大宮駅西口コンコースにユニークなグッズを集めた“新鉄道ショップ”がオープンした。店の名前は「GENERAL STORE RAILYARD」(以下:「RAILYARD」)。GENERAL STORE=「よろず屋・雑貨屋」とRAILYARD=「車両基地」という言葉を組み合わせて生まれた店名だ。18.1坪のショップにそろう商品の種類は約500種類。鉄道好きな人にとってはワクワク感が高まる、そんなお店だ。
鉄道好きを自覚している筆者にとっては、“これは数時間いても飽きないぞ”という感覚だった。店ができた大宮駅西口コンコースは、JR大宮駅の改札口から埼玉新都市交通ニューシャトルへの乗り換え利用者が多く通る。ニューシャトルといえば鉄道博物館の最寄り駅であり、ショップの立地は鉄道博物館への行き帰りの人たちが往復する“絶好の立地”でもある。
当然のごとくショップへの注目度も高く、オープン当日から早くも多くの人たちが入店待ちのために並ぶといった状況だ。グッズ探しを楽しむ様子も多く見受けられた。多くの鉄道グッズを集めた「RAILYARD」だが、はたしてどのようなグッズを販売しているのか。注目グッズを中心に紹介していこう。
ファン垂涎の「鉄道古物」が所せましと並ぶ
お店の入口中央に置かれているのが「鉄道古物」で、まずはC58形蒸気機関車239号車のSLプレートが目を引く。この239号車は2014年に復元され、現在JR東日本の釜石線で「SL銀河」のけん引に活躍している車両だ。このSLプレートはレプリカだが、美しく磨かれ“値札”タグも付いていた。
さらに店内に入ると、国鉄形電車で使われていた扇風機、乗降扉の横に付けられていた号車札用のサボ、黒い塗装がシブい床下機器用のボックス、そしてパンタグラフの擦り板部分など、鉄道ファンにとっては垂涎(すいぜん)の鉄道古物も並ぶ。
なかでも注目したいのが、えんじ色のイスとオットマンの組み合わせ。このイスとオットマンは、実際に特急北斗星のA個室寝台のツインデラックスで使われていたもの。ちなみに、これらの鉄道古物は店頭での販売はないが、4月22日にオークションが開かれ、落札した人に販売される予定だ。
オークションによる販売ではなく、実際に販売されている鉄道古物もある。琺瑯(ほうろう)製の各種サボや、車両所属シールなどだ。いまは走っていない懐かしの特急や急行の愛称板や、列車の走行区間を記したサボ類は5000円。レプリカではあるが、いまや貴重な琺瑯製のサボだけに家のインテリアとして飾るのも楽しそうだ。
なお、「車両所属シール」はやや手ごろな価格で、1000円で購入できる。ほかに「E233系銘板シール」(3024円)や、「途中下車印」(1万800円)なども用意された。また、復刻グッズも豊富で、例えば「地図式車内券メモ帳」(1620円)は裏に路線図が描かれていて、まさしく国鉄当時に使われた車内補充券(乗り継ぎなどの際に車掌が発券した車内券)そのもの。ファンの心をくすぐる商品だ。
アイデア商品がずらり! 見ていて楽しいオリジナル「鉄道雑貨」
店内各所には、同店オリジナルグッズもずらり並ぶ。「103系タオルハンカチ」(864円)、「ジオラマ線引き」(810円)、「トレインぺんてる」(162円)、「ヘッドマークハンカチ」(712円)、「ヘッドマーク巾着」(648円〜)、「E233系テープカッター(3種)」(1512円)といったものがラインナップされている。
ほかにも、BEAMS DESIGNとコラボした「トートバック」(2808円)、「バンダナ」(1296円)、「マグカップ」(1728円)、「キャップ」(3780円)。また、JR東日本のE231系などのシート生地を使った「サイドシェルチェア」(12万9600円)や、「スケートデッキスツール」(4万1040円)といった“高額商品”も用意された。
個人的にオススメなのが、「駅名クリアファイル」(280円)。大宮駅の駅名クリアファイルで、昭和53年〜55年当時に東北本線用のホームにあった駅名標をデザイン化したものだ。そのため、隣の駅が東大宮駅(現在は土呂駅)と赤羽駅(現在はさいたま新都心駅)といったように、時代を感じさせる駅名表示なのもオツだ。
こういったオリジナルグッズは、男性社員だけでなく女性社員も商品開発に参加。女性の発想ならではの商品もあり、“ママ鉄”に人気が出そうなグッズも多い。
浴衣や食器まで! 寝台特急「北斗星」関連グッズ
同店では、一世を風靡した寝台特急「北斗星」の関連グッズも用意。A個室寝台ロイヤルの利用者に配られた「アメニティ」は2500円。北斗星のヘッドマーク付き特製ポーチに、JRの名入り石鹸箱やクシ、整髪料などが入る。寝台列車内で用意された「北斗星浴衣」(4860円)も販売されている。
ほかには、寝台特急「北斗星」が運行開始された時の食堂車用の食器も復刻。「ペアコーヒーカップ」(7560円)や「ミート皿」(2916円)、「フォーク・スプーンセット」3000円などが用意されている。家にいながらにして寝台列車で旅した気分になれる、そんな北斗星関連グッズだ。
プレゼントやお土産に最適なグッズはこれ!
グッズの取り扱いは幅広い。KATO社の各種Nゲージ鉄道模型も、JR東日本の車両にこだわって取りそろえている。さらに、大宮にゆかりのある651系特急「スワローあかぎ・草津」の7両セットを、ショップ限定の商品として用意。特製ブックレット・シリアルナンバーカード入りを1万9872円(1人1点限り)、数量も300個限定だ。
つづいて、お土産に最適なお菓子、食品、嗜好品も紹介しよう。猿田彦珈琲とコラボした限定ドリップバック「SLブレンド」(1080円)や、懐かしの味を再現した「食堂車のビーフカレー」(420円)、さいたまでいま評判のお菓子「彩果の宝石」限定パッケージバージョン(486円)や、「ボトル入りオリジナルビスケット」(1200円)とバラエティに富む。
誰向けなのかわからない不思議なグッズも登場!
筆者が個人的に興味を持ったのは「大宮限定・記念ピンズセット」(1300円)。583系電車や京浜東北線E233系電車、「はつかり」のヘッドマーク、E6系の4点セットとなっている。
丸いカプセルに入る「鉄道コレクション」(400円)にも心が引かれた。信越本線の鯨波海岸を走る485系特急「北斗」や、中央本線の新桂川橋梁とE353系量産先行車といった、JR東日本の代表的な路線風景と車両の組み合わせた6種類のコレクションが用意されている。
一方で“えっ!? こんなグッズを買う人がいるの?”と感じたのが「定刻起床装置」(9万8743円)。JR東日本ほか、鉄道会社の運転士、車掌、駅員向け宿泊施設で使われる起床装置だ。枕のように敷いて寝ると、時間になれば空気袋が膨れ、上半身が起こされる。相当に寝起きの悪い人でも、必ず起きるというアイデア商品なのだ。
それにしても、こうした商品まで販売されているところがおもしろい。ほかには「JR柄の布団」(掛け布団9000円、敷布団1万1000円)といった珍しいものもあり、棚に並ぶ商品を見ているだけでも飽きない。鉄道好きやアイデア商品に目がない人は、ぜひ一度訪れてみてほしい。
【SHOP DATA】
GENERAL STORE RAILYARD(ジェネラル・ストア・アレールヤード)
所在地:JR大宮駅西口コンコース内
営業時間:月〜金曜 10時〜21時30分、土曜 9時〜21時30分、日曜&祝日 9時〜21時
定休日:無休
※掲載価格はすべて税込です。なお、紹介した商品は売り切れとなっていたり、価格が変動する場合もあるのでご了承ください。