文房具
2021/6/29 19:00

開梱から個人情報保護までこれ1つ!新「ローラーケシポン」は段ボールの解体にも力を発揮した

筆者は普段、生鮮食品以外の物品購入のほとんどを、通販に頼った生活をしている。仕事柄メーカーにお願いした製品レビュー用のサンプルも届くし、フリマアプリで購入したあれこれも届く。エブリデイ、荷物が届く。ここまででなくとも、昨今は誰もが、以前より宅配で荷物が届く頻度が多くなっているのではないだろうか。

 

そうなると意外と面倒なのが、届いた荷物に貼られている宛名ラベルの処理である。ラベルを剥がさないままで段ボールを資源ゴミに出すのは、個人情報漏洩につながるなどいろいろと怖い。ところがアレ、カリカリちまちまと爪でひっかいて剥がすのは面倒くさいし、思ったように剥がれてもくれないのだ。

 

であれば、我々にとって必要なのは、宛名ラベルの「ここから剥がれます」という親切めかしたウソ(だいたい剥がれない)なんかじゃない。コロコロッと簡単に個人情報を消せる、真に親切なスタンプではないだろうか。

 

コロコロッと手早く個人情報を保護できる「ローラーケシポン」に新作登場

通販を多用している経験上、あの宛名ラベルをきちんと剥がすのは労力の無駄、ということは分かっている。だから筆者は、ローラータイプの情報保護スタンプを宛名の上から捺すことにしている。ラベルは剥がして廃棄するのではなく、貼ったままで読み取れなくしてしまうのが、一番ラクなのだ。

 

で、その個人情報保護スタンプの最新アイテムとしてこの6月に発売されたのが、プラス「ローラーケシポン 箱用オープナー」だ。

プラス
ローラーケシポン 箱用オープナー
1000円(税

 

新製品を紹介する前に、「個人情報保護スタンプ」の説明をしておこう。

 

宛名ラベルや郵便物などに印刷された内容は、例えば油性マーカーなどで黒く塗り潰しても、意外と読み取れてしまう。ところが、上から特殊な文字パターンを捺印すると、あら不思議。これだけで非常に読み取りづらくなってしまうのである(頑張れば読めてしまう可能性もあるが、個人情報抜き取りに対する抑止力としては充分)。

 

この文字パターンは、メーカー各社でいろいろと工夫があるところだが、特にプラスの文字パターンは認識阻害効果が大きく、優秀だと感じる。さらに、宛名の長さに合わせてローラーを転がし捺印できるローラータイプの「ローラーケシポン」シリーズは汎用性が高く、実用的だ。

↑宛名ラベルの隠したいところに転がすだけで、もう簡単には読み取れない

 

ただ、感熱紙やコート紙ラベルに使うとインクの乾燥が遅くなるため、しばらく放置しても、こするとスレ汚れが発生したり、文字パターンが崩れて宛名が再び読めるようになったりする。これはちょっと残念なポイントだった。

 

ところが新しい「ローラーケシポン 箱用オープナー」は、新開発のインクを採用。従来苦手としていた“インクをはじきがちな紙”にも、確実に捺印できるようになっているのだ。個人からの発送でもないかぎり、最近は感熱タイプの宛名ラベルがほとんど。それにきちんと対応してくれたわけだから、これはまさに“待望していたヤツ”と言える。

↑感熱紙ラベルの場合、従来インク(右)はそもそも乗り切らずに薄いし、こするとスレが発生。一方の新インク(左)は確実に隠蔽力を発揮している

 

使う際は、キャップを30度ほど回して外し、露出したローラー面を消したい部分に乗せてコロコロと転がすだけとシンプルだ。ちなみにローラー幅は26mm。だいたいの宛名面は、1回コロコロするだけでカバーできる。

↑使う時は、底部のキャップを軽くひねって外す。簡単なのだが、キャップレスのほうが嬉しかったな……

 

気になったのは、キャップの部分だ。従来のローラーケシポンシリーズは、ボタンを押すだけでキャップが開いてローラーが出てくるノック式(戻すのもワンノック)だったので、ローラーケシポン 箱用オープナーでは、わざわざキャップを着け外しする手間が増えてしまった。

 

とはいえ、ノック式じゃなくなったのは、次の項で述べる新ツールの搭載が要因なので、一概に悪いとは言い難いのだけれど。

 

開梱と情報保護は、同時に片付くと手間がない

その新ツールというのは、名前に「箱用オープナー」とある通り、開梱用のオープナーのこと。持ち手から金属製のつまみを掴んで引き上げると、折りたたみナイフのようにオープナーが出てくるので、これを段ボールの合わせ目に入れて開梱するという仕組みだ。

↑本体上部に内蔵された金属製のオープナー。刃長は約25mmと、オープナーとしてはかなり大きめ

 

荷物が届いたら、まず宛名ラベルをコロコロッと消し、それから“段ボールノコ”のようなギザ刃のオープナーを段ボールの合わせ目に突き刺して開梱。

 

この手順で済ませてしまえば、あとでゴミを出す際にモタモタしなくても済むというわけ。その点、オープナーと情報保護スタンプのセットという組み合わせは、なかなか理にかなっている。

↑届いた荷物は、まず最初にコロコロッとして個人情報を隠す

 

↑で、サクサクと開梱。セットで行えば面倒くささは感じない

 

ただ個人的には、このオープナー部はちょっと鋭すぎるようにも感じた。段ボールノコのような刃は、割と簡単に段ボールに切り込んでしまうので、梱包テープだけを切るのは意外と難しいのだ。

 

一方で、まさにノコのように使ってダンボールの解体もできるというのは、逆にありがたいという捉え方もできる。大きめの箱をバラしてゴミに出しやすくまとめると、やっぱりラクなのだ。

↑刃の収納は、上部のロックを押し込みつつ戻す。もしネバネバした粘着が刃に残っていたら、この時点で拭いておくこと

 

あとひとつ、ギザ刃にテープの粘着成分が残りやすいというのも、やや残念だった。これはできれば、フッ素コートのような非粘着仕様にして欲しかったところである。

 

とはいえ現時点では、開梱と情報保護が同時にできるというのはかなり便利。現時点でどちらのツールも持っていないのであれば、これ1個買ってしまえば済むのだから。

 

 

「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
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