【DMVを導入へ④】DMVの車内外を細く観察していくと
DMVの車内はどのようになっているのだろう。トヨタ自動車のマイクロバスをベースにしているだけに、車内の造りはマイクロバスそのものだった。とはいえ、細いところは手を加えられている。
例えばマイクロバスの助手席部分を鉄道運行用に変更している(運転保安システムや鉄車輪の制御器が付く)。助手席はないために、通常の車両よりも座席数が少なく18席。立ち席を含めても23席が定員となりそうだ。
写真で車内外のポイントを見ていこう。
DMVは路線バスよりも小型で、また入口のドアの大きさはマイクロバスそのもの。バリアフリーおよび、車椅子での利用については、今後の課題と言うことができそうだ。
【DMVを導入へ⑤】沿線はどのように変わっていくのだろう?
DMVの運行に備えて、沿線も変りつつある。
現在、阿佐海岸鉄道の阿佐東線は海部駅〜甲浦駅間で運転されている。この路線区間がDMVの運行後には、一つ北側にある牟岐線の阿波海南駅まで延ばされる予定だ。
海部駅は高架上の駅で、DMVが地上に降りるアクセス路の建設が容易では無い。対して、阿波海南駅は地上駅のため、アクセス路が造りやすく、すぐ横を国道55号が走る利点もある。DMV運行後には、阿佐東線の起点が阿波海南駅となるため、現在、駅構内の改良工事を含め、JR四国との調整が続けられている。
海部駅〜阿波海南駅区間が延びることにより阿佐東線は計10kmの距離となる。さらに終点の甲浦駅が大きく変る。甲浦駅は高架駅となっている。この高架上にある線路からDMVが地上へおりることができるように、現在、アクセス路の工事が進められている。
2年後を目指して現在、工事真っ盛りの状況だった。単なるアクセス路ではなく、一般車が入れないように遮断機を設ける必要があるなど、DMVの運行に必要な装置の取り付けも行われる。現在使用している高架上のホームは使われなくなり、地上部に乗降場所が設けられる。
また途中駅となる海部駅と宍喰駅では、現在使われる鉄道車両が走らなくなるため、ホームが不要となる。高さが低いDMV用のホームが造られる予定だ。