“リビング学習”という言葉も、すっかり定着した感がある。知らない方のために説明しておくと、リビング学習とは、子どもが自室ではなくリビングやダイニングなど、家族の共用空間で勉強する、学習スタイルのこと。
これによって、親の目の届くところでやるからダラダラしない、生活と勉強がシームレスになるので効率的、ノイズが多い場所で勉強をするから集中力がつく……などがメリットとして挙げられる。少し前の調査(※)でも、「小学生の約7割がリビング学習をしている」という結果が出ているほどで、今や子どもが宿題や予習をする場所は、リビングが主流と言っていいだろう。
※引用=リセマム「リビング学習する小学生は7割以上、男女で違いも…宿題調査」
そんなリビング学習ブームにおいて注目されたのが、クツワの「磁ケシ」。生地に微細な鉄粉を練り込んであり、発生した消しカスを磁石で吸着させて集める機能を持つ消しゴムだ。
これを使うと、リビング学習中の子どもが床に消しカスを払い落とさなくなって、掃除がラクになる……というわけ。
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絨毯やフローリングの隙間に落ちた消しカスは、掃除機をかけてもなかなか集めづらいもの。だからといって「床に消しカスを落とすな!」と叱るよりは、「消しカスは磁石で集めてゴミ箱に捨てなさい」というほうが建設的なのだ。なにより、子どもも楽しんで消しカスを捨ててくれる。(実際、消しカスを磁力で吸着させる作業は大人でも楽しい。)
消しカス吸着→廃棄がさらに効率化した最新「マ磁ケシ」
その「磁ケシ」シリーズの最新版として2021年10月に発売されたのが、「マ磁ケシ」だ。製品名に関しては、以前におじさん柄の「お磁ケシ」も出していたクツワだけに、「いつかやると思ってた」というのが正直な感想。そもそも「磁ケシ」も「字消し」のダジャレだし。
とはいえ、消しカス集めがさらに効率的に行える新スリーブを搭載した本製品は、かなりマジな優秀さなのである。
クツワ
マ磁ケシ
500円(税別)
従来の「磁ケシ」は、紙スリーブの後端に強力なネオジム磁石を内蔵したものだったが、「マ磁ケシ」ではプラ製のホルダーに変更。消しゴム(これまでと同様の鉄粉練り込み生地)側とホルダー後端に、それぞれ透明のキャップが装着されているのが特徴といえる。消しゴム側のキャップは、携帯時に消しゴムが折れないようにするためのものだろう。
鉛筆の筆跡をゴシゴシとこすって消したら、お待ちかねの消しカス吸着タイムだ。
ホルダー後端にネオジム磁石を内蔵しているので、後ろ側の透明キャップを外して消しカスに近づけると、スッ、スッ、と消しカスを吸い付けて集めることができる。そうして机の上の消しカスを集めきったら、そのままホルダーにキャップをはめ戻す。すると、自動的に消しカスがパラパラとキャップ内に落ちていく。要するに、キャップが消しカスを一時的に溜めておくストッカーとして機能するのだ。
あとは勉強が終わったあとに、キャップ内の消しカスをまとめてゴミ箱に捨てればOK。
これまでであれば、スリーブに消しカスをつけたまま「磁ケシ」をゴミ箱の上まで持っていって消しカスを落とすか、机の上にティッシュなどを広げてカスを集めておく必要があった。
いちいちそういった手間をかけるよりは、専用の消しカス保管庫があったほうが、当然ながらラクに決まっている。キャップ内に集めた消しカスが密閉しておけるので、うっかり再度散らばらせてしまう心配もない。
ホルダー側面の左右両側に白いスライダが見えるが、実はこのスライダがホルダー内のネオジム磁石のオン/オフを行うスイッチとなっている。そのため、キャップをはめるとスライダが奥に押し込まれる→磁力がオフになって消しカスから離れる→消しカスが落ちる、という仕組み。
さらに、このスライダがキャップ端に軽く引っかかる構造になっているため、キャップを外すとスライダも勝手に元の位置に復帰する。つまり、消しカスを吸着させるための予備動作に連動して、磁力がまたオンになるわけだ。
動きとして説明すると「ほほう、なかなか良くできてるな」と感じられるが、実際の使用時には、そういった機構の働きを意識することは全くない。ユーザーは何も考えることなく、ただキャップをはずせば消しカスがくっついて、キャップをはめると中に消しカスが落ちる、という機能を享受できるのだから、これはとてもよく考えられたものだと思う。
使ってみれば、あきらかに従来の「磁ケシ」より便利。なにより、ホルダーに詰め替えできる替え消しゴムも用意されているので、ランニングコストも安くなる。少なくとも「磁ケシ」ユーザーであれば、乗り替えマジおすすめ、というやつだろう。