乗り物
クルマ
2019/7/19 20:30

これが本命かも! クロスオーバーSUVの三菱「エクリプス クロス」の クリーンディーゼルエンジン仕様を徹底インプレ!

エクリプス クロスをSUVらしく使いたいユーザーには最適


その走りは、このクラスのディーゼル車として納得の出来映えでした。ガソリン仕様はスッキリと軽快なドライブフィールが持ち味ですが、こちらは少し重厚でしっとりとしたテイスト。実際、同じ4WD同士で比較するとディーゼルはガソリンより車重が130㎏増となるので当然といえば当然ですが、乗り心地は見ためからイメージされる以上に落ち着いています。

元々エクリプス クロスは路面からの入力を上手に吸収する美点があるので、乗り心地は快適そのもの。スポーティに走らせようとするとガソリン仕様に対してフロントの重さを意識させる場面もありますがハンドリングも素直で、SUV的な重心の高さを意識させることもありません。決して刺激的な味付けではありませんが、SUVとして至極真っ当なシャシーに仕上げられています。

もちろん、絶対的な動力性能は十分以上。基本的にアクセル操作に対する反応は穏やかな部類ですが、特にその踏み込み量が少ない領域では持ち前である大トルクの恩恵が実感できます。それだけに、たとえばロングドライブ時などはアクセルの絶対的操作量が少なくなるので乗り手の疲労が抑えられることは間違いありません。また、ディーゼルで不安視される音や振動の抑制レベルにも不満はありません。直接ガソリン仕様と比較すれば、停止時などでその存在を意識させる場面はあります。しかし、いったん走り出してしまえばその差は気にならないというのが実際のところです。


となればエクリプス クロスのベストバイはディーゼル、と結論付けたくなりますが話はそう単純ではありません。走りに上質感がプラスされ、なおかつ好燃費で燃料費も安いディーゼルですが車両価格は4WD同士の比較でおよそ30万円プラス。これをランニングコストで相殺するのは決して容易ではありません。ガソリン仕様でも実用上は何ら不満がない、というより上出来なことを思えば、たとえばスタイリングに惹かれて日常のアシとして購入を考える人にとってのディーゼルはオーバースペックでしかありません。その意味ではロングドライブをする機会が多く、なおかつ後席や荷室をしっかり使いたい人、あるいはSUVに速さを期待する人にこそディーゼルは相応しい選択といえるでしょう。

 

試乗車SPEC【ブラックエディション】●全長×全幅×全高:4405×1805×1685㎜●車両重量:1680㎏●パワーユニット:2267㏄直列4気筒DOHCディーゼル+ターボ●最高出力:145PS/3500rpm●最大トルク:380Nm/2000rpm●JC08モード燃費:15.2㎞/L

文/小野泰治 撮影/宮門秀行

【フォトギャラリー】※GetNavi web本サイトにてご覧になれます。

  1. 1
  2. 2
  3. 3