ダイハツのスーパーハイト系「タント」がフルモデルチェンジし、4代目が発表されました。新型では、ダイハツのクルマ作りの新世代を切り開く新たなプラットフォーム「DNGA(Daihatsu New Global Architecture)」を採用。DNGAでは以前から企業理念としてきた「良品廉価なクルマづくり」をさらに進化させることを目標としています。
ダイハツ工業 取締役社長 奥平総一郎氏によると、「タントはエントリー層、女性、高齢者などユーザーの暮らしに寄り添っていたからこそ軽自動車界でシェア率13年連続ナンバー1を獲得している車種です。スーパーハイト系は、軽自動車カテゴリの中で45パーセントと販売台数がカテゴリ(ダイハツ調べ)にまで成長しました」。2003年11月に登場した初代タントでは“スーパーハイト系”という新ジャンルを創り出し、2代目では“ミラクルオープンドア”、3代目では“両側スライドドア・スマートアシスト”採用と、いつもユーザーに寄り添った進化を行ってきたタント。
新型タントでも先代同様に個性の異なる2つのバリエーションを展開。シンプルで愛着を感じさせるフロントマスクを持つ外観と、居心地のよい空間を演出するインテリアを備えた「タント」。メリハリを効かせて軽快で存在感のあるスタイルを表現した外観と、メッキ加飾やカラーリングで上質感と高級感を与えたインテリアを備える「タント カスタム」が用意されています。
新開発のプラットフォームでは、基本骨格となるアンダーボディやサスペンション設定、パワートレインなどの構成要素を同時刷新。特にサスペンション配置を最優先して、操縦安定性や乗り心地などのポテンシャルを最大限に引き出せる設計を行なっています。また、アンダーボディでは効率よく強度を発揮できるよう骨格構造をストレート化。高張力鋼板を積極的に採用して、曲げ合成を従来から約30%アップに強化しつつ、同等の構造における車両重量を約80kg軽量化。これによって仕様や意匠の向上、基本性能の向上、安全性能の向上などで必要となった重量増を吸収し、トータルで40kgの軽量化を果たしています。
使い勝手の良さ。先進安全性能。そして、軽量高剛性
タントの大きなセールスポイントである車内ユーティリティでは、運転席のシートを最大540mm前後スライド可能とした世界初の「運転席ロングスライドシート」を新採用しています。助手席シートの380mmロングスライド、ピラーインドアのミラクルオープンドアと合わせ、歩道のある助手席側から運転席までアクセスできる「ミラクルウォークスルーパッケージ」を実現。
新型タントでは先代モデルで採用した衝突回避支援システム「スマートアシストIII」の「世界最小ステレオカメラ」を継続搭載しつつ、さらに機能を強化。コーナーセンサーの情報も制御になりました。
いままで装備していた「衝突回避支援ブレーキ」、「車線逸脱警報機能」、「先行車発進お知らせ機能」、「オートハイビーム」などに加え、車両が走行中の車線からはみ出しそうになった場合に、車線内に戻るようステアリング操作をアシストする「車線逸脱抑制制御機能」を新たに採用。また、全車で標準装備する「フルLEDヘッドライト」に、ハイビーム状態で走行中に対向車を検知すると、対向車に当たる部分を自動的に消灯する「ADB(アダプティブドライビングビーム)」を軽自動車として初搭載。
エンジンは従来と同じ「KF」型の直列3気筒DOHC 0.66Lの自然吸気とターボをラインナップしますが、新たに日本初となる複数回点火(マルチスパーク)を採用し、基本特性を磨き上げ、燃焼効率を向上。自然吸気エンジン搭載車では軽自動車ではじめて「平成30年基準排出ガス75%低減レベル」を達成し、さらに軽自動車ユーザーが多用する低速域でのトルク特性を強化しています。
ミラクルウォークスルーパッケージによる「使い勝手の良さ」、次世代スマートアシストにより進化した「先進・安全技術」、新開発のプロットフォームで実現した「高い基本性能」。この3本柱がユーザーの意見を取り入れ、ユーザーに寄り添った4代目タントの進化です。そして国内営業本部によると、この1か月での事前受注は1万6000台に達していると言います。いままでの求めやすい価格帯をキープしているのも魅力的な車種だからでしょう。
次回の記事ではタント、タント カスタムのオリジナルアクセサリーに迫ります。
【フォトギャラリー】※GetNavi web本サイトで見られます。