いま書き進めている書籍の校正紙(出版前のチェック用プリントアウト)が届いた。それでは、とエアコンの効いた喫茶店で腰を据えて100ページほどの紙をめくったり戻ったりしながら誤字のチェックしていたのだが、開始10分ほどでもう放り出したくなった。
校正作業に飽きたとかそういうことではない。単に指から水分が抜けてカサカサになり、紙がめくりにくくなったのだ。次のページをめくろうとして、指がカサッと紙を上滑りするのだが、これがなかなかに集中力を削いでくる。外に出るとじめっと湿度が高いのに、最近の高性能エアコンと加齢による皮膚乾燥のダブルコンボで、指先の水分はあっという間に枯れ尽きてしまう。
最近は6月から8月を決算期にしている企業も増え、意外とこの時期は大量の書類仕事に追われがち。筆者と同じように、エアコンの効いたオフィスでカサカサの指先と書類束をかかえて途方に暮れる同輩も多いことだろう。でも、大丈夫。文房具屋を探せば、紙が簡単にめくれる文房具がいくらでもあるのだ。
男でも使いやすい指サック「メクリン」
コクヨ
メクリン(5個入り)
194円
紙めくりといえば、まずは指サックがベーシックな解決法だろう。ただ、最近定番となっているシリコンゴム製の指サックは花がついてたりリボン型だったり、女子向けのかわいいものばかり。なんということだ。指がカッサカサのおっさんは指サックをするなというのか。
そこでありがたいのが、コクヨの指サック「メクリン」。蒸れ防止の穴があいたシンプルなリング型のシリコン指サックで、これといった装飾もなし。これなら、おっさんでもなんの気兼ねもなく装着できるはずだ。また、色もパステルだビタミンだといった明るい女子カラーじゃなく、ネイビーと透明の2色。社外に出る機会のある人は、ネイビーをおすすめする。透明だと、指に着けたままうっかり外に出ても、なかなか気付かないからだ(筆者の実体験)。
もちろん紙めくり効果は絶大で、書類をどれだけいじり倒しても、紙をめくり損ねてイラッとすることはなくなるはずだ。
あと、指サックを選び慣れていない男性に知っておいてほしい豆知識だが、最近の指サックはどのメーカーもパッケージをぶらさげる穴が、対応する指の直径になっている。「この指サックでサイズ合ってるかな?」と思った時は、パッケージの穴に指をつっこんでみよう。
指に貼るタイプの指サック「ペタリット 指テープ」
べロス
ペタリット 指テープ(30片入り)
324円
指に指サックを挿すのが嫌い、という人はわりといる。ゴムの締めつけ感が駄目だったり、蒸れるのが嫌い(最近は通気性の良いサックも多いけども)だったりと理由はいろいろだが、その感覚はわからなくもない。そういった人向けには、貼るタイプの指サック……ではなく滑り止めシートというものがある。人差し指や親指の腹にシールのようにペタッと貼り付けて使うものだ。
メリットとしては、圧迫感と蒸れ無しでも、ちゃんと指サックを着けたようにサクサクと紙がめくれる。また、指サックと違って電卓やキーボードのタイピングがしやすいのもありがたい。さらに「ペタリット指テープ」はタッチ液晶の操作にも対応した素材。貼ったままスマホやタブレットを使うことができるのは、非常に便利だ。
難点として、しばらく貼り続けていると、どうしても粘着がゆるくなってきてしまうのは避けられない。この状態での使用はわりと不快なので、ゆるくなってきたら早めに貼り替えよう。
もうひとつ、女子仕様ということで、テープ形状のラインナップが花とハートという二択なのも男性にとってはキツいところ。指の腹を人に見られることはあまり無いかもしれないが、いざ露見した時に気恥ずかしく感じる人もいるだろう。
貼るのが駄目なら「メクール」を塗ってみよう
PLUS
メクールさらさら
291円
かわいい花型を貼るのはちょっと……というなら、クリームタイプの塗る紙めくりというものがある。「メクール」はケースに入った固形クリームで、使う際にはまず人差し指の腹につけてから、親指と擦り合わせるようにしてしっかり伸ばせばOK。あとは普通に紙をめくるだけだ。
指サックを着けた時のように紙への確実な食い付きが得られるわけではないが、普通にめくり始めたばかりの指先のしっとりがしばらく続くといった感じだ。
一度塗り広げてしまえば、指には違和感ほぼゼロ。無香料で匂いもしないので、ハンドクリームが苦手という人でも使えるだろう。
ペンに装着する紙めくり「ペンデメクルン」
創信工業
ペンデメクルン(6個入り)
380円
筆者のように校正作業など、書類束とペンをセットで使う場合にオススメなのが、ペンに装着する紙めくり「ペンデメクルン」である。パッケージには、それぞれ形の違う6個のエラストマー製パーツが入っている。この中から、自分が使いやすい形状のものを自分のペンにくっつけて使用するのだ。
ペン軸の後端に挿し込むものやクリップに着けるもの、ペン先端に装着するものなどがあるので、自分の好みや普段使っているペンの形(クリップの有無や軸の太さで着かないものもある)にあわせてチョイスしよう。
装着したら、あとは紙の端をペンデメクルンでこすってスライドさせれば、イイ感じに紙をめくることができる。書類をめくってはペンでチェックをいれて、まためくって……という繰り返し作業だと、紙をめくる時にいちいちペンを持ち替えることになる。しかしペンデメクルンを装着したペンなら、無駄な動作をなくしてシームレスに作業ができるのだ。これはものすごくスマート。
また、特別なペンを使うのではなく、いつものペンに機能を増設できるというのもすばらしい。紙は指でめくるものと考えていると感覚が狂うが、慣れればペンでめくる方が失敗もなく快適で、指もカサカサにならない。
ただ、自分が使うパーツをこれと決めたら残りの5種類のパーツは使わなくなる。できれば、6個アソートではなく、同タイプ6個入りを発売してくれるとありがたいのだが。ひとまず、余りパーツは周りの人に「便利なものあげようか」とドヤ顔でプレゼントしてみよう。
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