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サッカー
2017/6/17 17:00

日本代表・長友佑都が語る「イタリアでの僕の毎日」――よくいくレストランから好みのファッションまで

ハードな2016-2017シーズンを終えたら、次は日本代表。灼熱のイランにて、イラクと最終予選を戦った。イタリア・インテル所属の長友佑都さんは、果てしないプレッシャーに耐え、過酷なチーム内競争を戦いながら、シーズンを駆け抜けた。そんな長友さんは、2011年のチェゼーナ移籍から、ずっとイタリア暮らし。インテル移籍を経て、もう7シーズンもの間、この地で充実した日々を送っている。

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ここでは、長友佑都さんのサッカー以外の部分、イタリアでの暮らしについてフォーカス。イタリアのどこが好きなのか、最近はどのようなレストランで食事をしているのかなどを伺った。

 

ひとりの大人として、“いいオヤジ”になりたい

――もう長友さんは、イタリアでの暮らしが長くなってきましたね。かなり最近はファッションにこだわれているようですが、イタリアという国の影響が大きいのでしょうか。

 

「そうですね。なによりチームメイトがまずオシャレなんで、練習場に、『そんなオシャレしてくる必要ある!?』ってくらい、こだわってるんです。それを見ているうち、自分も自然とファッション自体が好きになりましたね。レストランに行くときなんかも、スーツをビシッとキメていくことで、『食事』という時間が一層楽しめるということに気がついたんです。いい洋服を着ることで、自分のメンタルも変わってくる。常に『こうありたい』という理想の自分をイメージして、それに近づけていくんです。服装ひとつこだわることで、こんなにも精神的に違いが生まれるんだ、というのは、昔日本でファッションに無頓着だったぶん、一層驚きましたし、それに気がついた喜びも大きかったですね」

インテルでおしゃれだと感じる選手はダンブロージオ選手と語る
インテルでおしゃれだと感じる選手はダンブロージオ選手と語る

 

――長友さんがここで言う「こうありたい自分」とは一体どのような姿でしょう。

 

「ひとりの大人として、“いいオヤジ”になりたいですね。ギラギラしているんではなく『この人、余裕があるな』っていう空気を全体から醸し出しているような大人の男が理想です。『人間的に深いな、柔らかいオーラがあるな』と思われたい。だから持っているモノも、『これはどこのブランドだね』って一目でわかるのはイヤです。よく見たら長友のバッグは、あの革で、あの生地を使っているのか、という深いこだわりで選びたいんです。まあ、まだまだ修行中ですけど(笑)」

 

――ファッションへのこだわりについて、日本代表の選手たちから何か言われることはあります?

 

「まぁ『イタリア人になってきたな』とか(笑)。日本時代はこだわってなかったぶん変化の幅は大きいから、見慣れない人は『大丈夫か?』みたいな感じでしたね。でも人ってなれますから。みんな僕がイタリアとファッションを愛するようになったことを知ってますから、『佑都はそうだよね』ってもう思ってくれてますね」

 

――やっぱり「イタリア」そのものもお好きなんですね。

 

「イタリア人はめちゃくちゃ感情的で、怒ったらすぐ顔に出る。心の中を隠せない人種なんですよね。でもプラスの感情も大きくて、まず家族をとても大事にするし、一度相手の中に飛び込めたら、もう家族のように接してくれます。だから僕はイタリア人が大好き。まあ時間は全然守らないし、適当な人もすごく多いんですけどね(笑)」

 

服装から気を遣うことで、接し方なども変わってくる

――長友さんにとって、イタリアでの「ショッピング」はどういう存在なんでしょうか。

 

「やっぱり試合続きのときなどは、ショッピングを楽しむことがリフレッシュなりますよね。 そんなに頻繁に行くほうではないと思いますが、一度行ったらかなり集中的に欲しいモノを探しますね」

 

――お買い物はおひとりで行くことが多いのでしょうか?

 

「そうですね、一人が多いです。ミラノによく行くセレクトショップがあるんですが、そこに新しく入ったモノを見に行くことが多いです。自分の目で見ることが重要なんで、人に任せたりはしないです」

 

――最近はスーツスタイルをよく目にしますが、どうしてスーツを愛用しているのでしょう。

 

「やっぱり気が引き締まりまって気合いが入りますから。それに、常に人から見られている存在でありたいですし、周囲の人にも“きちんとした着こなしをしているな、おしゃれだな”と思っていただきたい。それになりより、スーツを着ることは、相手への敬意という意味合いが強いです。服装から気を遣うことで、接し方や発言などもいいものに変わってくると思いますから」

スーツは基本すべてオーダー。長友さんが何より大切にしているのはサイズ感
スーツは基本すべてオーダー。長友さんが何より大切にしているのはサイズ感

 

――スーツはオーダーメイドされることが多いのでしょうか。

 

「基本すべてオーダーです。体型に合わせて調整してもらいますし、同時にシャツもオーダーでサイズを直してもらいます。スーツがキマっててもシャツがキマってなかったら、ぎこちない印象になりますから。靴、鞄、腕時計、身に着けるものはまずサイズ感を大切にします」

 

最近気に入っているのは『LARDINI(ラルディーニ)』

――長友さんは、イタリアではどんなお店によくいかれるのですか。

 

「セレクトショップによくいきますが、最近気に入っているのは『LARDINI(ラルディーニ)』というブランドのお店ですね。生地も素敵だし、サイズ感も完璧に仕上げてくれます。ジャケットのワンポイントのマークもお気に入りです」

 

――インテルのチームメートで、ファッションを参考にしている選手とかはいらっしますか?

 

「参考にはしていないですが、まあみんな自分の軸を持ってますね。とにかく個性的なファッションの選手が多い。特にオシャレなのは、前にも言いましたがダンブロージオ選手。負けてられないですよね(笑)」

 

――オフなどで日本に戻る場合、よくいくお店とかありますか?

 

「日本でお店はあまり行かないですが、CINQUE STELLEって、イタリアブランドを扱うお店は好きですね。たまに人に頼んで、欲しいものを買いに行ってもらいます。まあでもイタリアブランドならイタリアで買ったほうが安いですから、向こうで買って持ってきますね(笑)」

 

――では最後に外食について。長友さんが最近よく行かれるレストランがあれば教えてください!

 

「『カーサ・ルチア』というレストランに最近はよく行きますね。余計な調味料を使ってないのがうれしいし、食材もとにかく新鮮。メニューも実に豊富で、僕としては、エビや白トリュフなど、季節に合わせたメニューを出してくれるのが気に入ってます。お店の雰囲気も素敵なので、おしゃれしていくのが楽しいんですよね」

いい消化のために、食べる“タイミング"と“スピード"にも細心の注意を払っているという長友さん
いい消化のために、食べる“タイミング”と“スピード”にも細心の注意を払っているという長友さん

 

いかがでしたでしょうか。日々の激闘の合間のリフレッシュとして、イタリアでの生活を長友さんは自分流で楽しまれていることがわかります。世界を代表するサイドバックの日常を垣間見ることのできる、貴重なインタビューとなりました。

 

Profile

ながともゆうと

Chievo Verona - Inter

インテル所属。DF/MF。背番号55。2010年、2014年とワールドカップに連続出場。瞬間的なスピードと屈強なフィジカルでサイドを制圧する。

長友佑都オフィシャルサイト
http://yuto-nagatomo.com/

 

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