筆者の趣味は小さな盆栽。 地元でスクールや展示会を開催しています。難しそうなイメージを持たれることもある盆栽ですが、ザックリと言ってしまえば“鉢植えの木”。
枝ぶりの美しさなど考える前に、木を元気に育てることが基本です。
鉢植えの植物を育ててみよう
たとえば、オリーブの鉢植えをプレゼントしてもらった。花の咲いている鉢植えを花屋さんで見つけて、いつの間にか購入していた。などなど、植物との出会いはさまざまです。そんな鉢植えを直ぐに枯らしてしまう人は「定期的に植物を見る」という習慣ができていないことが原因です。毎朝観察をして、乾いていたら水を掛けるなど。生活習慣の中に植物との時間を組み込むことができれば長く育てることができます。(適切な日照を確保できるかなどの課題もあるのですが、枯らしてしまう原因はほぼ水管理です。)枯らさずに育てることができたなら、次のステップは木を元気にして、美しい葉や花を楽しみましょう。
元気に育てるには肥料が大切
春は植物が活動を開始するシーズンです。肥料をあげて、元気になってもらいましょう。園芸店、ホームセンター、通販などで入手可能ですが、肥料にはたくさんの種類があり、なにを使えば良いか迷ってしまいます。園芸の上級者は、樹種や花を咲かせたいなどの目的に合わせて、何種類かの肥料を組み合わせて使っています。盆栽スクールの生徒さんたちも慣れるまでは、そもそも肥料は必要なの? 有機肥料が良いの? などと「?」だらけの状態です。そんな時に役立つのが、樹種別の専用肥料です。
オリーブ専用なんて、なんだかマニアックな感じで気後れするかも知れませんが、実に良くできた初心者の味方なのです。オリーブは中性〜弱アルカリの土壌を好みます。植える前に土に石灰を混ぜるなどして、土をアルカリ性にしています。そんな土でも、徐々に酸化してしまいますし、鉄やマグネシュウムなどの植物に必要な微少元素も失われて行きます。オリーブ専用肥料は土を弱アルカリに保って、三大栄養素(窒素・リン酸・カリ)や微少元素をオリーブに最適な割合で補ってくれます。
ツバキはオリーブとは異なり弱酸性土壌を好みます。専用肥料を使うことで、土を適度な酸性にしてくれます。
こちらは、小さな粒状。 スプーン1杯程度を鉢土の上に乗せます。
栽培に自信がついたら、店頭で調子を落とした値下げ品を購入して復活させることもできるようになりますよ。
肥料から植物を知っていくこともあるんだなぁ
それぞれ、1箱の内容量は、5〜10鉢程度育てる場合の約1年分の利用量となっています。1鉢しか育てていないのに、量が多すぎると思われるかも知れませんが、水に濡らさないように管理すれば数年間使えます。栽培に自信がついて、オリーブやつばきを、もう1鉢購入するかも知れませんよ。
筆者も1鉢しか育てていないアジサイ用の肥料を購入しました。アジサイは赤い花はアルカリ土、青い花は酸性土を好みます。同じ酸性ということで、前出のツバキ用でを流用できそうな気もしますが、アジサイように特化した調整がされていると思うので、今年はこれを使ってみます。全ての樹種に専用の肥料があるわけではありません。自分の育てている樹種用の肥料がある場合は、オススメします。独学で試行錯誤しながらでは、なかなか辿り着けない栽培ノウハウを元に開発されたのが専用肥料。上手に活用して、アルカリ土や酸性土など、ちょっとクセのある樹木を、元気に育てちゃいましょう。
元気に育てることができたら、こんなオリーブ盆栽も作れます。豊かなグリーンライフを楽しんでくださいね。