手帳やメモ書きといった日常筆記にフリクションボールが手放せない、という人は多いだろう。うっかり誤字を書いてしまってもすぐに修正できるし、「間違って書いても消せる」という安心感の下で書けるのは、精神的にもラクなもの。一度この安心感を味わってしまうと、他のボールペンを使って長文を書くのが怖くさえなる。その結果、「フリクションが手放せなくなる」というわけだ。
そうした便利さから、高校生や大学生が板書用の筆記具にフリクションを使うことも増えているらしい。たしかに、文字が消せるのならシャープペンである必然性はないわけで、メーカーであるパイロットとしても、そういった層を早くから取り込み “フリクションが手放せないユーザー” を増やしたいと考えるのは、ある意味当然と言えるだろう。
ノート筆記に特化したフリクション新色
パイロットから11月に発売される「フリクション Waai(ワーイ)」は、ノート筆記に使いやすいように開発された新しいフリクションシリーズである。ラインナップは0.5mmのボールペン8色とラインマーカー6色。新規造形されたシンプルなオフホワイトの軸が特徴的だ。発売に先駆けて試すことができたので、今回は新色がラインナップされたボールペンをメインに紹介していこう。
パイロット
消せるボールペン「フリクション Waai(ワーイ)」
各230円(税別)
8色展開
パイロット
消せるマーカー「フリクション Waai(ワーイ) マーカー」※数量限定
各150円(税別)
6色展開
「フリクション Waai」は、ブラックを除いた7色が全てフリクションボールとして新色となる。視認性が良いのはもちろんアクセントカラーにもなるので、重要なポイントを色分けしてノートを作る際に便利だ。フリクションインクは、消せるという特性上、どうしてもやや薄めの発色になってしまいがちだったが、Waaiの新色は白地の紙に書いてもきちんと目立つ色になっている。
実際に書いてみた印象では、筆記色として使いやすいのがブラック・ミニグレー・サンドベージュの3色で、どれもペーパーホワイトの上でもしっかり映えていた。ミニグレーはシャープペンシルのHB~B芯に近いグラファイトっぽさのある色で、シャープペンシルでノートを取るのに慣れた層にもばっちりハマりそうだ。
サンドベージュは褐色系ながら優しさのある色味で、これをメインの筆記色にすると、ノート全体がおしゃれな雰囲気になった。黒以外でメイン筆記色を選ぶ場合は、赤黒や青黒など濃いカラーブラックが中心だったが、このサンドベージュはブラック系統じゃない新しい筆記色として今後人気が高まりそうだ。
もうひとつ注目したい色が、ベルベッドレッド。従来のフリクションの赤はかなりアッサリとした色だが、新色のベルベットレッドはこってりと濃厚で深みのある赤になっており、視認性も上々。筆者は校正などの作業でフリクションの赤を長年愛用し続けていたが、今後はこのベルベットレッドに切り替えてもいいな……と考えているぐらいにはお気に入りの色である。
筆記色と組み合わせたいアクセントカラーにも、素敵な色が揃っている。特に爽快感のあるターコイズやチリーブルー、温かみのあるドライピーチなどは、確実にこの色を狙って買うファンが出てくるのではないだろうか。
色を組み合わせて使いたいけれど、失敗してチグハグしたノートになるのが心配……という人もご安心を。筆記色とアクセントカラーのボールペン各1色+マーカー計3本がセットになった『フリクション Waai マーカー 3本セット』(610円、税別)も数量限定で発売される。この3本はカラーコーディネートされているパックなので、ただ組み合わせて使うだけで見映えがするようになっているのだ。これなら、いちいち組み合わせを考える必要もないので、使ってみたい色があるなら、まずはその色が含まれている3本セットから試してみることをおすすめしたい。
軸も優秀だが、使い慣れた「フリクションボール」軸に入れ替えも可!
「フリクション Waai」で注目すべきは、新色だけではない。スリムで握りやすい軸や、細かなところまで消しやすいイレイザーなど、軸もいろいろとブラッシュアップされているところも魅力のひとつだ。
とはいえ、従来のフリクションがどちらかというと、ビジネスパーソン向けを意識したようなソリッドなデザインが多かったので、オフホワイトの柔らかなデザインは馴染みづらいなぁ……という人もいるかもしれない。そんな場合は、リフィルが従来のフリクションボールと共通サイズなので、好みのデザインの軸に入れ換えて使ってもいいだろう。