乗り物
クルマ
2019/9/24 22:15

〝マシュマロマン”のような一台?永福ランプがシトロエンの新型SUVを分析

ベテラン自動車ライターの永福ランプとフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をするクルマ連載。今回は、永福ランプもファンだと自認するフレンチブランド「シトロエン」の、新型SUVを試乗しました!

 

【関連記事】

永福ランプこと清水草一さんの連載記事はコチラ

 

永福ランプ(清水草一)

日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。様々な自動車専門誌や一般誌、Webなどで、クルマを一刀両断しまくっています。2018年以降、ペンネームを「MJブロンディ」から「永福ランプ」へ変更しています。

 

安ド

元ゲットナビ編集部員で、現在ではフリーエディター。永福ランプを慕い「殿」と呼んでいます。

 

【今月のクルマ】シトロエン/C5エアクロスSUV

SPEC【SHINE】●全長×全幅×全高:4500×1850×1710㎜●車両重量:1640㎏●パワーユニット:1997㏄直列4気筒ターボディーゼルエンジン●最高出力:177PS(130kW)/3750rpm●最大トルク:400Nm/2000rpm●WLTCモード燃費:16.3㎞/ℓ●424万円

 

個性的ではあるが超甘口。まるでマシュマロマンだ

永福「安ドよ。私はシトロエンファンなのだ」

安ド「知っています! フェラーリの次くらいにお好きですよね」

永福「うむ。これまで所有したシトロエンは3台だけだが、思い入れは深い」

安ド「独特の雰囲気がありますからね!」

永福「魂の燃焼・フェラーリの対極に位置するクルマこそシトロエン。言わば魂の静寂だ」

安ド「深いです!」

永福「かつて『フェラーリの鷹』というイタリア映画があったが知っているか?」

安ド「知りません!」

永福「刑事が乗る古いフェラーリが大活躍するのだが、そのライバルの悪者が乗るクルマは、なにを隠そうシトロエンDS! フェラーリとシトロエンがローマの街で大バトルを繰り広げる」

安ド「えっ、どう考えてもフェラーリのほうが速そうですが」

永福「当時のシトロエンは、ハイドロニューマチック・サスペンションをはじめとする最先端技術を積んだ超ハイテク車。つまり古典と最新の戦いだったのだ」

安ド「それはビックリです!」

永福「半世紀以上前、オイルと空気のバネで、魔法のじゅうたんのようなレトロハイテクな乗り心地を実現したハイドロ系サスは4年前ついに絶滅してしまったが、このクルマにはその後継技術が搭載されている。それがプログレッシブ・ハイドローリック・クッション、略してPHCだ!」

安ド「殿、いつになくマニアックですね!」

永福「誰でもシトロエンを語るとマニアックになる」

安ド「で、C5エアクロスSUV、いかがでした?」

永福「『ふにゃふにゃのふにゃ』だった」

安ド「アハハハ! 確かに僕も、最初に段差を超えたとき、『ぬるっ』って感じで、まったくショックがなくてビックリしました! 現代のクルマでは一番乗り心地が良いんじゃないでしょうか。低速域に限りますが」

永福「ハイドロと違って、柔らかいだけの金属バネだからな。ただ、シトロエンらしい感じはするぞ」

安ド「気に入られたんですね!」

永福「いや、気に入らん」

安ド「えっ、どこがダメでした?」

永福「デザインが大味すぎる」

安ド「そうですか!」

永福個性的ではあるが超甘口。まるでマシュマロマンだ

安ド「やっぱりシトロエンというだけで、デザインへの期待も大きくなっちゃいますからね!」

永福「常に時代の先を行き、“セピア色の未来”を見せてくれたからな。元祖シトロエンDSなど、クルマと言うより宇宙船だった。それがマシュマロマンではイカンだろう」

安ド「確かにトガッた雰囲気はないですが、一般ウケするのでは?」

永福「マニアには一般ウケのことはわからん」

 

【注目パーツ01/ルーフレール】裏側にまでこだわりの色

いわゆるフツーのSUVとは違い、2段構造でデザインされたルーフレールが付いています。下側がレッドで塗られた部分もボディカラーに合わせて色が変わるのですが、フランス車はこんな細かな部分までおしゃれなんですね。

 

【注目パーツ02/2段ヘッドライト】シトロエン得意のスタイル

2段デザインのフロントライトですが、上側は常時点灯のLEDデイライト、下が本当のヘッドライトになります。これは近年のシトロエンの常套的な手法で、「C3」などはギョロリとした目が下に付いていてビックリします。

 

【注目パーツ03/デザイン上のアクセント】台形モチーフ

 

最新のシトロエンのデザイン文法に則った、「奇抜でユニークでカラフル!」を地でいくスタイリングです。フロントバンパー下、ボディサイド下、ボンネット上などに、機能的には特に意味のない台形のアクセントがあって、全体のキュートさを強調しています。

 

【注目パーツ04エンブレム】ルーツを物語るギア形状

シトロエンのエンブレムは「ダブルシェブロン」と呼ばれており、そのルーツは創業者が手がけていたギア(歯車)の製作事業にあると言われます。リアは普通ですが、フロントはグリルに繋がる形でデザインされています。

 

【注目パーツ05センターコンソール】スイッチが集まる部分

飛行機の操縦桿のようなシフトノブの周囲には、走行モード系スイッチが並びます。どれもそれほど多用しないものですが、必ず毎回押すエンジンスタート/ストップスイッチが使いにくい位置にあるのは残念です。

 

【注目パーツ06ディーゼルエンジン】低速トルクでグイグイ走る

パワーユニットは1種類のみ、2.0ℓのクリーンディーゼルターボエンジンです。力強いトルクがあって、低回転域でもアクセルを踏み込めばグイグイ車体を前に進めます。今回の試乗における実燃費は10.0㎞/ℓくらいでした。

 

【注目パーツ07パノラミックサンルーフ】大きなガラスルーフで爽快

撮影車は「ナッパレザーパッケージ」というパッケージオプションが付いており、とても面積の大きなサンルーフもセットになっていました。車内側にはメッシュの電動サンシェードを備えているので、眩しさも抑えられます。

 

【注目パーツ08リアシート】3人が乗れるようにしっかり区分け

クッション素材にポリウレタンフォームを採用した、サポート性の高いシートを搭載しています。後席はシート幅が均等で、前後スライド&リクライニング&フォールディングが可能になっているので、3名でゆったり乗ることができます。

 

【注目パーツ09インパネスイッチ】ピアノブラックで艶っぽい仕上がり

カーナビやエアコンなどのスイッチ類は、インパネ正面にモダンな雰囲気に水平基調で並べられ、高級感のあるピアノブラックでまとめられています。上段は直接タッチして、下段はクロームのスイッチ部分を押して操作します。

 

【これぞ感動の細部だ!/PHCサスペンション】これが現代版の魔法のじゅうたん!

シトロエンといえば、「魔法のじゅうたん」と呼ばれたハイドロニューマチック・サスペンションが有名ですが、今回採用されたのは、純メカニカルなシステムで極めてソフトな乗り心地を実現したサスペンション「PHC」です。構造的には、通常のダンパー内にセカンダリーダンパーが追加されていて、衝撃をスムースに吸収する仕組みになっています。

 

撮影/我妻慶一

 

【フォトギャラリー(GetNavi webサイトにてご覧になれます)】