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2019/10/13 18:00

世界初の線路を走るバス•DMV導入へ!「阿佐海岸鉄道」の新車両と取り巻く現状に迫った

【DMVを導入へ④】DMVの車内外を細く観察していくと

DMVの車内はどのようになっているのだろう。トヨタ自動車のマイクロバスをベースにしているだけに、車内の造りはマイクロバスそのものだった。とはいえ、細いところは手を加えられている。

 

例えばマイクロバスの助手席部分を鉄道運行用に変更している(運転保安システムや鉄車輪の制御器が付く)。助手席はないために、通常の車両よりも座席数が少なく18席。立ち席を含めても23席が定員となりそうだ。

 

写真で車内外のポイントを見ていこう。

 

↑前輪が出ると、車両はかなり前側が持ち上がっていることが分かる。後輪のゴムタイヤと後鉄車輪は、常に荷重配分を変えながら走る。今回、線路の上での公開はなかったものの、将来どのような形で走るのか、ぜひ乗り心地を味わいたいものだ

 

↑2列+1列の座席が並ぶ。通路の途中にはタテ手すり(スタンションポール)が設けられている。そのポールには押しボタンもつけられている。まだ営業前ということもあり通路には汚れ防止用のシートがかぶせられていた

 

↑運転席には通常の路線バス用の装備に加えて鉄道の信号設備や鉄車輪を上下する装備などが付く。線路の上を走る時には、ハンドル操作はすることなく、運転士はアクセルとブレーキ操作により車両を走らせる

 

DMVは路線バスよりも小型で、また入口のドアの大きさはマイクロバスそのもの。バリアフリーおよび、車椅子での利用については、今後の課題と言うことができそうだ。

 

↑通常のマイクロバスよりも1段下に踏み台が設けられた。少しでもラクに乗り降りできるように配慮されている

 

↑乗降口には整理券の発行器が付いている。運転席の後ろの空きスペースには料金箱などが設置される予定

 

 

【DMVを導入へ⑤】沿線はどのように変わっていくのだろう?

DMVの運行に備えて、沿線も変りつつある。

 

現在、阿佐海岸鉄道の阿佐東線は海部駅〜甲浦駅間で運転されている。この路線区間がDMVの運行後には、一つ北側にある牟岐線の阿波海南駅まで延ばされる予定だ。

 

海部駅は高架上の駅で、DMVが地上に降りるアクセス路の建設が容易では無い。対して、阿波海南駅は地上駅のため、アクセス路が造りやすく、すぐ横を国道55号が走る利点もある。DMV運行後には、阿佐東線の起点が阿波海南駅となるため、現在、駅構内の改良工事を含め、JR四国との調整が続けられている。

 

↑DMV運行後は現在の阿波海南駅がJR牟岐線と阿佐海岸鉄道の接続駅となる予定。それに合わせてDMVのモードチェンジスペースなどが整備される

 

↑現在、海部駅がJR牟岐線の終着駅となっている。DMV導入後は、阿佐海岸鉄道の途中駅となる

 

海部駅〜阿波海南駅区間が延びることにより阿佐東線は計10kmの距離となる。さらに終点の甲浦駅が大きく変る。甲浦駅は高架駅となっている。この高架上にある線路からDMVが地上へおりることができるように、現在、アクセス路の工事が進められている。

 

2年後を目指して現在、工事真っ盛りの状況だった。単なるアクセス路ではなく、一般車が入れないように遮断機を設ける必要があるなど、DMVの運行に必要な装置の取り付けも行われる。現在使用している高架上のホームは使われなくなり、地上部に乗降場所が設けられる。

 

また途中駅となる海部駅と宍喰駅では、現在使われる鉄道車両が走らなくなるため、ホームが不要となる。高さが低いDMV用のホームが造られる予定だ。

 

↑工事をする以前の阿佐海岸鉄道の終点・甲浦駅の様子。時計付きの木造駅舎が目印となっていた。階段を上がった高架上にホームが設けられている

 

↑現在、工事真っ盛りの甲浦駅。高架を通る線路上で、鉄道モードからバスモードに変換。そしてアクセス路を降りて地上へ降りることができるように工事が進む
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