文房具
2022/10/16 20:00

リュックの底に沈まず机でも自立! バッグインバッグ「ハサンドスタンド」はイン/アウトで隙なしの優れもの

筆者は小学校低学年の頃、あまりにもランドセルの中が乱雑で汚いことを担任の教師に怒られ続け、しまいには右手の甲に「せいりせいとん」と油性マーカーで書かれたことがある。(親が泣いた。)

 

もちろんそんな江戸時代の刑罰みたいなことで性根が治るわけもなく、それから数十年経っても、未だカバンの中は乱雑そのものだ。

 

とはいえ、外出先で仕事をすることも多いため、ノートPCやガジェット類、ペンケース、ノートその他もろもろとリュックに詰め込みがちなのだが、中が整理されていないため、何かを取り出そうとするたびにゴソゴソと引っかき回すことになる。これは面倒くさいし、誰かに見られると恥ずかしい。

↑中が整理されてないリュックは、荷室の底に沈んだものを取り出すのも一苦労。これは効率も悪いので、なんとかしたい……

 

特に小物類は荷室の底に沈んでしまうため、取り出すにあたっての手間が大きい。使用頻度の高い小物(モバイルバッテリーや名刺入れなど)はもっと軽快にスッと出し入れしたいのだ。そこで今回試してみたいのが、小物を宙に浮かせておける、新方式のバッグインバッグである。

 

「ハサンドスタンド」は挟むバッグインバッグだから、リュックの底に沈まない!

クツワの「ハサンドスタンド」は、2021年末からクラウドファンディングで資金調達がスタートし、2022年6月にリターン品が頒布されたばかりの新しいバッグインバッグだ。

 

“小物を宙に浮かせる”というと何やら超技術ガジェット的なものを想像してしまうが、さにあらず。もうちょっとシンプルな方式で、小物用ポケットを荷室の上の方に増設しちゃおう、という製品である。

クツワ
タブラシリーズ
ハサンドスタンド
2800円(税別)

 

「ハサンドスタンド」は、ポケット群とフラップに分かれた二つ折り構造。ここにリュック荷室の仕切りを挟みこむことで、小物を沈ませることなく収納できるポケットを増設できるのだ。

↑使用時はポケットとフラップに分けて二つ折りに

 

裏面にはネオジム磁石が入っており、いったん挟んでしまえばバチンと固定されるので、仕切りから勝手に外れてしまう心配はしなくてよさそう。

↑「ハサンドスタンド」が使用できるのは、荷室に仕切りのあるカバンに限る

 

↑仕切りを挟みこんで固定すれば、中空に浮いたポケットゾーンが生まれる仕組み

 

↑裏面の磁石(丸く縫い取りされた4箇所)が引き合うことで、挟んだときにズレにくくなる

 

3段のポケットにはマチがないが、手前2段はウェットスーツにも使われる伸縮性の高い生地なので、多少の厚物は収納が可能だ。奥は外装と同じ硬めのポリエステル生地で、A5サイズのノートや手帳がちょうど収まる感じである。

 

何を入れるかはもちろん個人の自由だが、「いつもリュックの底に沈んで取り出すのに苦労している小物」を入れておくのが、当然ながらベストだろう。

 

実際、筆者はどう活用した?

↑筆者の運用状況。取材時に取り出す機会の多い小物+A5ノートを入れて効率化を図った

 

筆者は、名刺入れと常備薬、ボイスレコーダー、ハンドメモなどを収納してみた。上記のアイテム群、今までは小さなポーチに放り込んで運用していたのだが、このポーチがまさに“ザ・底に沈むやつ”で、いつも取り出すのにイライラ。なかでも名刺入れは慌てて取り出すシーンが多いので、困っていたのである。

 

それが「ハサンドスタンド」によって個別に荷室上空に浮かぶようになったことで、当たり前ながらアクセス性は超向上。欲しいときに欲しい物がサッと手に取れるというのは、大幅なストレス減となる。

 

↑ネオプレン素材のポケットは良く伸びるので、マチはなくとも厚物が収納可能

 

バッグから出したらスタンドモードに切り替え!

また、「ハサンド」の面白い機能として、スタンドモードがある。荷室の仕切りから取り外したら、フラップ面を折り目に沿って曲げ、端に付いている金属タグを磁石にくっつけて固定。するとポケットが自立する、というわけだ。

 

例えばポケットに文具類をまとめて収納し、使用時はリュックから取り出して立たせておくと、ペンケース代わりにもなる。

 

↑スタンドモードにするには、フラップを折って「HASAND」と刻印された金属タグを磁石に固定

 

↑するとこの通り、カバンから取り出した状態で自立する

 

↑机に立てて設置すれば、小物の出し入れがよりスムーズに!

 

個人的には「いいものを手に入れた……!」という気分でいっぱいだが、実際導入するにはリュック自体の仕様を確認しておかねばならない。

 

まず荷室に仕切りがあるのは大前提として、仕切りの厚みは15mm以内で、幅は240mm以上。さらに荷室自体の深さが170mm以上というのが、必要条件だ。逆に言えば、これを満たしていれば別にリュックじゃなくてもトートやビジネスバッグでだって使用可能ということでもある。

 

↑カバンの中のアクセス性がここまで高められるバッグインバッグは、そう多くない。個人的にはもはや手放せない逸品だ

 

筆者と同じく、日頃からリュックの底をゴソゴソかき回して「面倒くさいなぁ……」と呟いているタイプの人は、導入してみて損はないだろう。