【国鉄形⑩211系】近郊形電車として今も大多数が活躍中
製造年 | 1985年〜1991年(現存車両数576両) |
残る路線 | JR東日本:中央本線、上越線・両毛線・信越本線など。 JR東海:東海道本線など |
長年にわたり活躍した近郊形電車の113系、115系。両形式に代わる車両として開発されたのが軽量ステンレス製の211系だった。国鉄の晩年にあたる1985年に開発・製造され、JRに移行後も増備が続いた。
国鉄時代に生まれたとはいえ、JRとなった後にも増備が図られた車両で、国鉄形という印象は薄いが、車歴は長くなりつつあり、徐々に一線をしりぞき始めている。
JR東日本の211系は首都圏近郊の東海道本線や高崎線、東北本線での運用はすでに行われていない。連結していたグリーン車が外され、115系の後を引き継ぐように、群馬地区の各路線と、中央本線の近郊区間を走り続けている。
またJR東海の211系は、後進の311系、313系と連結が可能で、東海道本線などの主力車両として走り続けている。いずれも今後、かなり長い期間、走り続けることになりそうだ。
ちなみに、JR西日本でも211系が製造されたが、団体・イベント用の車両2両のみで、すでに引退している。
【国鉄形⑪213系】211系の2扉型という特異な姿の電車
製造年 | 1987年〜1991年(現存車両数56両) |
残る路線 | JR東海:飯田線など。JR西日本:山陽本線、宇野線、播但線など |
211系と同じ正面スタイルの213系。大きな違いは211系が3扉車であるのに対して、213系が2扉車というところ。コストを削減するために、211系と多くの機器が共通化されている。
ちなみに開発製造は1987年と、国鉄最終年で、国鉄として最後の「新規系列車両」でもあった。国鉄当時に製造された基本番台は岡山地区用に。その後、JR東海が関西本線名古屋地区向けに製造した213系は5000番台とされている。
211系に比べるとやや少なめの製造車両数となった213系。JR西日本では岡山地区で活用される。
一方のJR東海では、最初に投入された関西本線での運用はなくなり、現在は、飯田線での運用がメインとなっている。飯田線の路線の北側の終点は辰野駅だが、列車のほとんどがJR東日本の岡谷駅や、一部の列車は上諏訪駅まで乗り入れる。211系とほぼ同じ造りだけに、JR東日本管内での運用も容易なのだろう。