型】O型【趣味】絵描き、猫と戯れる【特技】料理、瞑想

 

玉袋筋太郎

生年月日:1967年6月22日
出身地:東京都
1987年に「浅草キッド」として水道橋博士とコンビを結成。
以来、テレビ、ラジオなどのメディアや著書の執筆など幅広く活躍中

一般社団法人全日本スナック連盟会長
スナック玉ちゃん赤坂店オーナー(港区赤坂4-2-3 ディアシティ赤坂地下1階)

<出演・連載>

TBSラジオ「たまむすび」
TOKYO MX「バラいろダンディ」
BS-TBS「町中華で飲ろうぜ」
CS「玉袋筋太郎のレトロパチンコ☆DX」
夕刊フジ「スナック酔虎伝」
KAMINOGE「プロレス変態座談会」

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