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2019/11/21 21:00

辛い時代を経て再評価へーー「いま乗るべきセダン」至極のSELECTION!【前編】

秀逸なデザイン、魂を揺さぶる走り、感動的なインテリアが自慢のセダン。自分にぴったりのセダンを選んでもらうために、“こだわり”ごとに至極のセダンを紹介します。欲しくなる1台が必ずあるはずです!

 

私がセレクトしました!

自動車・環境ジャーナリスト

川端由美さん

自動車関連メーカーに就職後、自動車専門誌の編集記者に。現在はフリーのジャーナリストとして、自動車の環境技術や次世代モビリティについても取材活動を行っています。

 

とにかく運転することが大好き!

リアシートにゆったり座るのもいいけれど、自分で操ってこそセダン! という人にはこの5台がオススメ。先進の運転支援技術も投入されているため、安心してドライブを楽しめます!

 

【その1】ボディの軽量化を果たし、ダイレクトな操縦性を実現

BMW/3シリーズ

452万円〜

3シリーズとして7代目になるG20型。モデルの代替わりごとに大きくなり、最新モデルはついに全幅1800mmの大台超え。しかしその分、従来比で55kgの軽量化を行っており、正確なハンドリングは失われていません。減速、旋回、加速がすべてダイレクトに感じられます。

SPEC【320i M Sport】●全長×全幅×全高:4715×1825×1430mm●車両重量:1540kg●トランク容量:480ℓ●パワーユニット:1998cc DOHC直列4気筒エンジン●最高出力:135kW(184PS)●最大トルク:300Nm(30.5kgf-m)●WLTCモード燃費:13.1km/ℓ

 

↑BMWといえばドイツ人気質でこだわり続ける前後バランス50:50。これがハンドリングやブレーキングで大きなメリットになります

 

↑2ℓ直列4気筒ツインターボの320i。このパワーユニットは、BMWジャパンが本社に依頼して特別に作られた日本専用エンジンです

 

↑先代同様に直線基調のインパネ。メーターは12.3インチ液晶で、メーター内にもカーナビの地図を表示できます。エアコンは左右独立式

 

↑条件を満たした場合に可能となるハンズ・オフ機能、つまり手放し運転ができる自動運転技術を搭載。特に渋滞時にはありがたいです

 

↑すでにデビューしている8シリーズゆずりのデザインのセンターコンソール。シフトノブ脇には走行モードを選択するスイッチを備えます

 

川端さんオススメ「至極の理由」

「自動運転」なんて言葉が世の中を騒がせている昨今ですが、あえて自分で運転することを楽しむ! という人にオススメなのが、BMW 3シリーズです。エンジンの味わいを追求するのはもちろん、前後の重量配分を50:50にすることにこだわり、素直な挙動を手に入れています。

走行性能★★★★★
デザイン★★★★☆
インテリア★★★☆☆
居住性★★★☆☆

 

【その2】パワフルな伝統の水平対向エンジンが生む、意のままの走り

スバル/WRX S4

336万9600円〜

ラリーでの強さを知るスバルファンにとっては、WRXのネーミングは特別なもの。そのDNAが息づいたWRXの魅力は、自分の意のままに走れるクルマに仕上がっていることに尽きます。安全装備のアイサイトがついて300万円台から買えるとなると、魅力は増すばかり。

SPEC【2.0GT EyeSight】●全長×全幅×全高:4795×1795×1475mm●車両重量:1560kg●トランク容量:460ℓ●パワーユニット:1998cc DOHC水平対向4気筒直噴ターボエンジン●最高出力:221kW(300PS)●最大トルク:400Nm(40.8kgf-m)●JC08モード燃費:13.2km/ℓ

 

↑スバルこだわりの水平対向エンジンは、ピストンの一番重い部分を水平にして低重心化。シンメトリーAWDとの組み合わせは無敵の方程式です

 

↑搭載される2ℓ直噴ターボエンジン。300PS、400Nmのスペックを誇ります。組み合わされるミッションは、MTモード付きのCVT

 

↑運転支援システムアイサイトは全モデル装備。中央のカメラはハイビームアシスト用です。5月の改良でその作動速度が40km/h→30km/hに

 

↑200km/hオーバーのメーター表示と赤いステッチがスポーティを主張します。オプションでメモリー機能付きの本革シートも選べます

 

川端さんオススメ「至極の理由」

ボディを強化し、パワーアップを施したエンジンを搭載するWRXでは、重量物であるエンジンを低い位置に搭載可能。左右のピストンが互いに振動を打ち消しあう水平対向エンジンのメリットを存分に堪能できます。ニュルブルクリンクで鍛えた走りが、手の届く価格で手に入ります。

走行性能★★★★☆
デザイン★★★☆☆
インテリア★★★☆☆
居住性★★★☆☆

 

【その3】ハイパワーエンジンがもたらす素早いレスポンスが魅力

メルセデス・ベンツ/C AMG

977万円(C 43 4MATIC)〜

Cクラスといえば大人のモデルのイメージがありますが、少々過激なモデルがAMG C43。さらに上位クラスの63だと本気すぎるからちょっとおとなしめの43……と油断していると、その加速性能に驚くはず。それでいて扱いやすく、かつ楽しい万能選手です。

SPEC【C 43 4MATIC】●全長×全幅×全高:4705×1810×1435mm●車両重量:1710kg●トランク容量:435ℓ●パワーユニット:2996cc DOHCV型6気筒ツインターボエンジン●最高出力:287kW(390PS)●最大トルク:520Nm(53.0kgf-m)●JC08モード燃費:9.8km/ℓ

 

↑C43に搭載されるV6エンジン。C63搭載のV8よりも軽い分、コーナーではフロントの重さを感じさせないという楽しみもあります

 

↑通常のCクラスと共通のコクピットデザイン。セミバケットタイプのスポーツシートは標準装備だ。スピードメーターは280km/h表示

 

↑センターコンソールには走行モードを変えられるAMGダイナミックセレクトのスイッチ。センターディスプレイでも操作できます

 

川端さんオススメ「至極の理由」

本来、ドライバビリティを重視するブランドですが、実は歴代Cクラスの試乗会はサーキットで開催されてきました。ハウスチューナー的位置付けのAMGでは、エンジンの出力を相応に高め、ボディの剛性を向上。徹底的にスポーティネスを高めており、敏しょう性を堪能できます。

走行性能★★★★★
デザイン★★★★☆
インテリア★★★★☆
居住性★★★☆☆

 

【その4】しなやかなサスペンションが生む抜群の操縦安定性

レクサス/IS

471万4000円〜

ISとしては3代目となる現行モデル。パワーユニットは直列4気筒ターボと直列4気筒ハイブリッド、V型6気筒エンジンの3種類が用意されます。各種安全支援装備は同社先進のものを採用。ISの前身は1999年から「アルテッツァ」として日本で販売されていました。

SPEC【IS300】●全長×全幅×全高:4680×1810×1430mm●車両重量:1630kg●トランク容量:480ℓ●パワーユニット:1998cc DOHC直列ターボエンジン●最高出力:180kW(245PS)●最大トルク:350Nm(35.7kgf-m)●JC08モード燃費:12.8km/ℓ

 

↑シートに身を任せればスポーツセダンであると伝わる室内。クルージングする時は快適であることも重要です。Fスポーツには専用シートを採用

 

↑ドライブモードセレクター。エコからスポーツ、EV、スノーを選択でき、走る状況や条件で最大限のパフォーマンスを発揮します

 

↑同社のDNAである運転の楽しさを実現するサスペンション。フロント(上)はダブルウィッシュボーン、リア(下)はマルチリンク方式を採用

 

川端さんオススメ「至極の理由」

アメリカで産声を上げたレクサス・ブランドですが、こと「IS」に関しては、”ヨーロッパかぶれ”と言っていいです。アクセルの踏み込みに素直に応えてパワーをデリバリーするエンジン、リニアな操舵フィール、アウトバーンでの走行に耐える足回りを与えられています。

走行性能★★★★☆
デザイン★★★★☆
インテリア★★★★☆
居住性★★★☆☆

 

【その5】エンジンフィーリングを楽しめるスポーツセダン

アルファロメオ/ジュリア

543万円〜

ひと足先にデビューしてしていた“妹”のジュリエッタに遅れること数年、2016年にジュリアが登場。先代のジュリアから数えて2代目です。乗れば誰もが楽しいと感じられるスポーツセダンで、コーナリングの楽しさや、官能的なエンジンのフィーリングは体感して損はありません。

SPEC【2.0 TURBO SUPER】●全長×全幅×全高:4645×1865×1435mm●車両重量:1590kg●トランク容量:480ℓ●パワーユニット:1998cc DOHC直列ターボエンジン●最高出力:147kW(200PS)●最大トルク:330Nm(33.7kgf-m)●JC08モード燃費:14.1km/ℓ

 

↑ガソリン、ディーゼル共通のインパネデザイン。大型2眼式メーターに加えて最近のフェラーリを彷彿させるパドルシフトが気分を高めます

 

↑いかにスポーティといえどもセダンである以上くつろげる空間は当たり前。必要十分な居住空間は確保されています。後席用ベンチレーターも搭載

 

↑ひと昔前に感じられたボディのルーズさがなくなるほどの剛性感を生むプラットフォーム「ジョルジオ」。理想的な前後重量配分も実現します

 

川端さんオススメ「至極の理由」

戦前のレースシーンを席巻したアルファロメオは、戦後にスポーティな乗用車の生産に乗り出しました。当然、セダンでも走行性能に妥協はないどころか、威勢のいいエンジンサウンドとシャキッと切れ味のいいステアリング・フィールを備えるスポーティネスが真骨頂です。

走行性能★★★☆☆
デザイン★★★★★
インテリア★★★☆☆
居住性★★★☆☆
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