【変わる相鉄線⑨】東急との乗り入れ工事の進捗状況は?
先の羽沢横浜国大駅の分岐ポイントでは、東急東横線への連絡線の工事も進んでいた。ここからは相鉄・JR直通線とともに、建設される相鉄・東急直通線の現状を見ておこう。
相鉄・東急直通線は路線距離が約10.0km。羽沢横浜国大駅から新横浜駅(仮称)、新綱島駅(仮称)を通り、東急電鉄の日吉駅の間が結ばれる。完成は2022年度(下期)の予定で建設が進められる。
すでに路線名も正式に決まり、新横浜駅を境に西谷駅〜新横浜駅間を「相鉄新横浜線」(6.3km区間)、日吉駅〜新横浜駅間を「東急新横浜線」(5.8km区間)と呼ぶことになる。
現在、日吉駅は東急目黒線の電車が始発駅となっている。その折り返し線につがなるように連絡線が造られていることもあり、将来は、相鉄線と、東急目黒線との間の直通運転が行われることになる。
新線がつながることにより、二俣川駅〜目黒駅間は約38分となる。これは現状と比較して16分程度の短縮につながる。さらにこれまで、やや不便だった、東海道新幹線の新横浜駅へのアクセスが格段に改善される。
東急新横浜線の開業で、渋谷から新横浜まで約30分になる。約11分の短縮につながる。東京都の西部や神奈川県に自宅がありながら、新横浜駅はややアクセスが不便だった、という人も多かったのではないだろうか。新線開業後は、新横浜駅で乗降しようとする人が格段に増えそうだ。
【変わる相鉄線⑩】相鉄・東急直通線の完成で一連の工事も終了へ
相鉄・東急直通線の工事が進むとともに徐々に車両の準備も進められている。
相鉄では12000系がデビューした1年前、2018年2月に20000系を登場させた。この20000系こそ東急電鉄との相互乗り入れを目指して造られた車両だ。車両幅が東急電鉄の車両幅に合わせている。まだ10両1編成のみだが、12000系の増備後には、この20000系の増備を進めることになるだろう。
さらに東急電鉄では目黒線用の3020系という車両を登場させた。2019年秋から本営業に使われる予定になっている。この3020系、気になるところは、その車両編成数。当初は、今の目黒線に合わせて6両編成で運行されているが、新線が開業する2022年度までに徐々に1編成が2両ほど増やして8両編成となる。
東急目黒線は東京メトロ南北線と、都営地下鉄三田線、埼玉高速鉄道との相互直通運転が行われている。現状、どの路線も6両編成で運行されているが、都営などでは8両化に踏み切るという話も出てきている。
その他の路線ではどうするのだろうか? 2022年度の完成予定とされる相鉄・東急直通線。この新線完成に合わせて、これらの路線の電車も大きく変って行くことになりそうだ。
2022年度の相鉄・東急直通線の開業で、相鉄線を取り巻く一連の工事も終了、新線計画も完結を迎える。
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