【国鉄形気動車⑥】四国と九州に残る特急形キハ185系の現状
製造年 | 1986年〜1988年(現存車両数51両) |
残る路線 | JR四国:徳島線、牟岐線、予讃線など JR九州:鹿児島本線、久大本線、日豊本線、豊肥本線など |
キハ185形は国鉄分割民営化を間近に控えた1986年から四国用に製造された特急形気動車。それまで急行用のキハ58系などの車両が中心だった優等列車を、接客設備などが整った特急形に置き換え、四国の経営基盤を強化する狙いで造られた。
長年、JR四国を走ってきたキハ185系だったが、後継の2000系は制御付自然振り子式を備え、最高時速120kmでの運転が可能となった。2000系の増備により、余剰となったキハ185系はJR九州に20両が譲渡されている。
JR四国に残るキハ185系は計31両。幹線での運用は無くなり、現在は徳島線、牟岐線(むぎせん)の特急、そして松山地区の普通列車に利用されるようになっている。JR四国では8600系、8700系といった新型特急を増備しつつあり、それに合わせて残ったキハ183系を「四国まんなか千年ものがたり」といったジョイフルトレインに改造、再利用を行う。こうした観光列車に改造されなかったキハ185系は徐々に消えていくことになりそうだ。
一方のJR九州に譲渡されたキハ185系は、改造工事が行われ、また一部は観光特急「A列車で行こう」に模様替えされ、利用されている。JR九州では特急形気動車の開発が行われていないだけに、今しばらくは活躍する姿を楽しむことができそうだ。
次回は意外に長生きする車両が多い国鉄形機関車の動向を紹介の予定。ご期待いただきたい。
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