文房具
2020/8/11 19:00

スタメン文房具がすぐ見つかる! コクヨのツールペンケース「Piiip(ピープ)」は二層構造が技アリ

“文房具好きの人”と一概に括られるが、そのハマり度合いというか、どれくらい“沼に足が沈んでいるか”のレベルで、取る行動は違ってくる。

 

まず、“つま先がちょっと文具沼に浸っている”レベルは、文房具比較期。周囲の人が使っている文房具が気になり、自分の使ってるものと比べてどうか? というのが気になり出す頃合いだ。「あれ? そんな古いの使ってんの? ダメだよそれじゃー」みたいなことを言い出すのは、この頃。

 

それが、“ヒザ辺りまで浸かっている”レベルになると、自分のチョイスにも自信がついて、周囲に「自分、こういうの使ってるんですよー」とアピールしたくなる。聞かれてもいないのにオススメ文房具の話をしはじめるのも、ヒザ期の特徴だ。

 

さらに“胸くらいまで沈んでズブズブ”レベルになると、「まぁ人それぞれで使いやすさって違うからね」と落ち着いたふうになるが、安心しちゃいけない。このレベルの人に「オススメのボールペン教えて?」なんて気安く聞いてしまったら最後、「じゃあ、まず書き味の好みと、主な用途別で説明しようか」と軽く数時間コースの面倒な話になりがちだ。

 

つまり、文房具好きという人種が一概に面倒くさいのは、間違いない。なかでも、ヒザ期の人たちは、とにかく自分の文房具チョイスを見せたがる。しかもただ見せたいんじゃなくて、自分のチョイスがいかに考え選び抜かれたものか、その厳選された文房具がどうスゴいのか、といった話がしたくて仕方がないのだ。(あー、すっごい分かるー!)

 

手持ちの文房具アピールに最適! 見せびらかしペンケース「ピープ」

とはいえ、文房具を見せびらかすには、いちいちペンケースを開いて中から取り出す必要がある。でも、それは面倒くさいし、なにより取り出している間に相手が「あっ、面倒くさくなりそう!」と警戒して逃げてしまうかもしれない。

 

だから、効率的にワナを仕掛けようではないか。そう、ついつい「へー、この文房具、なに?」と獲物が自ら聞いてしまいたくなるような、甘美なワナを。

コクヨ
ツールペンケース<ピープ>
1500円(税別)

 

必要になるのは、コクヨから発売されたペンケース「Piiip(ピープ)」。コレ、まさに自分の文房具をアピールするために作られたような、ディスプレイ用のワナ系ペンケースなのである。

 

最大のポイントは、透明なアウターケースと、不透明のインナーケースの二層構造だ。

↑透明アウターとインナーは分離可能。見せる用と普段使い用に機能がきちんと分かれている

 

これまでにも、収納した文房具が外から丸見え状態の、シースルータイプのペンケースは存在した。しかし、そこにごっちゃりと詰め込んでいると、外から見ても何があるのか分かりづらい。

 

そこで重要になるのが、いわゆる“選択と集中”ってやつ。「ピープ」は、見せたいメインの文房具を透明アウター側に、そうじゃないものはインナー側に収納。見せる文房具と見せない文房具を分けることで、より確度のあるアピールが可能!という仕組みである。

↑アウターに、厳選した“見せ文房具”をセットした状態。これは確実に目立つ

 

↑こらちは他メーカー製の透明ペンケース。中身が全部見えて楽しいが、特定の文房具に注目させるのは難しい

 

透明アウターは内側の表裏にそれぞれポケットを備えており、ここに見せたい文房具を収納する。インナーの生地が単色の背景になることで、文房具が浮き出て、はっきり目立たせることができる、というわけ。

 

ポケット内に方眼調の装飾があることで、それとなく中身に視線が集まりやすいようになっているのも、小憎い仕様だ。

↑マグネットホックを開ければサッと手が届くので、見せたい文房具が使いやすい

 

また、アウター自体は2点のマグネットホックで開閉できるようになっており、中へのアクセスは容易。見せたい≒メインのレギュラー文房具を、すぐに出し入れできるようになっている。見えづらいペンケースの中を指でごそごそかき回して、ペンなどをつまみ出す手間が要らないのは便利だ。

 

インナーも、もちろん単にサブ文房具を詰め込んでおくだけの袋ではない。外側に2つポケット、内側にも2つのメッシュポケットを備え、付箋や消しゴム、替えのペンリフィルといった、中で紛れてしまいがちな小物をきちんと整理収納しておくことが可能だ。

↑一方のインナー側はポケットが豊富で、整理収納しやすい構造

 

この辺りはさすが、機能性ペンケースを作り慣れたメーカーだけあって、分かってるなー、という感じ。また、インナー自体はスナップホックで開閉するので、持ち運び中に中身がアウター側に飛び出す心配はほとんどせずに済みそうだ。

 

ともあれ、実用性はきちんと担保しつつ、「文房具を見せびらかしたい」という欲求を製品の形に落とし込むという発想は、かなりユニーク。文房具ファンならば、まず使ってみたい気にさせられるんじゃないだろうか。

 

もしかしたら、見せようと狙った文房具じゃなくて「このペンケース、なに?」と聞かれるかもしれないが、それならそれで「これ、文房具を見せびらかす用のペンケースなんですよ」とアピールすればいいだけ。結果的にワナとしては成立するんだから、どう転んだって文房具好きには、おいしいペンケースなのだ。

 

 

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