②【東北の不通区間2】リアス線につながるJR八戸線にも被害が
久慈駅で三陸鉄道に接続するJR八戸線。こちらも海岸に沿って走る区間で主に台風19号の被害を受けた。
◆JR東日本 八戸線:台風19号(10月12日)の被害
不通区間 | 階上駅(はしかみえき)〜久慈駅間37.4km |
被害状況 | 11か所で盛土流出、12カ所で法面(のりめん)崩壊 |
復旧見込み | 2か月程度 |
同線の不通により美しい海景色が楽しめると人気だった観光列車「TOHOKU EMOTION」も11月30日まで運休。12月以降の運行は決まり次第、と発表されている。
③【東北の不通区間3】阿武隈急行線の宮城側区間に甚大な被害が
東北本線の福島駅と槻木駅(つきのきえき)間の54.9kmを走る阿武隈急行・阿武隈急行線。ほぼ阿武隈川に沿って走る路線で、車窓から望む阿武隈川の流れが美しい。途中、台風19号による被害が深刻だった丸森町を通る。
◆阿武隈急行 阿武隈急行線:台風19号(10月12日)の被害
不通区間 | 富野駅(とみのえき)〜槻木駅間32.8km |
被害状況 | 48か所で土砂崩れ、路盤流出、あぶくま駅ホームの損壊など |
復旧見込み | 未定 |
現在、福島県側の富野駅と、東北本線との接続駅・槻木駅間が不通となっている。ちょうど富野駅〜丸森駅は県境にあたる険しい山間部を路線が通っている。通常ならば車窓から阿武隈川の渓谷が楽しめる区間なのだが、阿武隈川が山間を縫って流れる地区だけに、影響も大きかった。
現在、利用者の多い丸森駅〜槻木駅間は代行バスが運行されている。ところが、県境の丸森駅〜富野駅間は代行バスもなく、移動手段がない状況になっている。
阿武隈急行は東日本大震災でも被災。全線復旧までに2カ月ほど期間がかかっている。阿武隈急行からはまだ復旧の見通しが発表されていない。甚大な被害を被った地域だけに、それぞれの自治体も、まずは河川や道路の改修など生活再建に向けての課題を優先に、とならざるを得ないという状況のようだ。
④【東北の不通区間4】磐越東線の復旧は11月中旬の見込み
福島県の郡山市や福島市は「中通り」と呼ばれる。一方、太平洋側のいわき市は「浜通り」と呼ばれる。この2つの地区を結んで走るのがJR磐越東線(ばんえつとうせん)だ。太平洋へ流れ込む、夏井川に沿って路線が走っている。この夏井川、台風19号とその後の大雨による氾濫が各所で起り、磐越東線もその影響を受けた。11月中旬には全線が復旧される予定とされる。
◆JR東日本 磐越東線:台風19号(10月12日)・豪雨(10月25日)の被害
不通区間 | 小野新町駅〜いわき駅間40.1km |
被害状況 | 橋りょう盛土流出など |
復旧見込み | 11月中旬 |