さすがに「キャンパスノート」を知らない、という人はいないと思う。総合文具メーカーのコクヨから発売されている日本で最もメジャーなノートで、その年間生産数は1億冊! 間違いなく、文房具業界のレジェンドブランドのひとつだ。
このキャンパスブランドが、最近ちょっと面白い展開をしているように見える。例えば、2019年に発売された「キャンパス まとめがはかどるノートふせん」は、ノートの1ページにあと数行だけ書き足したい、といった際にページ端に貼って紙面を拡張できる、特殊な用途の付箋だ。キャンパスノートと同じ用紙に同じ罫線が印刷されているため、貼った際の違和感が非常に少ない、というのがポイント。要するに、キャンパスノートに使う専用ツール、と言える。
つまり「ユーザーがキャンパスノートを選ぶ理由」として、こういった専用ツールを作ったわけだ。もちろん、そもそもノート国内トップシェアという立ち位置があっての話ではあろうが、それにしても野心的なやり方だと思う。
今度は、キャンパスノートに特化した専用修正テープが登場
そして、そんなキャンパスノート専用ツールとして次に登場したのが、修正テープである。コクヨ「キャンパス ノートのための修正テープ」という名前からもはっきり分かる通り、まさにキャンパスノートのために作られたツールなのだ。
コクヨ
キャンパス
ノートのための修正テープ 5.5mm・6.5mm幅
6m:220円/10m:270円(ともに税別)
何がどうキャンパスノート専用か? というと、最大のポイントはやはり、キャンパスノートの紙色に合わせたテープ色だろう。これは貼り比べてみると一目瞭然で、一般的な修正テープはノート用紙に貼ると白すぎるのだ。そのため、修正した箇所がパキッと浮き出すように見えて、目立ってしまう。
対して「キャンパスノートのための修正テープ」は、ほんのわずかに青みがかったグレー色のテープ。これがキャンパスノートに貼られると、なるほど、違和感はかなり少ないようだ。見る角度や光の当たり方によっては、ややテープ色が暗すぎるように見えることもあるが、それでも白浮きするよりははるかに目立ちにくい。
ラインナップは、テープ幅で6.5mmと5.5mmの2種(テープ長もそれぞれ6mと10mがあるので、正確には4種)を用意している。
修正テープを使い慣れている人であれば、このテープ幅に対しても「ん? なんか微妙に見慣れない数字だな」と感じるかもしれない。一般的な修正テープの幅は4mmや6mmといった整数であり、0.5という小数点以下の数字は存在しなかったからだ。
ではなぜ「キャンパスノートのための修正テープ」が6.5mmや5.5mmなのかというと、それはキャンパスノートの罫線幅が7mm(A罫)と6mm(B罫)だからである。
例えば6mm罫に対して5mm幅の修正テープを使うと、中央に貼っても上下に0.5mmずつの余白が出る計算になる。結果、修正しきれなかったはみ出しが発生してしまうわけだ。かといって6mm幅テープを使うと罫線まで消えてしまう可能性が高い。
そこで、罫線キワキワまで修正を入れられるよう、余白を可能な限り減らすための+0.5mm幅、という発想だ。ただし、罫幅から余白が少なすぎるため、美しくテープを引くためには、それなりに慎重に作業する必要はあると思う。
もうひとつ特徴的なのが、薄い金属板を採用した新しいテープヘッド。
紙面に当てて修正を入れたあとに本体を引き上げると、この金属板のフチでテープをきれいにカットする仕組みなのだ。このキレの良さはかなり優秀で、修正箇所に切り損ねてガタガタになったテープ端が残ることもなく、非常にスマート。「修正テープできれいに修正できない」というトラブルの大多数はこのカットミスに由来するはずなので、そこで失敗しにくいのはありがたい。
「キャンパスノート」以外でも使えるか?
この優秀なヘッドなら、キャンパスノート以外でも使いたいと思う人はいるかもしれない。
ただ、実際によく見てみると、ノート用紙の色って、意外と製品によって違う。そのため、キャンパス専用のこの修正テープを使うと逆により目立ってしまう、なんてこともある。例えばナカバヤシ「ロジカルノート」はやや紙面が赤っぽく、キャンパスノート用ではハッキリと浮いてしまうようだ(もちろん、罫線の合間に破線の補助線が入っている“ロジカル罫”に、そもそもマッチしてないという問題もあるが)。
もちろんメーカーとしては「だから、キャンパスノートに使ってくださいよ」と言ってるわけなのだが。
「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
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