【ド腐れ文具野郎・古川 耕の文房具でモテるための100の方法】
No.072
ミドリ「連用日記 扉」
3240円(3年連用、5年連用)、4320円(10年連用)
異なる年の同じ日を振り返りながら記入できる、複数年通して使う日記。月の頭のページには「新しい月の扉を開く」のにふさわしい、様々な扉の絵柄がデザインされている。また、布張りの表紙は高級感のあるデザインだ。保管用の箱にはアクセントとして箔押しで扉や鍵のモチーフがあしらわれている。
日記の醍醐味が詰まった「連用日記」で過去を慈しみつつモテる
日記の醍醐味は、その習慣が「2周目」、つまり2年目に入ってからわかります。それまでポツポツと書き連ねてきた〝点〟が、2サイクル目に入ると突如、1年という長く大きな〝線〟となって目の前に立ち上がってくるのです。日記を読み直すと、季節ごとの心身のバイオリズムや仕事のサイクル、また、忘れていたできごとに思いがけず「再会」したりして、忘れ過ぎ去った過去がたしかにここにあると、ときにとても大きな心の拠りどころとなってくれます。
そう考えると、「2周目」の楽しさを存分に味わえる連用日記が、根強い人気を持っているのもよくわかります。「過去の今日」を常に参照できる連用日記は、まさに日記の真髄そのものと言えるのです。
ミドリから出ている連用日記シリーズは造本も素晴らしく、時間と共に増す愛着を正面から受け止めてくれるディテールに溢れています。また同社が提供している「日記のもくじ」というアプリは、一日のできごとを簡単にメモしたり、毎日決まった時間に「日記を書く時間ですよ」とスマホ画面で教えてくれたりします。デジタルがアナログの後押しをする、少し変わった共同関係。こういう進化もあるんですね。
ミドリ
日記のもくじ 無料(iOS 端末向け)
日記を書くきっかけとなるキーワードをメモしておけるアプリ。「連用日記 扉」をイメージしたデザインになっている。書き忘れを防ぐアラートも搭載。https://itunes.apple.com/jp/app/%E6%97%A5%E8%A8%98%E3%81%AE%E3%82%82%E3%81%8F%E3%81%98/id1183692012?mt=8
【プロフィール】
古川 耕
放送作家/ライター。TBSラジオ「ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル」などを担当。
雑誌「GetNavi」で連載中