書類管理の常識を覆す! キングジムとコクヨ、両雄が生み出した最新ファイルを検証

ink_pen 2018/4/15
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書類管理の常識を覆す! キングジムとコクヨ、両雄が生み出した最新ファイルを検証
きだてたく
きだてたく
きだてたく

1973年京都生まれ、東京都内在住。フリーライター/デザイナー。 小学生の頃、勉強も運動も見た目も普通の子がクラスでちやほやされるにはどうすれば良いかを考え抜いた結果「面白い文房具を持ち込んで自慢すればいい」という結論に辿り着き、そのまま数十年、何一つ変わることなく現在に至る。自称世界一の色物文具コレクション(3000点以上)に囲まれながらニヤニヤと笑って暮らす日々。ウェブサイト「デイリーポータルZ」では火曜担当ライターとして活躍中。

クリアフォルダーごとファイリング!

続いて、コクヨ『KaTaSu クリヤーホルダーファイル』は、書類をクリアフォルダーごとざっくりファイリングするという、なかなか豪快な発想で作られたファイルだ。

↑コクヨ『KaTaSu クリヤーホルダーファイル』486円

 

表紙を開くと、中にはページもポケットもなにもない素通しの状態なので、ここに書類を入れたままのクリアフォルダーをぐいっと挿し込むだけ。

 

コピー用紙を10枚ほどいれたクリアフォルダーだと、10冊は収納できるとメーカーサイトには表記があった。つまり、書類ベースで最大収容量は約100枚となる。

 

持ち歩き時は、フラップで表紙が開かないように固定できるので、うっかり逆さに抱えたせいで書類が入ったクリアフォルダーがバサバサと落ちる、という惨事もなさそうだ。

↑使い方は、開いた中央にクリアフォルダーを挿し込むだけ。抜き挿しも自由

 

挿し込んだクリアフォルダーは、ページをめくるようにぺらぺらとめくっていくことが可能。つまり、クリアフォルダーをファイルのポケットとして使って書類を収納しよう、という考え方である。

↑クリアフォルダーがファイルのページのようにめくれるので、必要な書類がすぐに見つけられる

 

これだと、案件ごとにクリアフォルダーで書類を管理している場合は、必要なものをぺらぺら閲覧しながら探すことができる。カバンの中から何冊ものクリアフォルダーを、アレでもないコレでもないと探すよりスムーズだ。

 

もちろん、フォルダーごと抜き出してしまえば、書類をそのまま相手に渡すこともできるわけで、かなり使いやすかった。

↑天地に対して垂直でなく、斜めに入った折れ線。これが手にしてみると納得の使い心地なのだ

 

表紙は梨地でスルスルの手触りだが、内側(クリアフォルダーを挿し込む側)はあまりスベスベしておらず、摩擦力が強めになっている。このおかげもあってか、背表紙側を掴むようにして持っている限り、めくっている間にクリアフォルダーがスルッと抜け落ちるような危うさは感じない。

 

背表紙を手で掴んだまま開きやすいように、表紙と背表紙には斜め方向の折れ目が入っているのも、細かい工夫だ。

↑書類で満杯の状態(写真上)と空っぽの状態(写真下)。背幅が変わるとカバンへの収納もスマート

 

背表紙は、コクヨお得意の、中身の厚さによってフレキシブルに背幅が変わるタイプ。書類が少ないときはスリムなままでカバンに放り込むことができるので、この背表紙は地味にありがたい。シンプルな製品なのに、あちこちにこういった工夫がされているあたり、さすがはコクヨ!といったところだ。

 

実際に使ってみての感想としては、現時点でクリアファイルを使用しているなら、どちらかピンときた方を使って不便になることはまずないだろう、という感じ。

 

書類の輸送と管理にクリアフォルダーを多用している筆者は、KaTaSu クリヤーホルダーファイルを今後も積極的に使っていくことに決めた。対してカキコは、趣味で歌唱レッスンを受けている妻が「これ譜面の管理に使いたいから、ちょうだい」と積極的に奪い取りに来ている。

 

どちらの製品も、シンプルなファイルとはいえ工夫次第でいくらでも新しい使い方ができるものだ、と感心させられた次第だ。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。ブング・ジャムのメンバーとして参画した『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)が発売されたばかり。

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