2月9日に開幕した4年に一度の“冬のスポーツの祭典”、冬季オリンピックの平昌大会。今大会はお隣の国、韓国の平昌(ピョンチャン)で開催されているため、ほとんど時差なく楽しめるとあって、テレビの前で手に汗握って観戦している人も多いのではないでしょうか。
前半戦が終わり、日本は連日のメダルラッシュ。2006年のトリノ大会では、フィギュアスケート女子シングルの荒川静香選手が金メダルを獲得したのみにとどまったのとは対照的です。ここで、前半戦のメダリストたちを振り返ってみましょう。
銅メダル
2/12 原大智選手 【フリースタイルスキー】男子モーグル
2/12 高梨沙羅選手 【スキージャンプ】女子ノーマルヒル
2/14 高木美帆選手 【スピードスケート】女子1,000m
銀メダル
2/12 高木美帆選手 【スピードスケート】女子1,500m
2/14 平野歩夢選手 【スノーボード】男子ハーフパイプ
2/14 渡部暁斗選手 【ノルディック複合】個人ノーマルヒル
2/14 小平奈緒選手 【スピードスケート】女子1,000m
メダリストだけでなく入賞者も続出し、日本中が大いに盛り上がる中、とうとう、金メダルに輝いた選手が!
まずはもちろん、フィギュアスケート男子シングルに出場した羽生結弦選手です。怪我から戦線離脱し“ぶっつけ本番”とも表現されるような復帰戦で、ショートプログラムで驚異的な得点「111.68」点を、フリースケーティングで「206.17」点をマークし、合計「317.85」点。金メダルとともに、フィギュアスケートでは66年ぶりとなる連覇を達成しました。
This is the 1000th medal event in #WinterOlympics history! ??? Congratulations to the athletes! #JPN #ESP #Olympics pic.twitter.com/1NckYPWJYR
— Olympics (@Olympics) 2018年2月17日
同種目では、宇野昌磨選手が銀メダル。日本に金銀のワンツーフィニッシュをもたらしました。さらに、日曜日には“短距離の女王”、スピードスケートの小平奈緒選手が、1,000メートルの銀メダルに続いて、本命の500メートルで金メダル! 3回目のオリンピックでようやく、という遅咲きながら圧巻の結果を出しました。
2/17 宇野昌磨選手 【フィギュアスケート】男子シングル
金メダル
2/17 羽生結弦選手 【フィギュアスケート】男子シングル
2/18 小平奈緒選手 【スピードスケート】女子500m
さて、そのメダル。これは、大会ごとにデザインが異なることで知られています。平昌五輪のメダルは、昨年9月に発表されたこちら。
ハングルをモチーフとしており、側面には「平昌冬季五輪2018」をハングルで表記した際の子音部分が刻まれています。それによる凹凸が表面に入り、五輪のエンブレムなどが浮かび上がる形。創意工夫に富み、デザインも洗練されています。その直径は92.5ミリで、重さは493~586グラム。五輪史上もっとも重いのだとか。
果たしてこのメダルを手にする日本人選手は、総勢何人となるのか? 2月25日まで繰り広げられる熱戦に、引き続き注目したいですね!
さて、そんなオリンピック観戦をさらに盛り上げる、“冬季オリンピックウンチク”を『オリンピックのクイズ図鑑』(学研プラス)から一部抜粋してお伝えしましょう。
1. 冬季大会が初めて開催された国はどこ?
第1回冬季大会は、1924年1月25日から2月5日にかけて、フランスのシャモニー・モンブランで開催され、夏季大会から独立した冬の大会となりました。16カ国・地域が参加し4競技16種目が行われた試験的な大会でしたが、この成功によって4年後にスイスで開催された第2回サンモリッツ大会から正式にスタートしました。日本も第2回大会から参加しています。
第16回大会までは、夏季大会と同じ年の冬に開催されていましたが、1994年にノルウェーのリレハンメルで開催した第17回冬季大会から、夏季大会と2年ずらして開催するようになりました。つまり、1992年に夏季バルセロナ大会、同年に冬季アルベールヴィル大会、1994年にリレハンメル大会と、このときに限り約2年間で3回のオリンピックが開催されたことになります。
答え=フランス
2. 夏・冬どちらの大会も開かれたことのない地域は?
オリンピックの五輪マークは、地球の五大陸を表していますが、夏季・冬季両大会を合計した開催国の大州別では、ヨーロッパと北アメリカで多くなっており、アフリカでは一度も経験がありません。ちなみに、2016年にブラジルで開催されたリオデジャネイロ大会は、南アフリカで初めて開催された大会です。
答え=アフリカ
3. これまででもっとも南の冬季大会開催地は?
これまでで一番南にあった冬季オリンピックは、北緯約36度にある長野で開催された、1998年の長野大会です。長野は、海から離れた内陸で、しかも高地にあります。そのため冬の気温が低く積雪も多いので、野外のスキー競技も滞りなく行われました。上の切手に描かれているのは、大会マスコットとしてフクロウをモチーフにデザインされた「スノーレッツ」。なつかしいですね。
ちなみに、これまでもっとも北の開催地は、北緯約61度にあるノルウェーのリレハンメルです。
答え=日本・長野
4. 聖火リレーを行うようになったのはいつから?
聖火は神々から人類へ与えられたものとして、古代オリンピックで重要な役割を果たしてきました。近代オリンピックで聖火が復活したのは、1928年の第9回アムステルダム大会です。1936年のベルリン大会から、オリンピアで点火された聖火を開催競技場まで多くの人でリレーして運ぶ方法が採用されました。最終リレー走者には、その国を象徴する人が選ばれています。
答え=1936年のベルリン大会
5. 日本選手として、冬季大会で初めてメダルを獲得したのは?
1956年にイタリアのコルティナダンペッツォで行われた第7回大会のスキー競技回転種目で、銀メダルを獲得した猪谷千春選手が最初です。日本は冬季大会5回目の参加で、初のメダルとなりました。
ちなみに、日本選手として冬季大会初の金メダリストは、男子ではスキージャンプ70m級(現在のノーマルヒル)の笠谷幸生選手(1972年の第11回札幌大会)、女子ではフリースタイル・スキーモーグルの里谷多英選手(1998年の第18回長野大会)です。
答え=猪谷千春
6. 冬季大会の男子フィギュアスケートのシングル種目で、初の金メダリストは?
前大会、2014年のソチ冬季大会のフィギュアスケートのシングル種目で、19歳で日本男子初の金メダリストとなりました。羽生選手はこの大会で、ショートプログラムでは史上初の100点超えとなる「101.45」点を出しました。
現在、フリースケーティングの「223.20」点、ショートプログラムの「112.72」点、トータルスコアの「330.43」点と、3つの世界最高得点の記録を保持しています。
Yuzuru Hanyu #JPN #FigureSkating @Japan_Olympic @ISU_Figure #PyeongChang2018 #Olympics pic.twitter.com/kHwWfyyr29
— Olympics (@Olympics) February 16, 2018
答え=羽生結弦
いよいよ終盤。まだ熱戦は続きます。引き続き応援しましょう!
夏冬通じたオリンピックの歴史とウンチクが満載!
『オリンピックのクイズ図鑑』(学研プラス)
吹浦忠正監修/918円
文=@Living編集部