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2023/5/1 11:15

スマホ1台でサクッと完結! 簡単&シンプル「スマホ向け証券」の始め方

いざ投資を始めるに際して、運用する証券会社選びでつまずきたくない。それならまずは、手数料水準が低く、必要十分な機能と取扱商品のみが厳選されている「スマホ向け証券」を検討しよう。本記事では、経済ジャーナリストの頼藤太希さんによる、スマホ向け証券の口座開設方法や注目すべきサービスについてご紹介しよう。

※こちらは「GetNavi」 2023年5月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私が教えます

経済ジャーナリスト 頼藤太希さん

Money&You代表取締役、中央大学客員講師。19万部超のベストセラー「はじめてのNISA&iDeCo」(成美堂出版)など、投資関連の著書多数。YouTube「Money&You TV」でもお金の情報を発信中。

 

口座開設無料で手軽なスマホ向け証券が初心者にオススメ!

スマホ向け証券は、スマホでの利用に最適化した明快なUI/UX(※)で、初心者にオススメ。NISAとiDeCoの対応/非対応や、米国株式のラインナップなど、購入したい商品の取り扱い状況も考慮して検討しましょう。口座開設が無料で時間もかからないので、複数使ってみるのも◎。

※ UIとは、アプリのデザインなど、ユーザーの視覚に触れる情報であるユーザーインターフェイスのこと。UXとは、「利用方法がわかりやすいので再度利用したい」など、サービスを通じてユーザーが獲得する経験であるユーザーエクスペリエンスのこと

 

スマホ向け証券の特徴

◎…必要十分な機能で、メニューが見やすく操作も簡単

◯…ほぼすべての機能をスマホで利用できる

△…NISA、iDeCoに非対応の場合や、取扱本数が少ない傾向

 

ネット証券の特徴

◎…NISA、iDeCoはもちろん、人気の米国株式なども潤沢

◯…豊富な機能を備えるが、初心者には難しく感じることも

△…一部の機能はPC版サイトのみ用意

 

スマホ向け証券の始め方

LINE証券を例に投資家デビューまでの流れを解説!

 

【STEP1 口座開設】わずか3ステップで申込が完了し最短翌日に取引可能

口座開設ページを開き、確認事項の入力、携帯電話の認証、本人確認書類の提出の3ステップだけで申込手続きは完了。本人確認書類の提出の際、手元にマイナンバーカードがあれば時短可能だ。

 

↑マイナンバーカードの情報を自動で読み取る機能を提供。本人確認書類の撮影とアップロード、自撮り、住所などの入力をスキップできる

 

【STEP2 入金】インターネットバンキングなど4パターンから選ぶ

アカウントページの「入金」→入金方法の選択→金額の入力と進む。なお、銀行口座から振込の場合、名義は証券口座と同じでなければならない。旧姓の銀行口座からの入金や、家族間の入金も不可だ。

 

【STEP3 商品を探す】キーワード検索やカテゴリ絞り込みで銘柄を探す

口座開設と入金が済んだら、いつでもどこでも取引可能。名称での検索に加え、「つみたてNISA対応」「つみたてオススメ」といったカテゴリの絞り込み機能、1分間の商品紹介動画も活用しよう。

 

【STEP4 購入】購入金額を入力して重要書類に目を通す

購入する銘柄が決まったら、「買う」もしくは「つみたて」へ進む。購入金額を入力し、分配金コースを選択、内容の最終確認をして注文完了。注文状況や取引履歴はマイページで確認できる。

 

【まとめ】初心者が迷う口座開設や取引が簡潔で敷居が低い

本人確認などを手間に感じやすい口座開設フローもスピーディに済み、投資を始めるハードルを下げてくれる。LIアプリから最短6タップで購入できるなど、投資経験がなくても迷わずに取引可能だ。スマホ1台あればどこでもOKで、100円からの少額投資もできる。練習のつもりで触れてみるのも良い。

 

スマホ向け証券・ネット証券サービス早見表

主要な「スマホ向け証券」4社と「ネット証券」3社を紹介。銀行や対面式の証券会社よりも手数料は低い。取扱銘柄や使い勝手も吟味しよう。

 

【LINE証券】日中忙しい人でもリアルタイム取引が容易

つみたてNISA取扱本数 9本●3月7日現在

iDeCo取扱本数 24本●3月7日現在

米国株式取扱本数 取扱なし●CFD取引と投資信託では取り扱いがある。(3月7日現在)

取引最小単位 100円(投資信託)/1株(いちかぶ)

取引手数料 現物取引55円(約定代金5万円の場合)/スプレッド(※1)0.35〜1.0%(いちかぶの場合)

特徴

LINE Financialと野村ホールディングスが共同で設立したスマホ向け証券。一般的には平日17時までのところ、平日21時までの注文が当日中に約定する(ETFは除く)。1500銘柄以上が1株単位で取引できる「いちかぶ」(単元未満株)など、初心者にやさしいサービスが充実。株式が最大7%OFFで注文できる「株のタイムセール」もおトクだ。

 

【PayPay証券】誰もが知る有名企業の銘柄でも手軽に購入

つみたてNISA取扱本数 取扱なし●3月7日現在

iDeCo取扱本数 取扱なし●3月7日現在

米国株式取扱本数 147本

取引最小単位 1000円

取引手数料 現物取引525円(約定代金5万円の場合)/スプレッド(※1)0.5〜1.0%(売買時の単価に対して加減)

特徴

日本初のスマホ証券。3タップで株を売買できるのが特徴的だ。国内株式、米国株式を、株価にかかわらず1000円から購入可能。有名企業を中心に取り扱っており、高額な銘柄でも少額から投資できるのがうれしい。積立投資も1000円からOKだ。同社別アプリでは、「PayPayマネー」で100円から有価証券の買付ができるサービスも展開する。

 

【CONNECT】スマホ専業で唯一一般NISAつみたてNISA、iDeCoに対応

つみたてNISA取扱本数 16本●3月7日現在

iDeCo取扱本数 22本●3月7日現在

米国株式取扱本数 60本●ひな株USA取扱本数。(3月7日現在)

取引最小単位 100円(まいにち投信)/1株(ひな株、ひな株USA)

取引手数料現物取引無料(月10回まで。以後約定代金の0.033%、上限660円)/スプレッド(※1)0.5%(ひな株の場合)

特長

大和証券グループが手掛けるスマホ専業証券。国内株式を100株単位で取引する現物取引のほか、日本企業に1株から投資ができる「ひな株」(単元未満株)や、日本時間で9時〜17時まで米国株式を取引できる「ひな株USA」、IPO(新規公開株)など取扱商品と機能が充実。Pontaポイントとdポイントが使えて貯まるポイント投資にも対応する。

 

【STREAM】手数料無料のみならず通常よりも有利な価格に

つみたてNISA取扱本数 取扱なし●3月7日現在

iDeCo取扱本数 取扱なし●3月7日現在

米国株式取扱本数110本●3月7日現在

取引最小単位1単元100株

取引手数料無料(SMART取引の場合、有利となった差額の半分が手数料)

特徴

NISAやiDeCoには非対応だが、国内株式と米国株式の本格的な取引に最適なスマホ向け証券。取引手数料が無料なうえ、ダークプール(証券取引所に発注せず、ほかの株式注文と付け合わせて取引を成立させる方法)を利用した「SMART取引」では、東証よりも有利な価格で約定する場合がある。SNS機能で情報交換ができるのもユニーク。

 

【楽天証券】口座数首位のネット証券が少額投資のサービスを拡充

つみたてNISA取扱本数 187本●3月7日現在

iDeCo取扱本数 32本●3月7日現在

米国株式取扱本数 4943本●3月7日現在

取引最小単位 100円(投資信託)/1株(かぶミニ)

取引手数料 現物取引55円(約定代金5万円の場合、1約定制。国内株式の単元株取引において)

特徴

口座開設数は800万以上でトップ(2022年12月末時点)を走るネット証券。口座開設とログインをするだけで「日経テレコン(楽天証券版)」が購読できるのもうれしい。23年4月には新たに、国内株式(単元未満株)を1株からリアルタイム取引できる「かぶミニ」(※2)を開始。「かぶミニ」は一般NISAや統合NISAでも利用できる。

 

【SBI証券】投資信託の運用に適した各種サービスで支持を集める

つみたてNISA取扱本数 188本●3月7日現在

iDeCo取扱本数 35本●SBI証券セレクトプラン取扱本数。3月7日現在

米国株式取扱本数 5617本●3月13日現在

取引最小単位 100円(投資信託)/1株(単元未満株)

取引手数料 現物取引55円(約定代金5万円の場合、1約定制。国内株式の単元株取引において)

特徴

グループ全体の口座開設総数は950万超を誇るネット証券。つみたてNISA対応のクレカ投資や、投資信託の購入代金の一部にTポイント、Vポイント、Pontaポイントを充てられるなど、サービスの使い勝手は上々。なお、人気の投資信託「SBI・V・全米株式インデックス・ファンド」(※)は、SBI証券限定の取り扱いだ。

※ CRSP USトータル・マーケット・インデックス(円換算ベース)に連動する投資成果を目指すインデックスファンド

 

【マネックス証券】外国株やIPOを狙うなら口座開設しておきたい

つみたてNISA取扱本数163本●3月9日現在

iDeCo取扱本数 27本●3月9日現在

米国株式取扱本数 4906本●3月9日現在

取引最小単位 100円(投資信託)/1株(ワン株)

取引手数料 現物取引55円(約定代金5万円の場合、1約定制。国内株式の単元株取引において)

特徴

外国株式(米国株式と中国株式)の売買にオススメなネット証券。取扱本数が多く、為替手数料などを加味するとほかの大手ネット証券よりも割安で取引ができる。また、IPO(新規公開株)の取引では、預かり資産や取引実績に応じて当選確率が優遇される証券会社が多いなか、資金に関係なく完全平等抽選を採用している点も特筆だ。

※1 取引価格に取引手数料相当を含む ※2 かぶミニの買付手数料は無料(0円)。手数料と別にスプレッドがある