GetNavi編集部とクルマライターが最近取材したなかで、良かったクルマを取り上げるコーナー。注目モデルは、レクサス待望のコンパクトSUV・UX。同ブランドのエントリーラインながら、“らしい”スタイリングと走りは魅力的です。ステーションワゴンのパサート・オールトラックとミニバンのデリカ D:5は、いずれもSUVテイストを加えて独自に昇華させたモデルです。
【その1】クーペらしいスポーティさが感じられるクロス—オーバー
レクサス
UX
SPEC【200 バージョンL】
●全長×全幅×全高:4495×1840×1540㎜●車両重量:1550㎏●パワーユニット:1986㏄直列4気筒DOHC●最高出力:174PS/6600rpm●最大トルク:21.3㎏-m/4000〜5200rpm●WLTCモード燃費:16.4㎞/ℓ
LINE-UP
グレード | エンジン | 駆動方式 | ミッション | 価格 |
200 | 2.0ℓ | FF | CVT | 390万円 |
〃 バージョンC | 414万円 | |||
〃 Fスポーツ | 443万円 | |||
〃 バージョンL | 474万円 | |||
250h | 2.0ℓ+電気モーター | FF/4WD | 電気式無段変速 | 425万円(451万円) |
〃 バージョンC | 449万円(475万円) | |||
〃 Fスポーツ | 478万円(504万円) | |||
〃 バージョンL | 509万円(535万円) |
●カッコ内は4WDの価格
【3面図(外部配信から閲覧の方は本サイトではギャラリーページを用意しています)】
よりスポーティな走りを楽しみたいならハイブリッド
昨年3月にワールドプレミアが行われ、日本では12月に発売されたUXは、レクサス初となるコンパクトSUV。そのスタイリングは、兄貴分にあたるNXやRXと同様の、複雑な面構成が印象的です。グラスエリアがタイトにまとめられていることも相まって、クーペにも通じるスポーティな風情を感じさせる仕上がりとなりました。
車体には、トヨタの新世代プラットフォーム「GA-C」を採用。これに搭載するエンジンも新開発で、レクサスでは初めて採用される2ℓ直噴4気筒ガソリンと、これをベースとしたハイブリッドの2種類です。ガソリン車のトランスミッションには、こちらもレクサス初という発進用ギアを内蔵するCVTを組み合わせています。
走りは、いかにもレクサスらしい滑らかさが印象的。ハイブリッド車では、モーターアシストによる力強さやダイレクトな反応が実感できました。よりスポーティなドライビングを楽しみたい人には、ハイブリッドがオススメです。
荷室は広さより使いやすさを重視
荷室容量は220ℓとライバル車に比べて控えめですが、突起などを排したことで使い勝手は良い。手を使わずに電動で開閉する機構も備えます。
インテリアの随所に和のテイスト
室内の随所に和風のテイストが盛り込まれています。和紙のような質感を表現したインパネ上部や日本古来の伝統である「刺し子」をモチーフとしたシート表皮などが印象的です。
空力と操縦性を高める造形
SUVの力強さと、クーペの上質さを併せ持つ、クロスオーバースタイルの外観。その造形は、空力性能と操舵性能の向上に貢献します。11色ものカラバリをラインナップするのも魅力です。
【その2】SUVらしいスタイリングの4WDワゴン
フォルクスワーゲン
パサート オールトラック
SPEC【TDI 4モーション アドバンス】●全長×全幅×全高:4780×1855×1535㎜●車両重量:1680㎏●パワーユニット:1968㏄直列4気筒DOHCディーゼル+ターボ●最高出力:190PS/3500〜4000rpm●最大トルク:40.8㎏-m/1900〜3300rpm●JC08モード燃費:17.3㎞/ℓ
LINE-UP
グレード | エンジン | 駆動方式 | ミッション | 価格 |
TDI 4モーション | 2.0ℓディーゼル+ターボ | 4WD | 6速DCT | 509万9000円 |
〃 アドバンス | 569万9000円 |
【3面図(外部配信から閲覧の方は本サイトではギャラリーページを用意しています)】
4WD化で重くなったものの動力性能の水準はかなり高い
パサート・オールトラックは、ステーションワゴンのパサート・ヴァリアントをベースとしたクロスオーバーモデル。ヴァリアントよりも30㎜高めている車高や、専用デザインのアンダーガード付きバンパーの採用などによりSUVテイストを演出しています。駆動方式は、日本仕様のパサートでは唯一となる4WDのみのラインナップです。
エンジンは、フォルクスワーゲン最新の2ℓクリーンディーゼルターボを採用。4WDとなったことで、同じパワーユニットを搭載するヴァリアントTDIよりも車両重量はやや重いものの、それでも動力性能は高水準です。操縦性においても、車高が高くなっていることを感じさせないほど自然で、非常に扱いやすいでした。
ステーションワゴンでは随一の大容量荷室を実現
ベース車のパサート・ヴァリアントと同様、ユーティリティの高さはステーションワゴン随一。荷室は639〜1769ℓの大容量で、大きなレジャーアイテムなどの積載も容易です。
モード切替で走破性アップ
オンロードにおける操縦性はナチュラルで、車高の高さを感じさせません。走行モードには、雪道や未舗装道路での走破性を高める「オフロード」モードが追加。
【その3】ディーゼル仕様が見た目も中身も進化
三菱自動車
デリカ D:5
SPEC【P(7人乗り)】●全長×全幅×全高:4800×1795×1875㎜●車両重量:1950㎏●パワーユニット:2267㏄直列4気筒DOHCディーゼル+ターボ●最高出力:145PS/3500rpm●最大トルク:38.7㎏-m/2000rpm●JC08モード燃費:13.6㎞/ℓ
LINE-UP
グレード | エンジン | 駆動方式 | ミッション | 価格 |
M | 2.2ℓディーゼル+ターボ | 4WD | 8速AT | 約385万円〜約425万円(予定) |
G | ||||
G パワーパッケージ | ||||
P | ||||
アーバンギア G | ||||
〃 パワーパッケージ |
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外観の刷新に加えて静粛性や加速の滑らかさなども向上
使い勝手の良いミニバンに、SUVらしい走破性の高さをプラスしたデリカD:5は、コアなファンを多く抱えるモデル。そのディーゼル仕様が進化を遂げました。
外観は、フロントを中心に一新され、従来車より格段に存在感がアップ。エアロパーツなどの専用装備をまとうグレード「アーバンギア」が新設定されたことも注目です。シート生地など、内装の質感が向上していることも見逃せません。
一方で、走りの性能も存分に磨き上げされている。2.2ℓのディーゼルターボエンジンは、最大トルクが従来車から約5%アップ。ATは6速から8速となり、シャシーも改良されました。試乗では、静粛性や滑らかな加速感、自然な操舵感を存分に味わえました。
「アーバンギア」グレードが新たに設定
“都会派”を謳う新グレード「アーバンギア」は、特にフロントマスクの印象が大きく異なります。なお、ガソリン車は従来モデルが継続されます。
インテリアは使い勝手と質感を両立
インパネまわりはデザインが刷新され、操作性や視認性が格段に高まりました。シートに使用する生地は、質感に優れるだけでなく高い耐久性も備えます。
文/小野泰治 撮影/小林俊樹