アウトドアブランドのコールマンは、廃棄物に新しい命を吹き込むことをコンセプトにした新プロジェクト「MFYR」を立ち上げました。「MFYR」は、Movement For Your Rightの頭文字をとったもので、サステナブルな思想をアウトドア好きな人たちにムーブメントとして巻き起こることを期待した取り組みとなります。
その第一歩として、廃棄されるテントから作成したバッグ7アイテムが発表されました。
トートバッグやサコッシュ、トラベルバッグなど、キャンプなどアウトドアに持っていくにも適しているラインナップが展開されます。生地はテントやタープを再利用したもので、コールマンのロゴやモデル名などが印刷されているのを製品のデザインにうまく取り込んでいます。
撥水性のある生地に加え、縫い目をシームテープで処理しているので、アウトドアに欠かせない防水性もバッチリ。タフなシーンで使用できます。
また、「ダークルームテクノロジー」とプリントされた生地は、テントやタープで直射日光を遮ってテント内を涼しく保つのに使われており、バッグに使用すると屋外で直射日光にさらされても中の温度を一定に保つことができます。
このほかにも様々な大きさのバッグが展開されていました(画像をクリックすると拡大します)。
近年はSDGsの観点から、リサイクルやリユースへの対応が求められることも増えていますが、今回のコレクションもそのような流れを汲んだものなのでしょうか? 同社の担当者にいくつか質問をしてみました。
まずは、バッグの素材となるテント生地について、リサイクルして再加工するほど大量の廃棄があるのかということですが、コールマンによると、今回のバッグはそれぞれ120個くらいを用意しており、売り切ったらとりあえずは終了ということです。
同社が廃棄している生地の量としては、キャンプシーズンの夏場は2〜3か月に1回、トラック1台分程度が発生するとのこと。主に、初期不良の返品分や商品入れ替えのための展示品や在庫などということで、キャンプ市場のシェア30%ほど、年間20〜30万張の販売実数があるいうことから考えると、意外と少ない廃棄量なのかもしれません。
リサイクル・リユースによって環境負荷を軽減する効果については、こういった取り組みによって大幅に削減できるものではないものの、メーカーとして環境問題に取り組んでいるという企業姿勢を示すことや、破損するなどで捨てるしかないと思っていたテントやタープをバッグなどに再利用するという事例を紹介することで、アウトドア愛好家がDIYでバッグや小物を作る、自分なりの工夫を凝らして再利用するといった動きにつながっていくことに期待をしているそう。
コールマンは、アウトドアメーカーとしてキャンプ場のマナーや、ガソリンバーナーなどの正しい使い方、メンテナンスなどの啓発活動に熱心なことでも知られています。今回のテント生地を再利用してバッグなどをつくるという取り組みも、その一環ということのようです。
今回起用したデザイナーはアパレル出身で、クリエイティブ担当はDIY好きな人だということで、そういったアイディアが盛り込まれているように感じました。今後、寝袋を再利用したダウンベストや、テントを再利用したレインコートやポンチョなども考えているということで、期待が膨らみます。
今回のアイテムは、6月1日よりコールマンブランドサイト内で特設ページで紹介される予定で、バッグ3アイテムは6月10日よりコールマンオンラインショップおよび昭島店にて発売開始されます。
販売数が少ないのでレアアイテムになりそうですが、入手できなかった人は、使わなくなったテントやタープをDIYして、自分だけのオリジナルなアイテムを作ってみてはいかがでしょうか。
これまで、キャンプ場で自作のバッグやポーチを使っている人を見かけることはありましたが、テントの生地を再利用するというアイデアには目からウロコが落ちました。今回、コールマンの発信するらメッセージを受けて、あらためてDIYしてみようかなという気持ちになりました。
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