乗り物
2017/6/6 20:22

【激突動画】この衝撃でもフロントガラスは割れない! スバルが新型「XV」の衝突試験を公開

スバルは今年4月、国土交通省などが実施している衝突安全性能評価で「インプレッサ」と「XV」が過去最高得点の199.7点を獲得したと発表。これを受け、群馬県太田市のスバルビジターセンターと群馬製作所において「衝突試験見学会」を開催した。

 

ほんの一瞬の間にさまざまなことが起きていた!

会場となった群馬製作所の試験場には厳重なセキュリティチェックを受けたあとで入場。最初に行われたのは車体の前方の幅40%を障害物にぶつける「オフセット前突試験」だ。速度は64km/hで、その瞬間はわずか0.03秒でしかない。

 

報道陣が観覧席に落ち着くと間もなくカウントダウンが始まった。スタートの合図とともにワイヤーで車両を引っ張る音がしばらく続き、新型XVが我々の前に姿を現す……と同時にバリアと衝突。その瞬間、群馬製作所の試験場内に「ドカン!」という音が鳴り響き、新型XVが後輪をわずかに浮かせて跳ね返った。周囲には破損した部品が飛び散る。ほんの一瞬の出来事だった。その様子は次の動画でご覧いただきたい。

 

こちらはスローで捉えた動画。バリアにぶつかった瞬間、素早くエアバッグが開いて乗員を保護しているのがわかるだろう。

 

フロントが「理想の形」でつぶれて衝撃を吸収

飛び散った部品を整理したあと、前方が激しくつぶれた新型XVに近づくと、車内のエアバッグが開いているが、ガラスは割れていない。運転席のドアの開閉も問題なくできていることからパッセンジャー空間の変形もないことがわかる。エアバッグも即座に開いたことによってダミー人形の安全も確保されている様子。これはフロントで衝撃を十分吸収できている証拠で、これを見て担当者は「理想の形で、予想していた通りにつぶれてくれた」と解説する。

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↑ダミー人形の周辺に展開されたエアバッグ。人形に塗ってあったドーランから効果が適正であったこともわかった

 

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↑衝突試験後の新型XV。これほどの衝撃を受けながらフロントガラスは割れず、パッセンジャー空間には何ら影響を与えていない。フロントドアも左右ともにまったく機能を失わず、スムーズに開閉できていた

 

国産車初の「歩行者保護エアバッグ」にもこだわりが

この日は、インプレッサが国産車としては初めて搭載した「歩行者保護エアバッグ」が開く様子なども披露された。ボンネットの付け根の部分、すなわち歩行者保護エアバッグが開く付近には雪に見立てた発泡スチールをため込んだ状態。この状態であってもエアバッグは正常に動作した。

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↑歩行者保護エアバッグが開いた瞬間。雪に見立てた発泡スチールを乗せた状態でも問題なく開くことができた

 

一方でショッピングカートにクルマがぶつかっても、推進20cmの水壕にクルマが突っ込んでも同エアバッグが開くことはなかった。担当者によれば、「(この歩行者保護エアバッグは)必要なときに降雪や温度変化などに影響されず、どんな外部環境下であっても正常に作動する。しかし、小動物やショッピングカートが当たっても開かないようにするのに苦労した」と話す。

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↑買い物カートを兼ね飛ばした瞬間。この状況では歩行者保護エアバッグは開かない

 

また、報道陣からは歩行者保護エアバッグを搭載しているボルボ車との違いに対する質問が出た。これについて担当者は、「ボンネットを傾けてエアバッグを開く構造とすれば、そのための火薬も組み込む必要があり、構造は複雑化して当然コストも上がる。少しでもコストを下げながら安全目標を達成することで、普及を促進させたいという狙いがあったため、エアバッグが動作する専用の細いスリットを開発して対応している」と語った。

 

スバルはこれまでアイサイトの普及により、1万台あたりの事故発生件数という指標で比較すると、一般事故は61%減少し、追突事故に限れば84%も減少できたとしている。その一方で歩行中の死亡事故は思うような低減ができていない。歩行者保護エアバッグはこの分野での効果が期待されているのだ。歩行者・運転者双方の安全確保に邁進するスバルの今後に期待したい。

 

 

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