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2017/9/19 20:00

MJブロンディがレクサス LCを徹底解剖!「スポーツカーとして商品力が高い」

ベテラン自動車ライターのMJブロンディとフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をするクルマ連載。今回は、レクサスから今年発売された国内最高峰のラグジュアリークーペの魅力について話し合います!

 

【登場人物】

MJブロンディ(清水草一)

日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。自動車評論家としてはもはやベテランの域で、様々な自動車専門誌や一般誌、Webなどに寄稿し、独自の視点でクルマを一刀両断しまくっている。

安ド

元ゲットナビ編集部員のフリーエディター。MJブロンディを慕い「殿」と呼んでいる。

 

今月のクルマ「レクサス LC」20170816_suzuki_1

LEXUS
LC
1300万円〜1450万円

SPEC【LC500】●全長×全幅×全高:4770×1920×1345㎜●車両重量:1940kg ●パワーユニット:4968㏄V型8気筒DOHCエンジン ●最高出力:477PS/7100rpm●最大トルク:55.1kgf-m/4800rpm ●カタログ燃費:7.8㎞/L

 

安ド「殿! このクルマはすごいですね!」

MJ「それほどすごくはない」

安ド「すごいですよ! 大排気量の自然吸気エンジンは、やっぱり気持ち良いじゃないですか!」

MJ「それは間違いない」

安ド「ですよね? アクセルを踏み込めば際限なく速いですし、音も豪快じゃないですか!」

MJ「際限なく速くはない」

安ド「そりゃまあ、最新のスーパーカーほどは速くないでしょうけど、そんなのに乗れる人ってそんなにいないじゃないですか!」

MJ「それは間違いない」

安ド「とにかくトルクフルで余裕があって、普段運転に余裕のないボクが人に道を譲ってあくせくせずドライブをしたほどです!」

MJ「それはすごいな!」

安ド「ですよね? このクルマはすごいです!」

MJ「正確には、『とても良い』という感じだな。すごいという部分はそんなにないが、総合的にとても良い」

安ド「と言うと?」

MJ「たとえば加速。5リットルV8エンジンは477馬力だからもちろん速いが、いまの世界の趨勢からすると、ターボではないからそれほどすごい加速とは言えない。ゴージャス感も十分高いが、超絶ゴージャスというほどでもない」

安ド「でもデザインもすごく良いじゃないですか! レクサス史上最もかっこいいと思います!」

MJ「レクサス史上ではダメだ。自動車全体でないと」

安ド「それはまぁ……(笑)。でも、国産スポーツカー全体で見ても、衝撃的にカッコいいです!」

MJ「確かにかなりカッコいい。1400万円クラスのクルマとしては、ドイツのライバルたちに負けないくらいカッコいい。具体的には、メルセデス・SLやBMW・6シリーズと比べても遜色ないほどである」

安ド「それってすごいことじゃないですか!」

MJ「しかし、それ以上ではない。つまり、突出した部分はないのだが、全体にバランスが良く、1400万円前後のスポーツカーとして商品力が高い。そういうことだ」

安ド「ドアとか、無駄に凝ってる造りがスーパーカーっぽくていいと思いましたが」

MJ「スーパーカー的な造り込みも散見されるな。つまり、スーパーカーを買うほどではないけど、かなりすごいクルマに安心して乗りたいという、中高年のお金持ちにピッタリのクルマだ」

安ド「冷静な分析ですね。じゃ、殿がお好きなフェラーリとの違いはどこですか?」

MJ「フェラーリは、人生捨ててでも買ってしまうクルマだ。そこには狂気がある。しかしこのクルマは、冷静に考えて『なかなか良いな』と買うクルマだ」

安ド「なるほど!」

MJ「ところで燃費はどう?」

安ド「6・5㎞/リットルでした!」

MJ「なかなか良いな」

 

【注目パーツ01/10速AT】

走りのスムーズさを演出する高級システム

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AT(オートマ)といえば、普通は6速程度。しかしこのLCのATは10速です。段数が増えるとどうなるかというと、エネルギー効率がアップし、加速もスムーズになります。そのぶんコストもかかるので、高級車だけの特権ですね。

 

【注目パーツ02/パドルシフト】

マグネシウム素材で高い質感と操作性を実現

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2ペダルのスポーツモデルによくある装備ですが、ハンドル奥のパドルシフトで変速することができます。しかしこのパドル部分、なんとマグネシウム製。質感が高いだけでなく、暑い日は触るとひんやりしてて気持ち良いです。

 

【注目パーツ03/メーター】

コックピット感あふれるメーターまわりの造形

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8インチのカラーTFT液晶メーターは、中央の回転計が可動式。そのまま右にスライドして表示方法や内容を変更できます。メーターのフードには両側からツノのようなものが生えていますが、これはドライブモードスイッチです。

 

【注目パーツ01/インテリア】

艶やかさと先進性を両立した室内空間

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素材やデザインによる圧倒的な質感の高さに驚かされます。さすが“おもてなし”の国の最高峰クーペです。操作部やスイッチ類、シートなどには一流の素材が採用され、形状も人間工学に基づいて設計されています。

 

【注目パーツ05/ヘッドランプ&リアコンビネーションランプ】

ライトまわりに掘られた印象的な溝

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フロント、リアともにライトに付随してT字型の溝が彫られていますが、海外のスーパーカーには見られない手法でとても独創的です。フロントには超小型の3連LEDやLEDデイライトも配置されていて未来感にあふれています。

 

【注目パーツ06/ポップアップハンドル&インサイドドアハンドル】

外も中も変わった形の普通じゃないドアノブ

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通常時はなだらかな面ですが、キーを持った人が触れたり、ロックを解除するとドアハンドルがボコッと飛び出してきます。こういったギミックは男心をくすぐりますね。一方、室内のドアノブも削り出しの彫刻のような美しい形状をしています。

 

【注目パーツ07/サイドライン】

コンセプトカーのような大胆な“えぐれ”が素敵

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「LF-LC」というコンセプトカーの非現実的なデザインをほぼそのまま実車にしているので、全体的に抑揚があってなかなかほかでは見られないスタイリングです。特にサイドのドア後方へ向かって絞られる部分はダイナミックです。

 

【注目パーツ08/Cピラー】

積極的に和のデザインテイストを採用

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最近の流行りでもありますが、ルーフ後方のCピラー(窓と窓の間の柱部分)がブラックアウトされて途中で切れているように見えます。さらにメッキモールが後端まで伸びていますが、これは日本刀をモチーフにしているとのこと。

 

【注目パーツ09/エンブレム】

車名に込められた意味は“挑戦”

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レクサス車といえば大きなエンブレムのクルマが多いですが、LCはそうでもありません。車名の「LC」というのは、「Luxury Coupe(ラグジュアリー・クーペ)」であると同時に「Lexus Challenge(レクサス・チャレンジ)」という意味もあるそうです。

 

【これぞ感動の細部/エンジン(サウンドジェネレーター)】

レーシングカーのような高揚感のある音

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今回試乗した5.0ℓ V8の大排気量ノンターボエンジンのほか、3.5ℓV6エンジンベースのハイブリッドシステムも設定されています。注目はエンジン吸気脈動を利用して加速時に迫力あるサウンドを奏でる「サウンドジェネレーター」。まるで同ブランドのスーパーモデル・LFAのようなスポーティな音で、ドライバーの気持ちを高揚させてくれます。