自分の素足以上に繊細にタッチできる感覚が楽しい!
では、実際にプレイしてみましょう。まずは、ポールの間を縫ってドリブル&シュートを行う練習から。アウトサイド、インサイドでボールを押し出す感覚が楽しいです! 柔らかいから足のいろいろな部分が使えるし、シューズが適度にボールを噛むので、自分の素足以上に繊細にタッチできる気がします。はぁ、これはいい……。
続いて、スピードガン付きのゴールへシュート練習。パワーがある人はスゴイですね。最高で時速62kmを記録していました。一方、筆者は左右とも最高時速47kmで、両足とも等しく弱い! とはいえ、優秀なスタッドとソールプレートのおかげか、軸足がブレずに地面を噛む感触がありましたし、生地の柔軟性もあいまって、シュートのコントロールは良かったように思います。
切り返したときにグリップとアッパーの性能を思い知る
続いて、攻撃側と守備側に分かれてマッチアップ形式の練習を。このとき、筆者はタテへ行くと見せかけて内へ切り返し、一発でディフェンダーの逆をついてシュートを叩きこむことができました。これぞまさに、ブレないグリップと繊細なアッパーのなせるワザ。うーん、いま思い出しても気持ちいい……。あの記憶だけであと1か月、ごはん3杯はいけそうです。
加えて、タッチの感触も本当にいいですね。トラップのときは、ボールが足先に当たると衝撃を吸収し、同時に軽く弾くのがわかります。音で表すと、「テイン」といった感じで、すぐ蹴れる位置にピタっと止まる……。お世辞抜きで、生涯で経験したなかで最高のサッカーシューズだと思いました。これほどの機能性があれば、ルールで禁じられてもおかしくないのでは? 筆者はメインがフットサルなので使う機会は少ないのでしょうが、…これは欲しい! と思いました(シューズは体験会ののち回収されました)。でも、これだけの機能が詰まっていたら、さぞお値段もお高いんでしょう…?
人数をかき集めてでもサッカーがしたくなるシューズ
…と思ったら、税込2万7000円とのこと。むむ、やはり……。しかし、この価格もある意味納得です。本能が欲してしまうような、とてつもない魅力があるわけですから。たとえるなら、かつおの内蔵を使った塩辛「酒盗(しゅとう)」のような。酒盗は、あまりにお酒に合うので「酒を盗んでまで食べたい」といわれたおつまみ。これと同様、わざわざシューズの感触を楽しむために、苦労して人をかき集めてでもサッカーがしたくなる……。「ナイキ ファントム ヴェノム」は、そんなシューズでした。