昭和世代、平成世代、そして間もなく令和世代にあっても書き続けられるだろう学習ノートの代名詞が、コクヨの「Campus(キャンパス)」。2025年で誕生50周年というこの「Campus」が、一皮むけて「まなびかたブランド」になるという。その一大事の発表会をレポートする。
まなびの一丁目一番地「Campus」の次なる一手
「1975年に誕生し、今年で50周年を迎えた「Campus」は累計販売冊数37億冊を超え、中高生の認知率は98%。中国やベトナムでも展開しています。昨今日本では100均でも多くのお手頃なノートが売られておりますが、アンケートなどによると『Campus』を使うと学びの気合いが入る、というご意見も。その声に『Campus』は“本気を出す時に選んでもらえるブランド”なのではないか、という気付きがありました」
そう話すのは、「Campus」を展開するコクヨのグローバルステーショナリー事業本部 グローバルリージョン統括本部長の梅田由記さん。「Campus」ノート同様、発言に気合が入っているご様子だ。

言わんとしていることはわかる。「Campus」はつまり、ちゃんと頑張る時のノートなのだ。だが、そこからもう一歩進みますよ、というのが今回の宣言となる。
ポイントは“脱ノート”。ではどうするかというと、
「まずコクヨがこれからも文具で成長するぞ! という意気込みでいることをお伝えしつつ、そのために必要なのがノートという単一商品だけの提供にとどまることなく、複数の文具を組み合わせた『まなびかた』を提案するということです」(同・梅田さん)
ノートじゃない「Campus」のお通りだ!
一言「まなびかた」と言われてもちょっと「?」な取材班だったが、説明を聞くにしたがって、なるほどと納得がいった。背景にあるのは、学ぶ方法自体は多様化しているのに、自分に合ったまなびかたを見つけられていない人が多い、ということ。

「全国の高校生1245名を対象にしたアンケートでは、まなびかたを確立できていると答えた学生はわずか7.7%でした。そこで『Campus』はまなびかたに迷う学生が真っ先に頼れるブランドになるべく、ブランド刷新を実施しました」とは、「Campus」ブランド責任者の本村香代子さん。彼女はいわば「Campus」のエヴァンジェリストだ。

ただし「Campus」はあくまで文具である。ノートをはじめとする文具を共に展開することで「まなびかた」の一助とする目論見だ。
本村さんは続ける。
「学び方のアイデアに出会う→これならできそうと思える→気軽に試せる、というフローを想定しています。そこで、まず学生の潜在ニーズに沿って、(1)時間の有効活用、(2)モチベーションの創出と維持につながるレシピを5つと、それに紐づく56品番を一挙に発売します!」
「ブッククリップ」に「ロールふせん」。胸ポケットに入る「ルーズリーフ」に「バインダーとパンチ」。文具用としてだけではもったいないような多用途な「ペンケース」など、いわば「まなびを促す」「まなび方がひらめく」文具がズラリ! 昨今の忙しい中高生はもとより、資格や語学に熱心な社会人にも役立ちそうだ。


コクヨ「キャンパス ペンのように持ち運べるブッククリップ」
550円(税込)

コクヨ「キャンパス スタメン文具が仕分けできるペンケース」
1815円(税込)

コクヨ「キャンパス ルーズリーフ A7サイズ」
198円〜319円(税込)

コクヨ「キャンパス サッと芯を入れて書き出せるシャープペンシル」
253円(税込)
そしてラインナップの中でも注目なのは、開発期間5年! という「キャンパス よく消えるのに折れにくい消しゴム」である。

コクヨ「キャンパス よく消えるのに折れにくい消しゴム」
99円~165円(税込)
商品名通り「よく消える」のに「折れにくい」という相反する要素を両立させたハイブリッド構造がモノとしてのトピックで、この構造開発に5年を要したのは、(意外なことに)コクヨの消しゴムについての知見がまだまだ浅かったためらしい。

また一般的な長方形にくわえより細かな部分も消しやすい平行四辺形形状との2ラインナップも特長的。スリーブに入ったミシン目は消しゴムが小さくなるに従って簡単に切り取れる配慮だ。
消し心地や消字の実力はどうかって? それは各々方、納得いくまでご自身でお試しくださった方がいいだろう。ひとこと加えるなら、むろんよく消せる。
「ノート」という単品から、ノートや文具を触媒とする「まなびかたブランド」へ。
なるほどこのソフト&ハードの提案力こそが「Campus」50年目の大刷新か! と思ったのだが、あれ、肝心要のノートの新製品が見当たらない。「ノートでも奥の手を用意されているのでしょう?」と水を向けるも、
「どうでしょう?」
と一言。しかし大物が控えているように気がしてならない。これは取材班の邪推ではない。なぜって50年目の「Campus」が、その“一丁目一番地”のノートでなにもやらないわけがない!
 
				 
			 
				 
				 
				 
				 
				 
				 
				 
				 
				 
				 
				 
				 
				 
				 
				 
				 
				 
				 
				 
				 
				 
				 
				 
				 
				 
				 
				 
				 
				