“野球の神様”ベーブ・ルースが1927年にメジャーリーグ(MLB)史上初のシーズン60本塁打を放ち、34年後の1961年に同じニューヨーク・ヤンキースのロジャー・マリスが61本塁打を記録。それから21年間破られなかった記録を、またもヤンキースのアーロン・ジャッジが更新した。
その快挙と、打率はわずか5厘差の2位で、本塁打王、打点王との三冠王を逃したジャッジのア・リーグMVPは確実かと思われた。
.@TheJudge44 has ruled.
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そこに割って入ったのがロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平だ。8月に10勝目を挙げ、ルース以来史上2人目の「シーズン2桁勝利&2桁本塁打」を達成すると、さらに9月にはルースの「13勝&11本塁打」を更新する14勝目をマーク。
さらに、レギュラーシーズン最終戦ではMLB史上初の「投打でのダブル規定」を達成。2年連続MVP受賞に向け、ジャッジとの“一騎打ち”が勃発した。
Shohei Ohtani had two great seasons in one year. ? pic.twitter.com/8duFaESlIy
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気になるMVPの行方だが、答えはすでに出ている。MVPの選出は、全米野球記者協会(BBWAA)の会員30人の投票で決定するが、その投票はすでに締め切られている。
Opening Week is here!
Is the 2022 AL MVP on this graphic? pic.twitter.com/MMk3ZJeLPm
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公平を期すため、現在行われているポストシーズンの成績は反映されない。あくまでもレギュラーシーズンの活躍を判断するもので、今さら「大谷だ!」「ジャッジだ!」と議論しても、その答えはすでに決定している。ならば、その“ジャッジ”を早く知りたいと思うのだが、メジャーリーグは現在プレーオフの真っただ中、ワールドシリーズで世界一が決定するまでは教えてくれない。
昨年、ブレーブスが26年ぶり4度目のワールドシリーズ優勝を決めたのが日本時間の11月3日。その後、9日に新人王、最優秀監督賞、サイ・ヤング賞、MVPの候補が発表され、2週間後の16日に新人王を発表。MVPは20日に発表された。今年のワールドシリーズは、早くて11月4日、7戦までもつれ込めば6日には終了する。そのため、気になるMVPの発表は20日頃が予想されるので、議論はもうやめて結果発表を待とう。
ちなみに、ジャッジと大谷の“同時受賞”の声も聞かれるが、実はそんな偶然が1度だけ実現している。1979年のナ・リーグでは打率.344で首位打者となったキース・ヘルナンデス(カージナルス)と、打率.281、32本塁打、82打点のウィリー・スタージェル(パイレーツ)が、獲得票がそれぞれ奇跡的に216ポイントで並び、史上唯一ダブル受賞となった。