いざというときの“命綱”になる+αの安心感。電池不要のランタンになるペンスタンドの活用術

ink_pen 2026/3/22
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いざというときの“命綱”になる+αの安心感。電池不要のランタンになるペンスタンドの活用術
きだてたく
きだてたく
きだてたく

1973年京都生まれ、東京都内在住。フリーライター/デザイナー。 小学生の頃、勉強も運動も見た目も普通の子がクラスでちやほやされるにはどうすれば良いかを考え抜いた結果「面白い文房具を持ち込んで自慢すればいい」という結論に辿り着き、そのまま数十年、何一つ変わることなく現在に至る。自称世界一の色物文具コレクション(3000点以上)に囲まれながらニヤニヤと笑って暮らす日々。ウェブサイト「デイリーポータルZ」では火曜担当ライターとして活躍中。

「災害に対する備え」はとても大事なこと。しかし、普段からどれだけ準備をしてあるか、というのはなかなか個人差が大きい。

まったく何もしていない!という人もいれば、防災用持ち出し袋や水・食料、ポタ電などをしっかり備えている人もいるだろう。例えば、筆者は基本的に「気が小さい+サバイバル耐性が低い」ので、わりと事前に備えておきたいと考える性格だ。

とはいっても、ストックを備えておく場所をわざわざ空けておく必要があるし、そういった準備は面倒くさいと考える人がいるのも分からないでもない。

そこで覚えておきたいのが、普段利用しているモノやサービスを非常時にも役立てる“備えない防災”という考え方だ。これは「フェーズフリー」と呼ばれている。日常的なツールなどが災害時にも役立つのであれば、面倒くささはかなり解消されるはずだ。

そこで今回は、フェーズフリーの考え方で作られた文房具を紹介したい。

フェーズフリーなペンスタンド

プラスから発売された「もしもの時ランタンにできるペンスタンド」は、まさにその名の通りの使い方ができる、フェーズフリーなペンスタンドだ。

2025年秋にクラウドファンディングで公開されたものだが、翌年の2月には一般販売もスタートしている。

見た目はまさに手提げ式のランタンのよう。ホヤ(カバー)にあたる部分は半透明のPP製で、上段(深型トレー)+下段(浅型トレー)の2段に分かれている。普段はここをペンスタンドとして使うわけだ。

上段は透明の仕切りによって4分割されており、筆記具やはさみ、定規などの長物を収納する。

↑上段トレーは大きく4分割され、筆記具などを整理収納することができる。
↑トレーの深さは約105mm。ペンのクリップがちょうど外に出るぐらいの深さで取り出しやすい。

スチール製のハンドルに沿って上段の深型トレーを持ち上げると、下段の浅型トレーにアクセスできるようになる。

ここは深いペンスタンドに入れると沈んで取り出せなくなるような小物類や消しゴム、テープのり、ネーム印などを入れておくと良さそうだ。

しかし、上段トレーが被さって邪魔になってしまうため、手が大きめの人はやや使いづらいように思う。中身の整理をするなどの場合は、上段トレーをハンドルから分離させる必要はありそうだ。

↑下段トレーは小物収納。消しゴムなどを雑に放り込んでおける気軽さはありがたいが、上段トレーが邪魔で少し取り出しづらかった。

ともあれ、これを机上にペンスタンドとして置いておけば、防災用品という意識はほとんど持たずに使っていけるはずだ。

ペンスタンドをランタンに変える方法

さて、いざ夜間の災害停電などで照明器具が使えなくなった場合は、このペンスタンドを使って灯りを得ることになる。

とはいえ、このペンスタンドの内部に電池式の照明器具が入っているわけではない。電池はストック期限の問題があり放置できないため、フェーズフリーの考え方としてはあまり正しくないのだ。

ではどうするかというと、いま手元にある最も身近な光源……そう、スマホを利用する。

まず、トレーの中に入っているものはすべて取り出し、空っぽにする。次いで、下段トレーをハンドルから分離させておく。

↑ランタン化するには、まず中身をすべて出し、下段トレーを分離。側面溝にハンドルが食い込んでいるので、軽く横を押し潰すようにして取り外す。

あとはスマホのライト機能をオンにして、上段トレーの仕切りとホヤの間の大きな切り欠き窓がある場所に、スマホを逆さにして画面が窓から見える向きに挿し込む。

最後に、ひっくり返した下段トレーを上から被せるようにセットすれば、非常用ランタンが完成する。

↑スマホのライトを点けたまま、逆さにして上段トレーに挿し込む。このときライトがトレーの内側を照らすようにするのがポイント。
↑逆さにした下段トレーを上から被せて、ランタン化が完了。ハンドルはそのままランタンの持ち手になる。

スマホよりも明るい

「これならスマホのライト単体で良いのでは?」という疑問もあろうが、スマホライトの明かりは指向性があり、基本的には照らしている向きにしか明るくならない。

対してペンスタンドのランタン化は、半透明のホヤが内部から光を拡散させてくれるので、全方位を照らすことができる。

↑スマホ単体だと照らしている正面だけが明るいのに対して、ランタンなら全方位が明るくなる。

実際に使ってみると効果は明らかで、光量はスマホのライトのみより減るものの、光が全周に行き渡ることで確実に安心感が増して、活動しやすくなった。

もちろんスマホのバッテリーは緊急時の生命線であり、かつ使い続けると加熱による故障の原因にもなるので、長時間の使用は避けたいところ。しかし、短期的な停電程度なら問題ないし、そうでなくともひとまず暗さをやり過ごして体勢を立て直す(他の光源を探したり、避難のために移動したりするなど)には役立つだろう。

↑フラッシュライトを立てて置くだけでも全方位が照らせる。スマホのバッテリーが気になるなら、これでもOKだ。

ちなみにスマホのライト以外では、フラッシュライトを下向きにして上段トレーに立てる(この場合は下段トレーはそのまま)、という使い方も可能である。これでも光の拡散によってかなり過ごしやすくなるはずだ。

紙の防災メモを入れておこう

ところで、今回の試用中にちょっと思いついたことを1つ伝えておきたい。

ハンドル底部と下段トレーの隙間に、いざというときのための覚え書きメモを1枚入れておくのは役立つかもしれない。

具体的には、緊急時の避難場所への地図や、災害時の持ち出し袋などの備えが自宅内のどこにあるかといった情報だ。慌てていると抜け落ちてしまいがちなことだし、それを見てあれこれ思い出すことで落ち着きを取り戻すという心理的な効果も期待できるだろう。

↑ハンドル底部のトレー受けに「いざというときメモ」を入れておくのは便利かもしれない。ランタン化したときに必ず気付ける場所というのがポイントだ。

フェーズフリーな防災用品は、本当に危険な状況でサバイバルするには物足りないこともあるが、“災害発生直後の一時をしのぐ策”としてはとても効果的だ。

一番危険な時間帯をやり過ごせれば生存確率は上がり、規模によってはそれだけで済むことも十分にあり得る。なにより、何もないよりはずっと良い。

そう考えれば、普段使いのペンスタンドをこれに取り替えておくというのも、かなり有効な備えと言えそうだ。

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