サクン! とした切れ味が気持ちいい「マスキングテープカッター」
一方、2020年11月に発売され、文房具総選挙2021にもノミネートされたLIHIT LAB.「マスキングテープカッター」は、色合いやデザインともにかなりファンシー寄り。こちらはいかにもマステ用といった雰囲気のツールだ。
LIHIT LAB.(リヒトラブ)
マスキングテープカッター
363円(税込)
セットしたテープを引き出したら、本体をグッと握る。すると先端の大きなギザ刃がテープを噛みちぎるようにしてカット……と文章で表現すると、なかなか非ファンシーな野蛮さである。
しかし、実はこの“噛みちぎる”カットの手応えが「マスキングテープカッター」最大のポイントと言える。
刃がプラ製ということもあって、さほど切れ味が鋭いわけではない。ところが、テープに食い込んで切れる際に手に伝わる「サクン」という感触が、とても気持ちいいのだ。
このサクン感を「かわいい手応え」と表現する人もいるが、なるほど、なんか納得できるかもしれない。これを味わうために、ついつい意味なく何度もテープを切ってしまうぐらい楽しいのである。
開発時には、金属製のスパッと鋭く切れる刃を搭載する案もあったはず。そこをあえて、切る手応えを強く感じられる、失礼ながらナマクラ(刃物の切れ味が鈍いさま)なプラ刃をチョイスしているわけで、その考え方はなかなかユニークだ。
また、切れ味がナマクラなことで、テープの切り口がギザギザと大きく乱れるのも、味わいとしてアリ。マステでデコレーションをする場合、切り口が鋭くフラットなよりも、いかにもテープっぽい風合いのギザギザな方が好まれるケースもあるのだ。
同じ長さのテープがスパッと切れるシステマチックなカッターと、サクン感が気持ちよくギザギザに切れる感覚派カッター。どちらが優れているというわけではなくて、どちらも好きに選べるのが素晴らしい。マステ消費ツールもいい感じに成熟してきたなぁ、と感じる次第である。
「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
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