家やコワーキングスペースなど、オフィスから離れて仕事する「テレワーク」が増えています。とくに家では、仕事専用の机を持たず、リビングのテーブルで仕事をしているという人は多いのではないでしょうか。また、専用机を用意できたとしても、オフィスのように大きな机を置くというのはなかなか難しいものです。
そういった制限のある環境で効率的に、快適に仕事をするにはどうしたらいいのでしょうか?
アイテム情報誌「GetNavi」編集部で文房具カテゴリーを担当し、最新のワークツール事情に詳しい鈴木翔子さんに話を聞きました。
「狭いスペースで仕事をするときに、ぜひ活用していただきたいのが“自立する”アイテムです。例えばペンケース。普通のペンケースとして持ち運び、机の上ではペン立てのように立てて使えるというものです。寝かせておくよりも圧倒的に省スペース化を図れるというわけなんです。
実は、文房具業界では在宅ワークの普及よりも前から、“立つペンケースブーム”は起きていて、さまざまな商品が登場していました。そしてテレワークが進み、カフェなどの小さな机で仕事をする人が増えたり、在宅ワークが浸透したりしたことで“デスクが狭い問題”がさらに顕在化したからか、“立つ”ブームは他の商品ジャンルにも波及しました。昨年あたりから“立つ書類ファイル”に“立つツールポーチ”……と、狭い机の上でも使いやすいアイテムが多ジャンルで登場しています」(GetNavi編集部・鈴木翔子さん、以下同)
落ち着くどころか、さらなる広がりを見せているという“立つ”アイテム。ここからは、「自立する」をキーワードに、鈴木さんおすすめのリビングワーク快適化アイテムを紹介します。
立てられるファイルで書類の閲覧性もアップ!
「書類を立てるスタンドが付いたファイルは、省スペース化を図れるだけでなく、書見台としても機能し、作業効率を挙げられるのが魅力。書類を見ながらのPC入力作業もぐんとはかどりますよ」
キングジム「『ジリッツ』クリアーファイル」
660円(税込・10ポケット)、935円(税込・20ポケット)
背に内蔵されたパーツが3ステップでスタンドになり、自立。片付けるときは、通常の書類ファイルのように閉じるだけと簡単です。
「書類入れ部分はポケット式になっています。開いた状態で立てられるので、一度に2枚分の書類を閲覧できるのがポイント。もちろんスタンドを出さなければ、普通のファイルとして使えますよ」
リヒトラブ「クリップボード<スタンド付>」
726円(税込)
「書類を2枚並べるスペースがないという方には、スタンドが付いたクリップボードがオススメ。縦置きだけでなく、横置きにも対応します。クリップが透明になっているので、書類の文字が隠れないのもうれしいですね」
収納ポーチは片付けのしやすさも要チェック!
「リビングのテーブルを食卓兼・仕事机として活用している場合、仕事道具の出しっぱなしは避けたいところ。とはいえ、細々したアイテムが多いと片付けるのは意外と面倒ですよね。ガジェットポーチを選ぶときは収容量だけでなく、仕事道具の設置・撤収の手間を減らせるかどうかもチェックしましょう」
カウネット「テレワークノートPCカバー」
3280円(税込・シンプルタイプ)、3980円(税込・スタンドタイプ)
ワークツールをポケットに収納したまま、PCを開閉できるPCカバー。PCを開くだけですぐに仕事に取り掛かれ、就業後はPCを閉じるだけで撤収ができます。
「ポケット部分は伸縮性のある素材なので、中に入れたものがちゃんとホールドされ、収納ツールとしての実用性も◎。本品の自立ポイントは、机との設置面。折り畳み式のスタンドが付いているんです。PC作業をするときの目線が上がり、疲れにくくなりますよ(スタンドタイプのみ)」
コクヨ「THIRS FIELD STAND TOOL POUCH」
4400円(税込)
「ノートPC以外を入れるポーチを探している方に使っていただきたいのがコチラ。サイドにあるベルトを留めると自立するので、PCの横に立てておくと便利です。口が大きく開くので中身の出し入れがしやすく、開いた口はスマホスタンドにもなりますよ」
キングジム「SPOT『ツールスタンド』」
3718円(税込・デスクタイプ)、4378円(税込・フロアタイプ)
「部屋の雰囲気を崩さずにワークツールを収納したいならコレ。インテリアのような見た目で部屋に馴染みますよ。両サイドに大小さまざまなポケットを備え、ノートPCや書類ファイルなど大きめのアイテムから小物まで分類して収納できます。何より便利なのがマチの内側にもモノが入ること。ヘッドホンや箱ティッシュなど、厚みのあるアイテムの収納に最適です」
オフィスに行く機会が多い人は通勤バッグをワークツール入れに
「オフィスに通勤することが多い方は、通勤用バッグをワークツールの収納バッグにしてしまうというのも手。ものを増やさなくて済みますし、仕事道具を一式入れておけばオフィスに行くときの忘れ物も防げます」
コクヨ「THIRS FIELD STAND BACKPACK」
1万8150円(税込・13.3インチモデル)、2万900円(税込・15.6インチモデル)
満員電車に乗るときに邪魔になりにくいスリムなバックパック。荷室の下部がスタンドになるため、マチが小さいにもかかわらず立てて置くことができます。
「メインの収納スペースは、上下の2段構造。小さなアイテムがバッグの底に入って見つからない……ということが起きません。小物が多いときも荷室を隙間なく活用できるので、スリムな割にたっぷり収納できて使いやすい!」
立つペンケースの新モデルはスマホも立てられる
「オンライン会議の普及でスマホを立てるシーンが増えたため、最新の立つペンケースは、スマホスタンド機能付きがトレンド。立つことでペンケース置き場を節約できるだけでなく、スマホスタンド置き場まで節約でき、省スペース化の強い味方です。在宅ワークの導入でスマホから電話をする機会が増えた人にもオススメ。PCの横に立てれば通知に気づきやすくなりますよ」
クツワ「エアピタ」
1694円(税込 ※3月に発売された写真下段の新色は1815円)
机と接する面に強力な吸盤を備え、置くだけでピタッと倒れなくなるペンケース。外すときは本体の下の方にある「PUSH」部分を押すだけです。
「開いた口の部分がスマホスタンドに変身。スマホは縦横どちらの向きでも置くことができます。シリコーン素材で汚れたときに水洗いできるところも、このご時世にピッタリ!」
小型のホワイトボードがあればオンライン会議もスムーズ
「オフィスには当たり前のようにあったホワイトボード。自宅にもあるという方はあまりいないでしょう。そこでオススメなのが小型のホワイトボードです。顔の横に掲げてカメラに映り込ませることができるので、オンライン会議のときに大活躍! もちろんメモ書きにも使えます」
学研ステイフル「Write White」
880円(税込/B6)1320円(税込/B5)
「両面使える4枚のホワイトボードがリングノートのように綴じられています。B6タイプは表紙のリングが付いていない側の長辺に滑り止めが付いているので、卓上カレンダーのように机に立てて置けます」
「各ページの間に綴じ込まれた透明のシートが、筆記面の擦れを防止。透明シート自体も書き込めるので、例えばホワイトボードページに日課となるTo Doを書き込んで、チェックマークは透明シートに書き込むという使い方ができます。チェックマークだけを消せるので、TO Doを書き直す手間もありません」
ここまで“自立する”をテーマに商品を紹介していただきましたが、それ以外にも在宅ワークを快適にする技ありグッズはいろいろあるそう。次のページでは、鈴木さんがオススメするリビングでの在宅ワークお助けアイテムをまとめて紹介します。