覗けば深い女のトンネルとは? 第3回「お姉さんがいる男子は女子にモテる」
こんにちは、少女マンガ攻略・解析室室長の和久井香菜子です。
数年前、なんとなくテレビをつけたら、子どもたちが工作している番組をやってました。牛乳パックからホイッスル(体育の先生が持ってる笛ですな)を作ろう! みたいなやつです。
ホイッスルが完成した後、子どもたちがヒューヒュー音を出しています。スタッフが女子生徒に「これ、いつ使うの?」と聞くと、女子生徒は元気よく答えました。
「弟を集合させるとき」
全身に稲妻が走りました。まず、ほかにもいろんな子どもに声をかけたでしょうに、わざわざその回答を選ぶ番組スタッフのセンス……身に覚えでもあったのでしょうか。そして、弟をまるで下僕のように扱う少女。……これだ! と思いました。
和久井は常々「お姉さんがいる男子最強説」を唱えています。たいへん女子モテする男子が多いように思うんです。その理由はふたつ。
1. 少女マンガを読んでいる
姉妹がいると、少女マンガに触れる機会が多分にあるはずです。少女マンガを読んでいる男子に理由を聞くと「姉がいるから」「妹がいるから」と言う人が多い気がします。女性向けのマンガを数多く読んでいる男子は、女子と話がしやすいです。
「あ、『フルーツバスケット』読んでるんだ! キャラで好きなのは?」みたいな共通の話題があることはもちろん、「女子的思考」に理解があるのです。少年マンガは「目的・攻略・達成」のようにたいへんフィジカルな展開が多いですが、少女マンガは、細かな心理描写とか結末に至るまでの展開が見どころです。そういう文法や女子の求めるイケメン像が頭に入っているのもいいですね。
たまに「少女マンガを買うのは恥ずかしい」という男子(というか男性)に出会いますが、「ワオ、それすごい女性蔑視の発言だけど、気付いてる?」って思います。和久井は以前から「モテたかったら少女マンガ(=女性向けマンガ全般)を読め!」運動を推進しております。
2. 女に対する敬意がある
姉がいる男子は、子どものころから、姉にホイッスルで好き勝手に呼び出されたりしているわけです。「圧倒的に自分が敵わない女がこの世の中にいる」という意識が叩き込まれているんじゃないかと思います。「のど渇いた! と言うと、弟がスッと立ち上がってジュースを買ってきてくれる」とか「生理用品と痛み止め買ってきてとお願いしたら、恥ずかしがりながらも行ってくれた」とか、もう弟バンザイなエピソードを女友達からガサガサ聞いたことがあります。
特に若いうちは、「女子的思考」に免疫がないと、とかく頭から「お前は経験や知識が足りない」とか「フーン、そんなふうに考えるんだ、へーえ」みたいに、女を見下しがちです。しかし絶対権力を持った姉という存在を目の前にして女性蔑視敵発言をしようものなら、耳でもつねられて強烈にお仕置きされるに違いありません。和久井の身近にいる男子を思い浮かべたとき、優しげで柔和な男性にはみな姉がいます。母親にはできない荒ぶる教育を施してくれるのでしょう。ちなみに、弟のいる姉がモテるのかどうかは知りません。
まあしかし、家族構成は自分ではいかんともしがたいし、いまから姉が欲しいと思ったところで難しいでしょう。じゃあどうすればいいか。 誰だって、自分をバカにする人よりは、尊重してくれる人と一緒にいたいものです。
「ありがとう」「すごいね」「うれしい」「ごめんね」
相手を引き立ててへりくだる気持ちや言葉を意識して使ってみてくださいませ。
なぜなら少女マンガの男子キャラや姉持ち弟は、こうしたセリフを惜しげなくジャブジャブ使うからです。もちろん、女子の方もこうした、相手を尊重する気持ちはぜったい必要ですけどね。お互い様です。