在宅ワーク中の皆さんは今、どのような場所で作業をしているだろうか? 昨年から、いろいろな人に話を聞いているが、「専用のデスクにPCを置いて、ワークチェアに座った状態」で仕事をしているケースは、意外なほど少ない。
「食卓兼用のダイニングテーブルにダイニングチェアで」……なんていうのはなかでも快適な方で、「ローテーブル+床に直座り」や、「ベッドに座ってPCは膝の上」という状態もけっこう普通。
さらに問題なのが、家庭内に複数の在宅ワーカーがいる場合。夫婦ともに家仕事なんてことになれば、当然ながら必要な作業スペースは倍増である。果ては場所の取り合いで家庭内紛争なんて事態も聞くに至って、「家の中に仕事する場所がない」というのは、昨今なかなか切実な問題なのである。
かといって、面積の狭いところにデスクとチェアをセットで追加導入する、なんて無理筋もいいところ。それならせめて、デスクだけでもなんとかならないものだろうか?
「広々ひざ上デスク」ならその問題、解決できるかも?
座った状態で膝の上にPCを乗せて仕事する場合、困るのは「他に何も乗せられない」ことだ。書類を置いたり、マウスを動かしたりする場所もないわけだから、非効率も甚だしい。
ならば、ひとまず「デスクそのものを膝に乗せちゃう」のが、解決策としては手っ取り早いのではないだろうか?
ソニック
ユートリム 広々ひざ上デスク 裏面クッション&アームレスト付
3500円(税込)
まさにそういった用途で作られたのが、ソニックの「ユートリム 広々ひざ上デスク 裏面クッション&アームレスト付」(以下、広々ひざ上デスク)である。ざっくり言えば、単なる“板”なのだが、少しでも仕事が快適にできるよう工夫され作られているのだ。
まず重要なのが、作業ができる面積。天板サイズは約548×356mmとそこそこ広めで、13インチノートPC+A4書類を並べて置ける。これくらいの広さがあれば、マウスを動かすスペースだって充分に確保できるだろう。
手元側には、天板が傾いた際にPCがすべり落ちないように、ストッパーが付いている。しかも、このストッパーはクッション素材なので、アームレストも兼用しているのだ。この手の膝上デスクは他メーカーからもあれこれ発売されているが、アームレスト付きは比較的レア。作業中、加熱したPCから手首をちょっと離して休ませられるのは、地味にありがたい。
端にあるスリットは、筆記具を置いておけるペントレー。膝上デスクは基本的に傾斜ゼロ状態で使われることがないので、ペンが転がり落ちないようにできる置き場がないと、使いにくいのだ。
さらに、内側に付属の滑り止めシートを貼れば、スマホやタブレット(最大13.5インチサイズまで対応)を立てるスタンドとしても機能する。スマホも膝上デスクに平置きするとすべり落ちやすいので、こういった場所に固定しておいた方が使いやすい。
本体裏面にはクッションが全面に張られているのだが、このクッションが、かたさ・厚みともになかなか“ちょうどいい”感じ。あまりフカフカしすぎていると机が不安定だし、かたすぎると長時間作業の際に膝が痛くなる。個人的には、「広々ひざ上デスク」のクッションがベストに近いバランスだと思う。
クッション厚は、ノートPCと自分の距離にダイレクトに影響する部分だが、これも腕が窮屈にならず動かせて、かつ目から遠すぎない。ほどよい印象だ。
使うコツとしては、デスク面と自分を近づけすぎないこと。先にも述べた通り、近すぎると腕が窮屈になって、肩こりの危険性が高くなるし。疲労しにくい姿勢で作業するには、とにかくデスクを抱え込まないように意識すると良いだろう。
また、猫背にならないよう、背もたれ付きの座椅子に深く腰掛けておくのもいい。その上で腕を縮こまらせないような距離を保てば、リラックスして作業ができるはずだ。
あくまでも机がない場合の次善策ではあるが、こういったツールを使うことで、場所なし在宅ワークがかなり快適になるのは間違いない。
「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
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